二十章 親族
私たちを乗せた車両は調査隊の最後方を任せられた。
私は何とも思ってなかったが、剣士たちは何か思うところがあったらしい。
「今回はハズレですね。結構差別的で」
車長を務めるエミリーは前を見たままそう言った。
「差別なんて聞き捨てならねぇな!いつされたんだ?」
背もたれにもたれたキャリッシュはエミリーを見てそう言った。
「最後方に置かれる車両は重要じゃない奴らが乗っているって意味なんです。七陽の勇者を乗せた車両を最後方に置くなんて四方の関係を悪化させる問題行動ですよ」
「へぇ、そりゃ超ご褒美だな」
キャリッシュはエミリーを見て笑みながらそう言った。
「は?ご褒美?何言ってるんですか?」
エミリーはキャリッシュを見て困惑しながらそう言った。
「隊列記録の提出は義務だぜ?私たちが残した隊列の記録を中央剣士団に持ち込めばあの猫耳さんは解任される。七陽の勇者であり続けたいなら猫耳さんは私たちにゴマを擦るしかない。今回の調査隊の最優秀班は私たちで決まりだぜ」
ピースしたキャリッシュはエミリーを見て笑みながらそう言った。
「頭おかしいですね。普通はそんなこと思いついても言いませんよ」
エミリーは前を向いてそう言った。
「あいつらにケンカ売られても買うなよ?」
キャリッシュは前を向いて笑みながらそう言った。
「お前たちがミッケ母さんみたいになるのは嫌だからな」
キャリッシュはそう言うと笑った。
「総長、笑いにくいです・・・」
イザベルはキャリッシュを見てそう言った。
「そりゃそうだよな。悪かった」
キャリッシュは前を向いたままそう言った。
私たちを乗せた車両も地下道路を抜けて国外に出た。
神護国の外はなんとなく見えてたけど、一面本当に灰が混じった薄汚れた荒地だ。
「なぁ、あの猫耳さんって強いのか?」
キャリッシュはカードゲームをしながらそう言った。
「あのお方は七陽の勇者で最も強いと言われている落陽の勇者ですよ?」
カードを持った南方剣士団の新米剣士、ディビナ・メル・ベイツはキャリッシュを見てそう言った。
「最も強いか・・・」
キャリッシュはカードを見ながらそう言った。
「総長の親族でしょう?ご存知ないんですか?」
カードを持ったイザベルはキャリッシュを見てそう言った。
「ないよ。クンツァイト出身だから」
キャリッシュは最後の手札を投げるように置いた。
「あがり~」
キャリッシュはイサベルとディビナを見て笑みながらそう言った。
「・・・」
イザベルとディビナは気まずそうに顔を見合わせた。
「あの猫耳さんって私の親族なんだな。私の何に当たるんだ?」
「え、えぇ・・・えぇっと・・・叔母に当たるお方です・・・」
動揺するディビナはキャリッシュを見てそう言った。
「ね」
ディビナはイザベルを見て助けを求めるように言った。
「あ、あぁ・・・」
イザベルはディビナを見て動揺しながらそう言った。
「はい。ミッケ副総長の姉に当たる人なので、叔母であっています」
動揺するイザベルはキャリッシュを見て笑みながらそう言った。
「叔母か・・・まぁ、ピンとは来ねぇな」
キャリッシュはそう言って笑った。
次回
二十一章 初めての痕跡回収




