第125話 雷帝と雷蛇と
おはようございます。
投稿です。
情けなさ。
腹立たしい。
自身に対する怒り。
パワーに過信して無残に負けた。
カードバトルだが、コジリンはまだ起き上がれない。
パワーがあればあるほど、精神的ダメージがあるようなのだ。
全員倒された。
これが四月世界や三月世界だったら……。
(僕だけでは勝てない)
カードバトルは経験も必要だ。
(俺だけでも勝てないぜ)
(いや、雷帝だったら勝てるでしょう?)
(そうとも限らん、まぁ実戦ではいいところまで行くと思うが)
雷蛇は目の前の獣人達を見る。
(それなら僕、コジねぇの所まで行けないよ)
(そうか?俺は手加減ができない、怒りが上回れば簡単に相手を殺してしまう、そうしなければこちらが殺される。そんな世界に住んでいたからなぁ)
(雷帝、君がメインだ、僕は君の中に消えるとしよう)
(そうはならない、新しく生れたのはお前だ雷蛇、俺がお前の仲に溶け込むとしよう。それが一番いい選択だ)
歩き出す雷蛇。
魔力が漏れ初め、一瞬で体型が変わる!その姿は雷帝である!
「!」
《!》
〔!〕
静かに固まるマシンダガン・ユウバ。
《消えたの……ベビィ……雷蛇ぁ……》
その声が聞こえたのか一瞬、振り向き眼を合わす雷蛇。
軽く手を上げ、また進み出す。
「……希有だったか?俺は雷帝であり雷蛇ではないか……かあちゃん、ゴンザ、心配ないぜ、俺は俺だ……さてコジねぇ今行く」
ユラリ、ユラリ、と歩き出す雷蛇。
すると、不思議な現象が起きた。
パタリ、パタリ、と獣人族の戦士が一人、また一人倒れていくのだ!
「き、きさま!何をしている!?この世界はバトル禁止だぞ!」
「知っているよ、俺は歩いているだけさ、手は一つも上げていない、見て分かるだろ?稽古、練習試合、訓練、そうだな、掛り稽古ってところかな?胸を借りるぜ、五月世界の先輩獣人さん達!」
右にユラリ、左にユラリとまた歩き出す雷蛇。
「ほら、よく見なよ、見れば分かるだろ?」
凄みのある笑顔で雷蛇が語る。
「見て分かる?」
雷蛇を見た者は次々に倒れ始めた!
……何が起きているのだ……
……おい、どうした!?……
……ガ・ロウ!こいつら起き上がれないぞ!凄いダメージだ!……
雷蛇が右に動くと、獣人族が右に傾く。
左に動くと、同じように左に傾いた。
そしてまた右に動くと、雷蛇を見ていた獣人族はバランスを崩し、大地に倒れる!
「こ、こいつ、自分の動きに同調させ、相手を崩している!」
「お?正解!分かった?これ『独歩一進』という技なんだ」
……どこの技だ!?……
……聞いたことも、見たこともない技だ……
……だが、技の理屈が分かれば、恐るるに足らず!……
……視覚に頼ると術にハマるぞ!……
……全体を見るんだ……
……雷蛇一人に集中するな……
残りの者達が雷蛇の前に列び始める。
「愚かな」
……何だと!?……
……愚弄するか……
「だから技は何も一つだけではないよ、それに理屈が分かったって……単純な人達だなぁ」
ここでゆっくりと身を起こすコジリン。
その目は雷蛇を捉える。
「え?電くん?」
「コジねぇ、今行く」
ロロロロロッ……
遠く近く響く音。
遠雷である。
今回はここまでです。
次回サブタイトル、投稿は未定です。




