十二章 楽しい時間はいつも続かない
神護国歴五十一年、五月三十日。
報道であることないこと色々な情報が飛び交う中、私は北方剣士団に転属になった。
北方剣士団に着くと、総長であるアイリアさんが事情を聴いてくれた。
「どうしてケンカなんてしちゃったの?そんな風には見えないよ?」
アイリア・カルティナーレ・シュペーはキャリッシュを見てそう言った。
「世界教皇様から貰った木刀無くしちゃって・・・それを謝りに行こうとしたらマリーと言い合いになって殴り合いになった」
マグカップを持ったキャリッシュはアイリアを見てそう言った。
「謝りに行くっていうのからどうして言い合いになるのさ・・・」
アイリアは困惑しながらそう言った。
「世界教皇様に伝えたら大事になるとか曙陽の勇者様が責任を取らされるかもしれないとか、まぁ・・・色々言われてキレちまった」
「はぁ・・・」
アイリアはため息をついた。
「・・・まぁ、色々と聞けて良かった」
アイリアはキャリッシュを見て笑みながらそう言った。
「どんな狂暴な子が来るのかと思って冷や冷やしてたよ~」
アイリアは伸びをしながらそう言った。
「うちの剣士たちもビビり散らかしてたんだ。仲良く出来そうで良かった」
アイリアはキャリッシュを見て笑みながらそう言った。
北方剣士団で鍛錬を初めて数日が経った時、警察から事件の全貌が明かされた。
すると、民間の報道各社は七陽の勇者候補同士の傷害事件ではなく梨々香陛下作の木刀が南方剣士団内で消えたことを報道し始めた。
誰かが盗んでどこかに売却したのではないか、南煌炎に反抗勢力がいるのではないかと色々な報道が飛び交った。
そんな中、私は梨々香陛下と世界教皇様に呼ばれて北華御所に行った。
南煌炎の評判を下げる報道をやめさせるために会談が行われたんだ。
多くの記者が居る中、梨々香陛下は木刀を直接渡してくれた。
梨々香陛下の作戦は上手くいって記者たちは初めて公開が許された北華御所の内部と梨々香陛下と私の会談を連日報道し始めた。
私はこの時貰った白木の木刀を握ってアイリアさんの下で鍛錬を始めた。
北燦雪での生活は寒いこと以外嫌な事は一つもなかった。
月給三十一リズ、師匠に一杯稽古をつけてもらって剣士たちから仕事のやり方を一杯教えてもらってメチャクチャ楽しかった。
誕生日会ってやつもやってくれて毎日楽しかった。
まぁ、昔から楽しい時間は続かないもので、私は南方剣士団に呼び戻された。
南方剣士団の評価がガンガン下がり続けてて薄給になり、剣士が次々とやめていって仕事が回らないから呼び戻されたんだ。
次回
十三章 輝きの予兆




