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四章 忘れられない友

神護国歴四十二年、十一月九日。

万象教が運営する児童保護施設、クンツァイト・東輝水での生活が始まった。

ここでは色々な理由で一人になった子供が生活していた。

ここで生活している子供の数は約四十人。

ここで生活してる子供は苗字を言わずに名前だけで呼び合っていた。

曙陽の勇者の娘であることを知られたくなくなった私にとっては都合が良かった。

私はこの施設で忘れることができない友と巡り合った。

マリーっていう色々と変わったヤツだった。

「よろしく!キャリッシュ!」

マリーはキャリッシュを見て笑みながらそう言った。

「あぁ、よろしく」

キャリッシュはマリーを見て笑みながらそう言った。

「さ、教会に行こ!お祈りのやり方教えてあげる!」

マリーはキャリッシュの腕を引っ張りながらそう言った。

強気で面倒見が良くてどこかローラっぽさがある勝気なヤツだった。


翌日、私はマリーに連れられて東輝水の町に出た。

東輝水の町には高層マンションなんてものはなくて住居は全て瓦屋根の長屋だった。

「すげぇ・・・」

キャリッシュは山を見てそう言った。

「山が・・・」

キャリッシュは地面を見てそう言った。

「見える!」

キャリッシュは山をもう一度見て嬉しそうに言った。

「何?その反応」

マリーはキャリッシュを見て首を傾げてそう言った。

「いや!山が見えるんだぜ!?」

キャリッシュはマリーを見て嬉しそうに言った。

「地面に足をつけたまま・・・」

キャリッシュは山を見てしみじみとそう言った。

南煌炎では見たことがない景色だった。

緑に覆われた山、その下に広がる町、そこで生活する者たち、どれも私にはキラキラして見えた。

茶屋で休みながら聴く鳥の声も町犬の追いかけっこの音もとても心地いい音だと思えた。

「そこにある赤色のってなに?」

キャリッシュは山の頂上付近にある朱色の建物を見てそう言った。

「あれは水願神社(すいがんじんじゃ)だよ。神護国にある唯一の神社なんだって」

マリーはそう言うとお茶を飲んだ。

「へぇ~行けるのか?」

キャリッシュはそう言いながら団子を食べた。

「行けるよ。子供だけじゃ無理だけどね」

「いつか行きたいな」

キャリッシュは水願神社を見て笑みながらそう言った。

「じゃあ、大人になったら一緒に行こっか」

マリーはキャリッシュを見て笑みながらそう言った。

「・・・そこまで仲良くしてられるかな・・・」

キャリッシュはそう言うとお茶を飲んだ。

「仲良くしようよ。おばあちゃんになってもずっと」

「・・・」

キャリッシュはマリーを見て微笑んだ。

次回

五章 大切な記念

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