十四章 金輪の勇者になるために
神護国歴五十二年、三月十六日。
金輪の勇者を決める投票会が始まった。
四十八名の金輪の勇者候補が金輪の勇者になるために支援者を集めて演説を行う。
でも、私は立候補する気なんてなかった。
何故なら、旭日の勇者候補として頑張ってみないかって世界教皇様とヒルデガルトさんから話が来たから。
私は東輝水に戻れるって思ってマジで嬉しかった。
私はウッキウキでお世話になった剣士たちに話して回った。
「エミリー」
キャリッシュはエミリーを見て嬉しそうに言った。
「キャリッシュさん、支援者集めなくて良いんですか?」
エミリーはキャリッシュを見てそう言った。
「あぁ、良いんだよ。私、東方剣士団に転属するんだ」
「て、転属!?こんな時期にどうして!?」
エミリーはキャリッシュを見て驚きながらそう言った。
「旭日の勇者候補としてヒルデガルトさんの弟子になるんだ」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!」
エミリーは頭を抱えながらそう言った。
私が東方剣士団に行くっていう話は一瞬で剣士たちに広まって一瞬で剣士たちが集まって来た。
「そりゃここはあまり居心地がいい場所じゃありませんけど・・・そんなきっぱりと転属してしまうんですか?」
南方剣士団の剣士1はキャリッシュを見て冷や汗をかきながらそう言った。
「あぁ」
キャリッシュは南方剣士団の剣士1を見て笑みながらそう言った。
「私、キャリッシュさんがいるから入ったのに・・・」
南方剣士団の新米剣士1はキャリッシュを見てそう言った。
「キャリッシュさんがいなくなったらまた評価が・・・」
南方剣士団の剣士2は南方剣士団の剣士3を見てそう言った。
「もう少し考えませんか?転属届けの期限はまだあるでしょう?」
冷や汗をかいたイザベルはキャリッシュを見てそう言った。
「ん~わかった」
キャリッシュは南方剣士団の剣士たちを見て笑みながらそう言った。
そうは言ったものの、私は転属する気しかなかった。
でも、少し考えると世話になった剣士たちの将来が不安になった。
ミッケ総長と姉弟子マリーの下でバカみたいに低い給料で働かされる未来しか想像できなかった。
そんな未来を想像するとペンが進まなかった。
「あぁー!!クソ!!」
キャリッシュは怒鳴りながらペンを置いた。
数日後、私は遅れて金輪の勇者に立候補した。
だが、その頃にはもう姉弟子マリーは各地の有名な企業を支援者として取り入れて多くの票を集めていた。
私が真っ先に声をかけたのは南方剣士団の剣士たちだった。
「私に力を貸してくれ!私は金輪の勇者になって梨々香陛下たちと一緒に魔女を倒したいんだ!」
キャリッシュは力強くそう言った。
「おぉー!!」
南方剣士団の剣士たちはキャリッシュを見て歓声を上げた。
私の支援者の中に企業や組織はいなかった。
一般剣士や退役した剣士がほとんどで残りも地元の小さな教会に所属する聖職者だった。
「キャリッシュ・ローゼ・カーリンは七陽の勇者が目指すべき場所を理解しています!!」
「キャリッシュ・ローゼ・カーリンは必ずや魔女が恐れる刃となります!!」
マイクを握ったキャリッシュの支援者たちは通り過ぎていく南煌炎の民を見てそう言った。
次回
十五章 大人になる時




