第133話 ちびっ子
おはようございます。
投稿です。
……だれ?……
……ドワーフさん……
……うわぁキラキラのゴーレムさん……
……?……
……不思議な匂いの獣人さん……
……違うよ、人族だよ……
……竜の匂いもしないか?……
……しないよぉ、お前、鼻、詰まってるだろ……
どう見ても成獣には満たない幼獣である。
全部で5匹?
見た目は子犬だが、よく見るとその前足は太く、眼や鼻の位置に特長があった。
一目でコジリンの眼がハートになる!
「小さな狼さん!?」
コジリンが動くと、さっ、と飛び退き、草むらに身を隠す。
そして尻尾だけをだして、フリフリと誘う。
それに飛びつくコジリン。
……ふふっ……
……こっち、こっち!……
小さな狼とコジリンの鬼ごっこが始まる。
その様子を見ながら雷蛇はタジィに話し掛ける。
「元気いいな」
「……はい」
なぜ街に住まない?
住めないのか?
獣人として能力が低い?
(アンちゃん、知っているよな?)
(ああ、だが答えはミケが出せ、お前達が見つけなければいけない答えだ)
「こちらの方達は?」
「俺はマシンダガン・ユウバの子、雷蛇。カラビン村長はご存じか、コジねぇも?」
「……あの方がコジリンさんですか、名前だけは」
(こじねぇ有名だな、どんな名前で広がっているんだ!?)
「私はマシンダガン・ユウバ、四月世界のゴーレムだ」
「四月世界?ご冗談を」
「ふふっ、好きに受け取れ」
そこに現われる大きな狼。
「これ、タジィ、お客なら広場に通せ」
「……でも」
見上げるような巨大な狼。
いや、最早何か別の生き物のようだ。
それは狼と言うより、獅子、ライオンのようで、獰猛さを全身に漲らせていた。
「私はこのタジィの母、グミ・アイアン、どうぞお茶を用意いたしましょう」
「背の君、寄られますか?」
あまり寄ってほしくなさそうなタジィ。
「かあちゃん、どうする?」
「寄らせてもらおう、従者コジリンも夢中のようだしな」
……ち、ちょっと!待ちなさいっ!……
……ふふっ、ドワーフさん!こっちだよっ!……
……きゃっ!?今お尻触ったでしょう!?……
……ふふっ、尻尾で撫でただけだよ!……
……ま、待ちなさいっ!……
「では、先に戻りお茶の用意を」
足早にグミと家へ向うタジィ。
「では、雷蛇さま、私が家までご案内します」
そう言って雷蛇の前を歩くジョアンとシュウジ。
ジョアンにユウバが話し掛ける。
「獣人の能力に満たない者は、街に住めないのか?」
「か、かあちゃん!?」
あまりのストレートな物言いに戸惑う雷蛇。
「はい、私は見ての通り、再生回復が極端に遅いのです、いや、もうこのままかも知れません」
「奥方は健康そうだが?」
まぁ確かに、大きなお母さんだよなぁ、とグミを遠目に見る雷蛇。
「妻のグミは、満月の三日間だけしか人の姿になれませんし、子供達も同様です。シュウジは病気で視力を失いました、獣人を名乗るにはあまりにも未熟というか、無様です」
「え?おかしいだろ?獣人は獣人だろ?」
「強い健全な肉体には強い健全な精神が宿る、と獣人族は教えています、我らは肉体が弱いのです、獣人を名乗っては街の者達が迷惑するのです」
「どんな迷惑なのだ?私には分からぬ、お前達が、そこにいるだけで迷惑なのか?」
「はい、目障りとのこと、完璧な獣人族にあるまじき一族、それが我らアイアン家の者達です」
《それで街に入れてあげないとぉ?何それ?陰湿な、いじめじゃん!》
「……」
「どうした?雷蛇?」
「女神の祠はどこだ?女神ユンの祠は!」
「やめておけ、この者達がどんな仕打ちを受けるか分からんぞ」
「完璧な獣人族だと?強い肉体には強い精神が宿るだと!?ドワーフの村に間者を送り込み技術や信頼を潰す、どこが完璧なのだ?何が強い健全な精神だ!やってることは病んでいるではないか!見ろ!あのちびっ子を!コジねぇと無心で遊ぶ子供達を!でてこいっ!女神ユン!お前は子供の笑顔を奪う女神なのか!」
今回はここまでです。
次回投稿は未定です。
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