第9話 やらかした?
投稿です。
マシンダガン・ユウバは優しく、震える手で白黒の未知の生物?の頭を撫でる。
「あ!?かーちゃん!」
その生き物は背伸びをし、その手に小さな耳と可愛い頭を擦りつける。
「まぁ雷帝は獣人族であろうと、予想はしていたが……まさかネコとは」
《研究所でも、おそらく獣人族であろうとは言っていたけど》
「どうする?ドラゴン属性プラスされたよ?」
(なんて生き物なんだよ?これ?初めて見たぞ)←小声
(どうしよう?検索しても該当なしだよぅ)←小声
((でも可愛い!))
その時、フワモコ生物はネコみたいに伸びをした。
「《!?》」
伸びと同時に背中の翼が、大きく広がる!
どう見ても、立派なドラゴンの翼である。
飛ぶのであろうか?
《か、解析!母乳の解析はどうだったのよ!自信満々でドラゴンの血から母乳作ったでしょう!》
「オールグリーン、問題はなし、だったのだけど……」
《問題あり!じゃん!どこでバグったのよ!》
「し、し、知らないわよ!」
バトルモード・ユウバは考え込んだが、数秒である。
このユウバはあまり振り返らない。
「ま、なっちまったんだ、これで行くしかあるまい!」
《ええっ!?》
考えたって、答えは出ない、ならば考えるだけ無駄だ。これからが大事だ、と考えるバトルモード・ユウバ。
一方ノーマルはそうではない。
反省して、改めて進まないと同じことの繰り返しではないか?と考えるのだ。
しかし、結局は四天王最弱の戦士。
なぜ最弱か?
ユウバは反省しようが、しまいが、同じ失敗を繰り返すのだ。
どんなに反省しても、気をつけても、同じ場所で必ずと言っていいほどコケる。
お約束のユウバ、四天王内ではそう呼ばれていた。
バトルセンスはおそらく四天王の中で一番であろう。しかし、肝心なところで失敗するのだ。
ベビィはネコのようにゴロゴロゴロと鳴き始める。
「《!》」
そっ、と抱きしめるユウバ。
おおきなヌイグルミである。
「私は大丈夫だよ、それどころかパワーアップしている!お前がやったのかい?」
《眼がルビーのように紅い、やはり王家の血を引いているのか?》
「うん、かーちゃんに影が見えたから、治そうと頑張ったんだ!」
《影?異世界移動によるステータス低下のことぉ?》
「ベビィ、ありがとう」
バトルモード・ユウバは、素直にお礼の言葉を口にした。
「お礼なんて……雷、当ててしまったし……しくしく……ごめんよう……」
進化、成長過程でユウバを巻き込んだことは、ベビィにとって相当なショックであった。
意識せずに周囲を傷つける、ベビィは自身の力を恐れた。
恐れながらも、じっ、とユウバの胸を見るベビィ。
「……おい、ぱいぱいはもう卒業だろう?」
《卒乳だっけぇ?》
「……えぇ?……だめぇ?……」
とんでもなく不満そうなモコモコ生物。
悲しそうでもある。
《これ以上ドラゴンの母乳、与えていいのかしら?》
「わからん!分からんけど、これで最後だぞ?いいか?」
《あ、あまいっよ!甘やかしたら駄目だよぅ!》
「ベビィ、牙があるけど、私のぱいぱい、傷つけるなよ?」
パシュ、と軽い音をたて、胸の装甲が開く。
「き、傷つけたりしないよう!ぱくっ!」
「ひゃっ!?」
速攻で、開いた装甲から現われた乳房に食い付くベビィ。
「ちゅっ、ちゅっ」
ベビィはタンクの中の食料を全て飲み干した。
「げふっ」
「おお、もうトントンしなくても自分でできるんだ」
「……」
「なんだ?どうした?」
「……味、薄い」
「ふふっ、それは味覚が変わったのだろう、大きくなったのさ」
なんとなく嬉しくなるユウバ。
その嬉しさは、どんどん快進撃し、とんでもない嬉しさに育った!
《もう、母親じゃん》
(……いや、それは……ベビィの……雷帝の本当のお母さんに悪い気がする……)
装甲が乳房を覆い、見えなくなった。
見えなくなった乳房に、なんとベビィはお礼を言い始めた。
「ぱいぱいありがとう、ぱいぱいいなかったら、俺死んでた」
《!?》
「……なぁそこは、パイパイではなく私だろ?」
「あ、そうだね!かーちゃん!ありがとう!」
《ねぇ、今までお付き合いしてきたヤツらも、これくらい素直だったらよかったのに……》
(それを言うな!今、思い出すな!)
《出来れば、メモリーから削除したいよねぇ……》
四天王クラスになると、ある程度の恋愛は認められていた。
感情制御を強くしすぎると、エラーが出るからだ。
その中でもユウバは不幸であった。
付き合う男性型マシンダガン、全てが浮気しているのだ。
(私、見る目がないのかなぁ……ひでぇヤツらばっかだったし!)
「ん?ベビィ?どうした?」
「オレ、かーちゃん以外のぱいぱい、吸ったりしなぞ!」
「《!!》」
《思考を読まれた!?》
(まぁ、測定不可能な程の魔力だ、自然と分かるのかもしれない)
「ほ、ホントだよぅ!吸ったりしないよう!」
絶対嘘だね!さらに大きくなったら、他の女の子のパイパイ吸いたくなるんだからっ!
と、いう思いをごっくん、とユウバは呑み込む。
二人の旅は、始まったばかりである。
あ、冒険か。
タイトル、赤い眼の少年冒険譚。
もちろん、このフワモコ生物の眼は、赤い色です。
今回はここまで。
いつも、ご愛読ありがとうございます。
次回投稿は遅れるかもしれません。




