後日談 新たなる出会い
あの戦いから二ヶ月経った頃、ヒルデガルトさんを中心に編成された戦後処理班による調査が終わった。
南方剣士団も落ち着きを取り戻し、閉じ籠っていた剣士も墓参りに行けるようになった頃、私は同窓会に参加するため思い出の地に帰った。
本当は行くつもりなんてなかったけど、直接来られたんじゃ行くしかなかった。
「ごめんね。何も見つけられなくて」
キャリッシュの同級生、イル・ラント・ロードはそう言うとグラスを持って酒を飲んだ。
「気にすんなよ。あいつらのためにありがとな」
グラスを持ったキャリッシュはイルを見て笑みながらそう言うと酒を飲んだ。
「強がりさんめ。私に泣きついても良いんだぞ?」
グラスを持ったイルはキャリッシュを見て笑みながらそう言った。
「泣きつかねぇよ。今日初めてしゃべったんだぞ」
グラスを持ったキャリッシュはそう言うと酒を飲んだ。
イルは顔がメチャクチャ良くて世話焼きでメチャクチャ可愛いやつだった。
でも、そんなイルも誰とも関わりを持ちたくなかった当時の私にとっては心地悪いやつだった。
「仲間を失った者同士じゃないですか。仲良くしていきましょうよ」
イルはキャリッシュに体を寄せてそう言うと酒を飲んだ。
「・・・」
酒を飲み干したキャリッシュが立ち上がろうとするとイルがキャリッシュに寄りかかって止めた。
「ヘイヘイ、先生!キャリッシュがもう一杯ほしいって~!」
イルは聖職者1に手を振りながら楽しそうに言った。
「もう飲んじゃったの?」
聖職者1はキャリッシュを見て笑みながらそう言った。
「あぁ・・・まぁ、はい」
キャリッシュは聖職者1を見てそう言った。
「次はゆっくり飲むんだよ?」
聖職者1は笑みながらそう言うとお酒を注文した。
「はい」
「・・・」
キャリッシュは座り直して頬杖をついた。
「今日はね、同窓会が終わったら山登って水願神社に行くんだって」
イルは笑みながら楽しそうに言った。
「へぇ・・・」
キャリッシュは机に置かれた酒が入ったグラスを見てそう言った。
「キャリッシュも行こうね」
「行かねぇよ。行って何すんだよ・・・」
キャリッシュはそう言いながらグラスを持つと酒を飲んだ。
「鳥居くぐって、お賽銭して、山から町を見るの」
「・・・楽しいのか?」
キャリッシュは酒を見ながらそう言った。
「さぁ、どうだろうね~楽しいかもしれないし、楽しくないかもしれないですね~」
「・・・」
グラスを持ったキャリッシュは黙って酒を飲んだ。
「気になってきた?」
イルはキャリッシュを見て笑みながらそう言った。
「・・・まぁな」
グラスを持ったキャリッシュはそう言うと酒を飲んだ。
同窓会が終わると私たちは水願神社に向かった。
子供の頃とても険しい道だと思って見てた山道は、緩やかで小さなものなんだと大人になって気付いた。
「ねぇ、遅いよ二人!」
酔ったキャリッシュの同級生たちは笑みながらそう言った。
「お前らが速いんだよ!」
酔ったキャリッシュは山道を歩きながらそう言った。
「こっち?」
「多分こっち」
酔ったキャリッシュの同級生たちは小さな案内図を見てそう言うと再び歩き始めた。
「まさか、お前らと来れるなんてな」
酔ったキャリッシュは山道をフラフラと歩きながら少し嬉しそうに言った。
「こっちもまさか東輝水の悪ガキと一緒に行くとは思っていませんでしたよ」
イルはキャリッシュを見て笑みながらそう言うとキャリッシュを支えた。
「やめろよ、惚れちまうぞ」
酔ったキャリッシュはイルを見てそう言った。
「惚れたって良いよ。相手ならいくらでもしてあげますよ」
イルはキャリッシュを見て笑みながらそう言った。
「・・・・・・ごめんな。もっと、もっともっとあいつらのことを探してほしかった」
酔ったキャリッシュはイルに支えられながら歩みを進める。
「ですよね・・・」
イルはキャリッシュを見てそう言った。
「しょうがないんだけど・・・しょうがないんだけど、戦後処理が終わったって聞いた時はイラっとした」
「君からやっと人間味がある言葉を聞けた」
イルはキャリッシュを見て笑みながらそう言った。
「・・・」
キャリッシュは黙って下を向く。
「・・・・・・ほら、神社が見えてきたよ」
キャリッシュを支えるイルは山道の先を見て笑みながらそう言った。
「おぉ・・・来た」
酔ったキャリッシュは山道の先を見て笑みながらそう言った。
「すげぇな。これが神社ってやつか」
酔ったキャリッシュは朱色の鳥居と木造の大きなお社を見て笑みながらそう言った。
「二人、イチャイチャするならお賽銭終わらせてからにしなよ」
キャリッシュの同級生1はキャリッシュとイルを見て笑みながらそう言った。
「イチャイチャなんてしてねぇだろが・・・」
酔ったキャリッシュはキャリッシュの同級生1を見てそう言った。
私はお賽銭を終えるとみんなから離れた場所で町を見始めた。
南煌炎では見れない景色・・・
キラキラと輝く木漏れ日、その下に広がる町、あの町で多くの者たちが何気ない生活を送ってるんだ。
「来てよかったでしょ?同窓会」
イルはキャリッシュの隣に座ってそう言った。
「あの状況じゃ断れねぇだろ。仕方なく行ったんだけだ」
酔ったキャリッシュは町を見て笑みながらそう言った。
「強がりさんめ~私に泣きついても良いんだぞ?」
イルがキャリッシュを見て笑みながらそう言うとキャリッシュがイルに静かに泣きついた。
「ほ、本当に泣きついて来るとはね~・・・」
イルは少し困ったように笑いながらそう言うとキャリッシュの頭を撫でた。
「来てよかった・・・」
キャリッシュは声を震わせながらそう言った。
「今は休んで、元気になったらまた前を向いて歩こうね」
イルはキャリッシュの頭を撫でながらそう言った。
END
最後まで読んでいただきありがとうございました
次回は華ノ話 第五話-黄金の夢見神-です
次回もよろしくお願いします




