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赤い目の少年冒険譚  作者: MAYAKO
第一章 四月世界
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第21話 壊滅     

おはようございます。

投稿です。


 軽快にネコ専用のドアを開ける若。


「ナアアアアアゴッ!」


(帰ったぜ!ゴンザァ!メシイイイイッ!腹減ったよぅ!)


「お帰りなさいませ、若。昨夜は、頑張られましたなぁ」


(意識を向けただけだ、ニャオ先生、グッスリ眠ったみたいだし!)


「それどころか、街中快眠ですぞ!」


(それよりメシだめしっ!)


「朝ご飯です、テーブルへどうぞ」


(おう!熱いのはダメだぜ?でも暖かいヤツがいいっ!)


「はい、心得ておりますとも」


 ドーンと出てくる肉の塊。

 白黒ネコと同じくらいの大きさである。

 それを難なくガツガツを食べていく白黒ネコ。

 巨大な肉の塊、一体どこへ?


(演習と警備だってな?もぐもぐ)


「……はい」


(仕掛けてくるか?ごっくん!)


「おそらく、若、もう少し咬んで食べないと力が出ませんぞ、パーフェクトではありませんな」


(美味しいんだよ!いっぱい食べたいんだよ!で、どっちが出る?)


「副長の班には私が、若はこの街と隊長の班を、どうでしょうか?」


(もぐもぐ、いいぜ)


「その前に、闘気具の纏い方を練習しないといけませんな」


(あれ、面倒い、ごっくん!お茶!)


「はい、はい、面倒くはありませんぞ?いざ、というとき役に立ちますぞ」


 ゴンザは、魔力を開放し、右腕に闘気を纏わせる。

 闘気を吸収した魔力は凝り固まり、炎の籠手となる。


「どうです?これで全身を覆えば、鎧はいりませんぞ」


「ナーゴ」


「……ネコの声で誤魔化すとは、パーフェクトではありませんな!若、返事は?」


(だから、めんどい。それを無意識に作り出すんだろ?コツが掴めん!)


「日々、鍛錬ですぞ!」


(実戦が鍛錬の場だからなぁ……ん?鎧の音か?)


「表からですな」


 表は一角パンサーに騎乗した第六国境警備隊。


(パレード?)


「デモンストレーションでしょう、この街を守る、とか?」


(……誰からだよ?主語がねーぞ)


「そこがミソですぞ、誰か、からは言わない。勝手に思い込ませるのです。ですが、今回の場合はブリザード・ワームなど脅威がありますからな、まぁ有効でしょう」


 先頭は隊長である。


(おい、副長、これでは見世物ではないか!)


(見世物ですよ、武威を見せる、重要なことです)


(それより副長、2班はもう出発しているが、ここにいていいのか?)


(隊長の演説見終わったら、後を追いますよ。私の一角は足が速いので、すぐですよ)


(首都ホワイトパレスから、ブリザード・ワームや侵入者に警戒するよう命令が来ている、気を引き締めよ)


(はっ!)


 若はゴンザの焼いた特製の肉をたらふく食べ、ゴンザを見送る。


「ふむ、副長不在時と。襲撃されるとあの者達、耐えられないでしょうな。急ぎ向います、若、呉々もパーフェクトを目指して下さい、では」


 ふっ、と消えるゴンザ。

 ゴンザと若が修得した移動法である。

 内なる精霊を解放しての移動、魔法の上級クラスでも修得が難しい技である。


「……副長、今精霊が動かなかったか?」


 隊長はゴンザの動きを感じ取る。


「……いえ、何も感じませんでしたが?」


「嫌な予感がする、演説は中止だ!2班と合流する!」


「隊長、カンだけで動いては駄目です、根拠を示さないと」


「根拠?戦場ではカンが頼りだぞ、一々根拠を求めるな!1班!これから急ぎ2班と合流する!我につづけ!」


 ゴンザと若は確信していた。必ず襲撃がある、と。

 北の大国、スノーホワイト国。

 その北側は、幻と言われる獣人国と繋がっており、東、南、西はそれぞれ5つの国と接している。

 その内の3国が密かに同盟を結び、スノーホワイト国への侵攻計画を進めていた。

 

 目的は環境魔法の奪取、及び地下資源だ。


 先行していた第2班は壊滅状態であった。


 術者が結界で魔力を遮断し、外界との繋がりを断ち切る。

 そして殲滅攻撃を開始する。

 巨大なブリザード・ワームの成虫とその幼虫。

 無数の幼虫が第2班を襲撃し、食べ尽くそうとしていた。


「……不覚、この結界、かなりの術者!」


 ゴンザが到着していた時には、もう10名も生き残っていなかった。

 そこに一人の虫使いが姿を見せる。


 ボロボロの布を身に纏い、2m程の身長。


 布に覆われその顔は見えないが、時折見えるその目は異様にギラギラと輝いていた。


「炎帝どのか?早速だが、お命、頂戴する!」


「罠か……」


「国境警備隊を殲滅し、助けに来るであろう雷帝と炎帝を始末する、罠?作戦と言ってもらおうか」

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