十三章 輝きの予兆
神護国歴五十一年、十一月十八日。
戻って早々私に泣きついてきたのはテーピングテープを教えてくれたエミリーだった。
「キャリッシュさん!!」
エミリーはキャリッシュに泣きついた。
「おい・・・!そんなに酷いのかよ・・・!」
キャリッシュは少し苦しそうに言った。
あの騒ぎでミッケ総長が監督責任を果たせてないのではないかという声が大きくなって南方剣士団の評価が低下。
評価の低下と同時に給料が下がったことで新米剣士たちが軒並み退職を選択。梨々香陛下作の木刀が古物商で取引されたと報道各社が騒いだことで古物商が軒並み倒産。
失業者が急激に増加したことで南煌炎の治安は日に日に悪化。
治安の悪化と共に大きな企業が南煌炎から撤退して失業者がさらに増加。
その後、各政局に支援要請を出さず自分たちだけで問題を解決しようとする南方剣士団の態度に不満が大爆発。
評価と給料が急落したことで他の剣士たちも退職を選択、人員不足に。
どうしても仕事が回らないから私が呼び戻されたって流れだ。
南方剣士団に戻った私はとりあえず剣士たちと飽きるほど話した。
将来やりたいこと、いつか食べてみたい物、行ってみたい場所、普段の趣味やなんかを話し合った。
このコミュニケーションを日課にし始めると剣士団の雰囲気も変わって一週間ちょっとで本音が言い合えるようになった。
仕事もやりやすくなって仕事の消化率も上がって新規事業者も生まれた。
一ヶ月後、みんなが仕事を死ぬほど頑張ってくれたおかげで失業者が減り始め、治安が少しずつ回復して評価の急落が止まった。
私は評価の急落を止めてくれた剣士たちを労うため居酒屋に行った。
「色々と相談に乗ってくれてありがとうございました」
店長はキャリッシュに頭を下げながらそう言った。
「当たり前のことをしたまでっすよ」
キャリッシュは店長を見て笑みながらそう言った。
「皆さんも本当にありがとうございました」
店長は南方剣士団の剣士たちに頭を下げながらそう言った。
「悪いのはこっちなんでね・・・頭を下げられると胸が苦しいですよ・・・」
イザベルは店長を見て苦笑いしながらそう言った。
「お待たせしました」
店員はドリンクと料理を机の上に置きながらそう言った。
「どうも」
キャリッシュは店員たちを見て笑みながらそう言った。
「じゃあ、これからも南煌炎のために頑張っていきましょう!!」
シャマスソーダが入ったグラスを持ったキャリッシュは南方剣士団の剣士たちを見て笑みながら大声でそう言った。
「乾杯!」
シャマスソーダが入ったグラスを持ったキャリッシュがそう言うと酒が入ったグラスを持った剣士たちが大声で復唱した。
次回
十四章 金輪の勇者になるために




