第128話 伝授
今晩は。
今回はこの時間になりました。
あと、サブタイトル変わりました。
「タジィさん、ごめんなさい」
深々と頭を下げる雷蛇。
「ううっ……怖かった……」
「だよね」
「あ、謝るんだったら最初からするなよっ!……しくしく……」
辛うじて身を起こしているタジィ。
「だよね」
どうしたら許してくれるだろうか?
いや、許してくれるのだろうか?
雷蛇は考えた。そして正解らしき答えを一つ見つけた。
「技」
「……?」
「タジィさんに技を一つ教える」
「!」
「この世界にはまだない技だと思う、それを一つ教える」
キラキラと輝き出すタジィの眼!
「どう?」
「どんな技だ!?」
(あ、食い付いた)
「今から、ガ・ロウを転がす技」
「!」
「お、お前が言っていた独歩一進とかいう技か!?」
「使いこなせば、独歩一進に繋がる技」
「……」
「どうした?イヤか?」
「……わ、技を教えるとか言って、へ、変なことしないよな?」
「え゛?」
もはや信頼はゼロである。
タジィからすれば、当然である。
コジリンはガ・ロウを殴り飛ばしたが、タジィは恐怖と技の影響で動けなかった。
そして思う。
多分、こいつを殴ろうとしても、当たらないだろうな、と。
小さな子供だと思っていたが、凄いヤツだ、しかし!
「教えるとか言って、触ったり、揉んだりしないよな?」
「し、しないよっ!ンなことすりゃ、コジねぇに嫌われるじゃねーかっ!」
「ねぇちゃん、ええ乳してんなぁ、とかしないよな?」
「どこの話しだよっ!」
その様子を見てノーマルモード・ユウバは吹き出しそうになる。
《タジィって、草原の矢のコジリン?》
(方向は違うが、色々と拗らせそうだな)
バトルモード・ユウバはベビィの行動が心配でならない!
スタスタと歩き、コジリンの元に戻る雷蛇。
「コジねぇ、謝ってきた」
「オッパイ揉むの?」
「揉まないよっ!コジねぇまで、なんてこと言うんだよっ!俺泣くぞ!」
「茶番は終ったか?」
「ああ、終ったよ、ガ・ロウ、待たせたな」
「オレ様を転がすと?」
「ああ、こんな風にね」
ばっ、と両手を上げ構える雷蛇。
ガ・ロウは反射的に間合いを取り、バックステップ決める。
決めるはずであった。
ドシン。
あっさりとコケるガ・ロウ。
「ぐっ!?」
「タジィ、見たか?」
獣人特有の回復力で復活し、コジリンの横に立つタジィ。
「え?ただビビらせて、転がしただけだろ?」
平然と会話しながら、コジリンを保護対象にしているようである。
タジィは回復の遅いコジリンとガ・ロウの間に立つ。
「そう、だけど意識的に転がしたぞ」
「フェイントか」
「タイミングだ、もう一回見せる」
「なめるなっ!そう何度も引っかかるかよっ!」
立ち上がるガ・ロウに右のローキックが入ろうとする。
凄まじスピードである!
「チッ」
回避しようとすると、雷蛇は足を変える。
「!?」
軸足を瞬時に変え、キックは左のハイキックになる!
また回避行動を取り、見事に転げるガ・ロウ。
雷蛇のハイキックは、打たれることなく途中で止まっている。
器用に片足で立ち、タジィの方を見る雷蛇。
「どう?」
「……相手の動きに合せている」
「そうだ」
「そして、こちらの動きで相手をコントロールしている?」
「相手が技に執着すればするほど、この技は効果がある。まぁ使うタイミングにもよるけど。この技の先に独歩一進がある」
「……この技、極めれば……危険では?」
「ああ、相手の転がし方を強めれば落命する、修得後は心して使え」
グルルルルルッ!
狼に変わり始めるガ・ロウ。
その目は怒りに満ち、憎悪すら漂い始めた。
今回はここまでです。
次回サブタイトル 第129話 ワルキューレ の予定です。
投稿は不規則ですが、明日中には、と思っています。
毎回ご愛読ありがとうございます。




