第136話 狼の家族
おはようございます。
投稿です。
ゆっくりと大きな兜を降ろすコジリン。
細い腕だが、そこはドワーフ、とんでもない力持ちなのだ。
「遊び疲れて眠ったみたい」
兜の中で、すぴすぴ眠っている小さな狼達。
コジリンはこの小さな狼達が、可愛くて可愛くてしょうがないようである!
「あれ?コジねぇ?チビちゃん狼、増えてる!?全部で八匹!?」
その問に答えたのはカラビン村長だ。
「ああ、雷蛇さま、増えたのは隣に住んでいた子供達ですよ」
「住んでいた?」
「なんでも、親は狩りで命を落としたとか」
「え?」
「はい、それで私達が引き取りました……そのままにはできませんので」
お茶を飲みながら、ジョアンが答える。
その答えに反応し、マシンダガン・ユウバが遠方を見る。
そこには朽ち果てた家が見えた。
《あそこの家の子ぉ?》
よく見ると、何件も朽ち果てた家があった。
「残っている家族はお前達だけか?」
「……はい」
「ここには全部で何人いる?」
「13名です」
「皆、街を出てきた者達か?」
《出てきた?追い出されたじゃないのぉ?》
「……はい」
「あのう……ご主人さま……」
「ん?どうした?コジリン?」
「出発はいつでしょうか?」
「なんだ?どうした?」
「それが、子供達に一緒に星を見ようと誘われまして……」
「ほう……それだけか?」
「その、ご飯も食べていきなよとか、狩りも教えてあげるとか」
どうやらコジリン、子供達に気に入られたようである。
無心で遊んでくれるお姉さん。
子供達にとっては、夢のような時間だったのだろう。
「従者コジリン、他にも色々と言われたのではないか?」
ジロリ、とコジリンを見るユウバ。
どうやら聞こえていたようである。
「……はい、私をお嫁さんにしてくれるそうです」
再びお茶を吹き出す雷蛇。
苦笑するユウバ。
「それは大変な気に入られようだな?なんと答えた?」
「まだ、結魂は考えていない、と言いました」
正直に答えるのがコジリンだ。
そう言って、雷蛇をチラ見するコジリン。
「……なに?コジねぇ?」
「それで、雷くんと勝負がしたいと」
「はい?……なんで?」
「私の、電くんを見る目が……気に入らないとか……」
「なんだそりゃ?」
「電くんに勝って、強さをアピールしたいそうです」
ユウバは身を乗り出し、コジリンに問う。
「ベビィに勝負?勇敢なヤツだな?それとも無謀か?いや、真剣であろう。どうする?ベビィ?」
「もちろん、受けるよ、たとえ子供でも真剣なら応える」
じっと会話を聞いている魔女回路。
〔面白し、この家族と一緒に旅がしたくなった。生体ロックも解析したいしグミの獣人周期も記録したい。獣人族の成長の記録など今後に役立つのだが……さて、どうしたものか〕
そこにタジィが焼いた肉を運んで来た。
「お口にあいますか……」
次々に眼を覚ます小さな狼達。
肉の匂いで目が覚めたのだ!
「これ、お客様の肉だぞ!」
子供達が肉に群がる!
「ふふっ、丁度よい、ジョアン、タジィ、グミ、話がある!」
「お話しですか?ユウバさま?」
ジョアンが警戒する。周囲から踏みつけられ、街を出された一族。
これまでいい話など、聞いたことがないのだろう。
その目は怯えさえ垣間見えた。
「ベビィ、コジリン、カラビン村長もいいか?」
「なんだい?かあちゃん?」
「ジョアン、私達と北を目指さないか?」
「え!?」
「ベビィ、従者コジリン、この子供達とタジィの家族と一緒に旅をしないか?」
「!?」
「ご、ご主人さま!?突然何を!?」
「我々は北を目指している、目的地は女神グネの地だ。ここを離れて、一緒に行かないか?」
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第137話 旅立ち の予定です。
投稿は、まだ文章が出来ていませんから未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




