第三の公演~始まり~
「気配からは一人か…いや、二人。一人は生まれたてで、もう一人は古株。それも末期のタナトス因子保持者だな」
「そのようですね。我々は早期に手を打つべきか否か…悩みますね」
「俺はブッ殺す方に一票だ。やっぱ危険なもんはとっととやっちまうに限るぜ」
「そうだな、確かに生存されては周囲に被害が出ることもある。鹿助、お前はどう考える」
「私も一応は賛成ですが…しかし、我々が動くと何十、何百の屍が詰み上がりますよ。敵の実力も把握できていないことも含めると少々様子を見るべきでは」
「それで何千人、何万人も死んじまったこともあるんだぜ。十人や百人そこらで済むなら安いもんじゃねえか」
「私もそれらを考慮に入れるのなら、迅速に方を付けたいのだが」
「しかし…まぁ、二人がそうおっしゃるのなら私は止めませんが、私はごめんですよ。誰が行くんですか」
「俺様が言ってやんよ。まかせとけ、鹿助にもう順番は回さねえよ。だから、後でやりたかったとかぼやくんじゃねえぞ」
「ぼやきませんよ。私は殺し合いが大嫌いですので。力を振るいたがるのはあなたぐらいです」
「当たりめぇだろ。こんなヤベえ力、使わなくて腐らせるのかよ。俺はこいつでやっちまうことに人生かけてんだよ」
「……はぁ、付き合いきれません。桜子さん、私は帰らせて頂きます。どうやら、解決方法も決定したようですし」
「そうか。鹿助、いつでも連絡できるようにしとけよ。何があるかわからないのが末期タナトス因子保持者だ。もしかすると先制攻撃を仕掛けてくるかもしれない」
「ご忠告ありがとうございます。では、私からは辻本に忠告を。死なないで下さいよ」
「おっ、鹿助君は俺の心配してくれんのか。超優しいねえ」
「違いますよ。あなたの席が欠けると色々と困るのでね。勝手に死なれたら私たちに迷惑がかかるんです」
「だから心配してくれてんだろ。素直になれよ、鹿助ちゃん」
「はあ…まあいいです。それでは事後報告は明朝九時にお願いします。お気をつけて」
「じゃあな、鹿助」
「鹿助、また今度な」
「お疲れ様です」
「俺ももう行く。あばよ、桜子」
「ああ、また今度な。次に会うときにでもお前の武勇伝を聞かせてもらうとしよう……気をつけろよ」
「おう、言われなくても」
次はどうしましょう。意見ください