第127話 恐怖の仮面
今晩は。
今回は夜の投稿です。
大幅に遅れてすみません。。
倒された者達は、その仮面に恐怖を感じ始めた。
赤い眼、鬼のような仮面、そして漂う異様な雰囲気。
獣人族は基本傲慢である。
回復力が以上に速く、骨折したこの女性獣人族はもう治癒している。
力も強く、疲れを知らない。
反応速度も速く、嗅覚、聴覚も優れている。
彼らは雷蛇を見て思った。
中途半端な獣人族だなぁ。
いや人族だ。ヤツは限りなく人族に近い、獣人を名乗るには血が薄すぎるのではないか?
そう、匂いが人なのだ。
そんなヤツが獣人を名乗るか?
不遜な!
カードバトルでは引き分けた。
それで稽古だと?我らに向って稽古?人族が?
相手になるわけが、なかろう!
だが結果は違った。
まるで次元が違う!しかしその傲慢さゆえに、倒れていく仲間を見て、なんと情けない奴等だ!これが同族か!?とも思った。
相手は歩いているだけだぞ!?
どのようなトリックだ?
俺ならば!私ならば!
そう思い、闘志むき出しで雷蛇に向うが結果、全て倒される。
そして起き上がれない。回復が遅いのだ!
有り得ない攻撃、どのような手段!?初見とは言え、次も同じ結果では?
段々と目の前のガキが異形の怪物に見えてくる。
異界からの訪問者?
見知らぬ技、術か?
皆、大地に張り付いたように身体が動かない!
魔力による攻撃か?
考えても、もう遅い。
「力量を見誤ったね」
ぼそりと呟く雷蛇。
「……お前如きに……」
雷蛇は倒れて動かない巨軀の女性獣人に、更に近づく。
そして人差し指で、唇を撫でる。
「!」
「噛み千切るかい?」
「……や、やめろ……なにを……する気だ……」
指先は顎の先端に移り、喉を滑る。
「ひっ!?」
眼は見開かれ、一瞬で青ざめる巨軀の獣人族。
指は鎖骨を滑り、大きく胸元を見せた革鎧の谷間を過ぎる。
その赤い眼は無表情で氷のよう。
お腹を滑り、むき出しのお臍でピタリ、と止まる。
「……や、やめろ……やめて……」
「……三月世界や四月世界で、酷い目に遭って死んでいった人達を沢山見てきた……お姉さん、コジねぇを笑っただろ?コジねぇの気持ち、少しは分かった?」
「……あ、あやまる……謝るから……」
雷蛇の眼は怒りに満ちていた。
世界が違えば、コジねぇは……。
「電くんっ!やめてっ!やめてあげて!酷いことしないで!」
叫んだのはコジリン。
コジリンを見つめる雷蛇。
「お姉さん、コジねぇに感謝するんだな。深呼吸すれば動けるようになるよ、回りは薬草だらけだから」
ガ・ロウは、その様子を忌々しく見ながら、コジリンに尋ねる。
「おい、コジリン、なぜタジィを助けた?」
「……」
「タジィはあいつの名前だ」
「……私には雷くんがいる、助けに来てくれる人がいるの、でも……」
「あいつにはいないと?」
「……誰も動いていない、薄情だと思う」
「ははっ、我ら獣人族が薄情と言うか?」
「ええ」
「コジリン、俺の女にならないか?」
「イヤよ、お断り」
「イヤだってさ」
いつの間にか、目の前に現われている雷蛇。
一番驚いたのはガ・ロウだ。
「き、きさま!?」
「あのお姉さん、コジねぇ意外誰も助けなかったね、見殺しか?それともこの五月世界、女神の助けがあるから安心しているのかな?」
「……電くん」
いつになく真剣な声である。
「……な、なんだよコジねぇ」
「二度と、二度と女の子にあんなことしないで!酷いことしないで!」
コジリンは、涙を流して訴えた。
「分かった、しないよ」
無言でタジィを指さすコジリン。
「……はい、謝ってくる」
雷蛇はタジィの元へ戻っていく。
今回はここまでです。
次回投稿は未定ですが、サブタイトルは 第128話 ワルキューレ の予定です。
ちょっと時間が掛かるかも知れません。




