第126話 稽古
おはようございます。
投稿です。
……理屈で十分……
……視力に頼らず、倒す……
……そう、これは稽古だ……
……お前が言った掛り稽古だ……
雷蛇の前に立ち塞がる獣人3名。
いずれも女性だ。
「女の人だからって、手加減はしないよ」
……我らも子供だからといって、手加減はしない……
「俺の前に立つとは見事、だがその拳、届くかな?」
近づいた3名の戦士は息を呑んだ。
「え?」
「距離感が!?」
雷蛇が大きく見えるのだ。
そして一斉に襲いかかる周囲の狼達!
……女に見とれたか?……
……動きが止まったぞ……
……あいつらは胸が張っているし、尻もでかい……
……お前のような色ガキは、すぐに引っかかる……
「違う、女性を囮に使うとは、感心しないなぁとか思っていたんだ」
……負け惜しみだ!……
……我々が稽古をつけてやろう!……
「囮に失敗して、女の人が酷い目に遭ったらどうする?取り返しがつかないぞ」
矢のように走り、雷蛇を囲み襲ってくる狼達!
「独歩一進を克服したのは凄いけど、これはどうかな?」
突然、雷蛇が発光した。
それも、もの凄い光である。
……なっ!?……
……ぐわっ!?……
一瞬で網膜を焼き尽くすような光!
襲いかかった狼達は、一瞬で視力を奪われる!
そして全身に衝撃を受け全て吹飛ぶ!
囮の3名の戦士もその光と衝撃で、大地に倒れ動かなくなる。
「相手は魔法戦士だ、今のが氷の矢とか炎の攻撃だったらアウトだ、死んでいるよ」
……くっ眼が……目が見えん……
……なんだこの衝撃は!?……
……身体が動かない……
「この攻撃は初歩だ、想定外だったかい?」
……くっ……
「想定外なんてタダの怠け者のいいわけだぞ!」
倒れて動けない女性獣人族。
そこに雷蛇が近づいていく。
……く、来るなっ!……
……来ないで!……
明らかに雷蛇を恐れていた。
一瞬で数十人の戦士が無力化されたのだ!
「……薬草の匂い、分かるか?」
「……?」
「あの珍しい薬草達の匂いだ、あの匂いは、匂いだけで麻痺を解いてくれる、あの匂いに集中しろ」
「!」
そう言ってスタスタと進む雷蛇。
次は一人の女戦士が前を塞いだ。
「どきなよ、お姉さん、あなたも囮かい?」
「……あたいにも稽古を付けてくれよ」
見上げるような女性獣人族。
2mはあろうか?
雷蛇にしてみれば巨人である。
見下ろした眼は、侮蔑を含み、口角をあげ、嘲笑っていた。
「稽古?高くつくよ?お姉さん」
「お前がか?チビ!」
フッ、と女性獣人族の右腕が消える!
予備動作なし、ノーモーションの正拳突きである!
が、ここで予期せぬことが起きた。
ドオオオオオオンッ!
雷である!
「ひっ!?」
青天の霹靂に一瞬動きが止まる巨人戦士。
「魔法使いは音も使うんだ、勉強になった?カードバトルでは有効じゃないけど、リアルでは結構使える技だ」
すぐに体勢を立直し、前蹴りを繰り出す巨人戦士!
その素早い蹴りを雷蛇は軽く払う。
「あ!?」
それだけで大きくバランスを崩し、あっさりと倒れる巨人戦士!
軽く倒れたが、その身体の大きさが裏目に出た。
自重で怪我をしたのだ。
ベキッ、と大地に着いた手首から骨折音が響いた。
「ぐっ……」
近づく雷蛇に反撃しようとするが、身体が動かない!
「俺の足払いは、ちょっと違う、倒れたら簡単には動けないよ」
「ち、近づくな!」
巨人戦士は雷蛇に恐怖を感じ始めた。
舞いを舞うようにゆらゆらと動き、それだけでもう半数以上の獣人族を倒している。
今の足払いもフワリとして、払われた感じは一切しなかった。
なぜ自分が倒れたのか、分からなかったくらいだ。
それ程雷蛇の技は自然体で、凄まじかった。
今回はここまでです。
次回投稿は未定です。
諸事情により、かなり遅れるかも知れません。




