十七章 南方剣士団の総長に
神護国歴五十二年、四月十六日。
決選投票で三千二百票中二千八百票集めて私は金輪の勇者になった。
金輪の勇者になった私の初仕事は中央剣士団に行って梨々香陛下と話すことだった。
「就任おめでとうございます。これからの活躍に期待していますよ」
華千﨑 梨々香はキャリッシュを見て笑みながらそう言った。
「あ、ありがとうございます」
冷や汗をかいたキャリッシュは梨々香を見て笑みながらそう言った。
「早速ですが、キャリッシュ・カーリン。マリー・ヴィニ・ヘリズランドが起こした事件とミッケ・ローゼ・カーリンの今後について話しましょう」
梨々香はキャリッシュを見てそう言った。
「は、はい」
キャリッシュは梨々香を見て緊張しながらそう言った。
「ミッケ・ローゼ・カーリンの監督下で金輪の勇者候補を務めていたマリー・ヴィニ・ヘリズランドが贈呈品を損壊したという話は事実ですか?」
「はい・・・事実です」
「本件は司法・警察が定めた法律に抵触する犯罪行為です。刑罰が科せられることは避けられません」
「はい・・・」
「次に、ミッケ・ローゼ・カーリンについてです。こちらの監督責任問題も多くの者が問題視しています」
梨々香陛下はミッケ総長の今後について三つの可能性を提示してきた。
一、重要贈答品損壊罪幇助の適用
二、特別職務放棄罪の適用
三、監督不行による辞任、又は、降格
一つ目を選べばミッケ総長は終身刑、二つ目も事実上の終身刑・・・
ミッケ総長はあれでも私の親だ。このまま見捨てるっていうのは歯に物が挟まったみたいで心地が悪い。
私はミッケ総長を救うために三つ目を選ぶしかなかった。
梨々香陛下たちはミッケ総長の評価が回復し、再び総長として選ばれた時は認めると約束してくれた。
ミッケ総長に対するせめてもの恩情だったのだろう。
姉弟子だったマリーは国外追放の刑が科せられて高濃度の神気で満ちた死の大地へと追放された。
梨々香陛下たちとの話し合いを終えて南煌炎に戻った私は神護国南方剣士団の総長になった。
ミッケ総長を副総長にして参政意欲がない剣士で基礎を創り上げて戦闘に特化した陣営が完成した。
南煌炎の住民もある程度納得してくれたみたいで新体制に期待できると答える住民が六割を越えた。
次回
十八章 南方剣士団の黄金期へ




