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赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第二章 五月世界

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第9話 やらかした?     

投稿です。


 マシンダガン・ユウバは優しく、震える手で白黒の未知の生物?の頭を撫でる。


「あ!?かーちゃん!」


 その生き物は背伸びをし、その手に小さな耳と可愛い頭を擦りつける。


「まぁ雷帝は獣人族であろうと、予想はしていたが……まさかネコとは」


《研究所でも、おそらく獣人族であろうとは言っていたけど》


「どうする?ドラゴン属性プラスされたよ?」


(なんて生き物なんだよ?これ?初めて見たぞ)←小声


(どうしよう?検索しても該当なしだよぅ)←小声


((でも可愛い!))


 その時、フワモコ生物はネコみたいに伸びをした。


「《!?》」


 伸びと同時に背中の翼が、大きく広がる!

 どう見ても、立派なドラゴンの翼である。

 飛ぶのであろうか?


《か、解析!母乳の解析はどうだったのよ!自信満々でドラゴンの血から母乳作ったでしょう!》


「オールグリーン、問題はなし、だったのだけど……」


《問題あり!じゃん!どこでバグったのよ!》


「し、し、知らないわよ!」


 バトルモード・ユウバは考え込んだが、数秒である。

 このユウバはあまり振り返らない。


「ま、なっちまったんだ、これで行くしかあるまい!」


《ええっ!?》


 考えたって、答えは出ない、ならば考えるだけ無駄だ。これからが大事だ、と考えるバトルモード・ユウバ。

 一方ノーマルはそうではない。

 反省して、改めて進まないと同じことの繰り返しではないか?と考えるのだ。

 しかし、結局は四天王最弱の戦士。

 なぜ最弱か?


 ユウバは反省しようが、しまいが、同じ失敗を繰り返すのだ。

 どんなに反省しても、気をつけても、同じ場所で必ずと言っていいほどコケる。

 お約束のユウバ、四天王内ではそう呼ばれていた。


 バトルセンスはおそらく四天王の中で一番であろう。しかし、肝心なところで失敗するのだ。


 ベビィはネコのようにゴロゴロゴロと鳴き始める。


「《!》」


 そっ、と抱きしめるユウバ。

 おおきなヌイグルミである。


「私は大丈夫だよ、それどころかパワーアップしている!お前が()()()()()()()


《眼がルビーのように紅い、やはり王家の血を引いているのか?》


「うん、かーちゃんに影が見えたから、治そうと頑張ったんだ!」


《影?異世界移動によるステータス低下のことぉ?》


「ベビィ、ありがとう」


 バトルモード・ユウバは、素直にお礼の言葉を口にした。


「お礼なんて……雷、当ててしまったし……しくしく……ごめんよう……」


 進化、成長過程でユウバを巻き込んだことは、ベビィにとって相当なショックであった。

 意識せずに周囲を傷つける、ベビィは自身の力を恐れた。

 恐れながらも、じっ、とユウバの胸を見るベビィ。


「……おい、ぱいぱいはもう卒業だろう?」


《卒乳だっけぇ?》


「……えぇ?……だめぇ?……」


 とんでもなく不満そうなモコモコ生物。

 悲しそうでもある。


《これ以上ドラゴンの母乳、与えていいのかしら?》


「わからん!分からんけど、これで最後だぞ?いいか?」


《あ、あまいっよ!甘やかしたら駄目だよぅ!》


「ベビィ、牙があるけど、私のぱいぱい、傷つけるなよ?」


 パシュ、と軽い音をたて、胸の装甲が開く。


「き、傷つけたりしないよう!ぱくっ!」


「ひゃっ!?」


 速攻で、開いた装甲から現われた乳房に食い付くベビィ。


「ちゅっ、ちゅっ」


 ベビィはタンク(乳房)の中の食料(母乳)を全て飲み干した。


「げふっ」


「おお、もうトントンしなくても自分でできるんだ」


「……」


「なんだ?どうした?」


「……味、薄い」


「ふふっ、それは味覚が変わったのだろう、大きくなったのさ」


 なんとなく嬉しくなるユウバ。

 その嬉しさは、どんどん快進撃し、とんでもない嬉しさに育った!


《もう、母親じゃん》


(……いや、それは……ベビィの……雷帝の本当のお母さんに悪い気がする……)


 装甲が乳房を覆い、見えなくなった。

 見えなくなった乳房に、なんとベビィはお礼を言い始めた。


「ぱいぱいありがとう、ぱいぱいいなかったら、俺死んでた」


《!?》


「……なぁそこは、パイパイではなく私だろ?」


「あ、そうだね!かーちゃん!ありがとう!」


《ねぇ、今までお付き合いしてきたヤツらも、これくらい素直だったらよかったのに……》


(それを言うな!今、思い出すな!)


《出来れば、メモリーから削除したいよねぇ……》


 四天王クラスになると、ある程度の恋愛は認められていた。

 感情制御を強くしすぎると、エラーが出るからだ。


 その中でもユウバは不幸であった。

 付き合う男性型マシンダガン、全てが浮気しているのだ。


(私、見る目がないのかなぁ……ひでぇヤツらばっかだったし!)


「ん?ベビィ?どうした?」


「オレ、かーちゃん以外のぱいぱい、吸ったりしなぞ!」


「《!!》」


《思考を読まれた!?》


(まぁ、測定不可能な程の魔力だ、自然と分かるのかもしれない)


「ほ、ホントだよぅ!吸ったりしないよう!」


 絶対嘘だね!さらに大きくなったら、他の女の子のパイパイ吸いたくなるんだからっ!


 と、いう思いをごっくん、とユウバは呑み込む。

 二人の旅は、始まったばかりである。


 あ、冒険か。

 タイトル、赤い眼の少年冒険譚。

 もちろん、このフワモコ生物の眼は、赤い色です。


 今回はここまで。

いつも、ご愛読ありがとうございます。

次回投稿は遅れるかもしれません。

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