第40話 聖女無残
こんばんは。
投稿です。
「い、一の君……このことは初耳です!」
呆然とするエリ・ナリ隊長。
私が知って、いいことか?なという支配!これが権力者の考え!?
いや、知ったとしてもどうしようもないが。
この方は、何と言う情報を私に流すのだ!迷惑なだけだ!
帝国の民は、それでいいのか!?疑問にすら思わない!?
「まぁこのことは一部の者しか知らん」
「そ、そのようなことを、私如きに知らせていいのですか!?」
「さぁ?」
(ゴンザ、このじいちゃん、おもしれーな)
(しかし、パーフェクトではありませんな)
「さぁ、とは?帝国の民は、それでいいのですか!?」
「良いと思うか?みろ!この勇者の苦悩を!」
一部半透明の窓?から中の様子が微かに見える。
……目が合った。
エリ・ナリ隊長は思う。
これでは勇者とは言えないのでは?
魔王は討伐したが、それも本人の意思か?
エリ・ナリの内に、疑問が次々と湧き上がる。
分かっているのは、目の前の勇者が死を求めているということだけだ。
「ワシは以前、帝国に招待されたことがある、まだ、廃棄物漁りをしていたころじゃ」
「招待!?危険では!」
エリ・ナリ隊長とお喋りしながら、一の君は医療ポッドを操作し始めた。
「国境側の出城じゃ。その時ワシは身分を隠し、ジャンク屋として各国の産業廃棄物を調査しておった。どうじゃ?勇者よ、少しは楽になったか?」
狭苦しいポッドに押し込められた、勇者が答える。
「楽?楽しみ?気持ちが晴れたことなど、今までないよ」
(……だってさ。どう思う?ゴンザ?)
(呪符の力は抑えられたようですが、一時的でしょうな)
「ジャンク屋?」
「ワシはこの通り図体がでかい、力持ちだし国境付近で有名になった。そこでレッド・ブーツ帝国の者がワシを間者にしようと出城に招き入れたのじゃ」
「……お金ですか?それとも?」
「待っていたのは金と食い物、珍しい酒、そしてスケスケのマント一枚の先々代聖女さまじゃった」
「!?……ハニトラ!?」
今までのことを高速で考えるエリ・ナリ。
おそらく聖女は罠だ。いや絶対罠だ!
それも聖女さまの意思に関係なく!
(ん?)
(どうされましたか?若?)
(雨か?)
(晴天ですぞ?)
白黒ネコが見上げると、唇を噛みしめたエリ・ナリが泣いていた。
頬を伝い、その顎の先端からポツリ、とまた一滴涙が落ちてくる。
「ナァーン」
(ど、どうしたのだ!?)
小刻みに震え、腕に自然と力が入る!
「ナァーン」
白黒ネコの目がまんまるになる。
「……女は……モノではありませぬ……」
「異様な出城だった、魔窟じゃな……そこで聖女がどのような扱いを受けていたか、想像も出来ん……いや、考えたくない……」
「……」
静かに一の君を睨むエリ・ナリ隊長。
「そう睨むな、不敬であるぞ」
「!」
「ワシはその日のうちに出城を落とした」
「!」
「雷神王に拳を教えたはワシぞ、出城の一つ、軽いモノよ。しかし聖女さまは帝国の者達に連れ去られ、それっきりだ」
「なぜその話しを?」
「その日から、帝国に疑問を持ち始めた。帝国の戦士は勇敢で政策は大胆、失敗を恐れず国民一丸となっている……ナゼだ?それに聖女さまの行動、ジャンク屋のワシに聖女をあてがうか?ワシの正体がバレていたか?調べ続け今に至る、辿り着いた結果は呪符だ」
白黒ネコはそっと腕を伸ばし、顎の先端の涙を突く。
ちょいちょい。
「えっ!?」
驚くエリ・ナリ隊長。
(お前の涙、キラキラして綺麗だな。だが、悲しい涙は見たくない)
今回はここまでです。
では明日の朝まで少々お待ちを。
次回投稿は明日の朝を予定しております。
VIKASHさま、高評価、感想、ブックマーク、ありがとうございます。
大変励みになります。
これからも、ほどほどに頑張ります!
いやぁ、さすがにバイトしながら全力は無理がありまして……。
ん?ここは全力で頑張ります!だったかしら?
あ、でも手抜きはしませんよ!物語を作っているときは時間が経つのも忘れるくらいです!
読者諸氏、今後ともよろしくお願い致します!




