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赤い目の少年冒険譚  作者: MAYAKO
第二章 五月世界

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第125話 雷帝と雷蛇と     

おはようございます。

投稿です。


 情けなさ。

 腹立たしい。

 自身に対する怒り。


 パワーに過信して無残に負けた。


 カードバトルだが、コジリンはまだ起き上がれない。

 パワーがあればあるほど、精神的ダメージがあるようなのだ。


 全員倒された。

 これが四月世界や三月世界だったら……。


(僕だけでは勝てない)


 カードバトルは経験も必要だ。


(俺だけでも勝てないぜ)


(いや、雷帝だったら勝てるでしょう?)


(そうとも限らん、まぁ実戦ではいいところまで行くと思うが)


 雷蛇は目の前の獣人達を見る。


(それなら僕、コジねぇの所まで行けないよ)


(そうか?俺は手加減ができない、怒りが上回れば簡単に相手を殺してしまう、そうしなければこちらが殺される。そんな世界に住んでいたからなぁ)


(雷帝、君がメインだ、僕は君の中に消えるとしよう)


(そうはならない、新しく生れたのはお前だ雷蛇、俺がお前の仲に溶け込むとしよう。それが一番いい選択だ)


 歩き出す雷蛇。

 魔力が漏れ初め、一瞬で体型が変わる!その姿は雷帝である!


「!」

《!》

〔!〕


 静かに固まるマシンダガン・ユウバ。


《消えたの……ベビィ……雷蛇ぁ……》


 その声が聞こえたのか一瞬、振り向き眼を合わす雷蛇。

 軽く手を上げ、また進み出す。


「……希有だったか?俺は雷帝であり雷蛇ではないか……かあちゃん、ゴンザ、心配ないぜ、俺は俺だ……さてコジねぇ今行く」


 ユラリ、ユラリ、と歩き出す雷蛇。


 すると、不思議な現象が起きた。

 パタリ、パタリ、と獣人族の戦士が一人、また一人倒れていくのだ!


「き、きさま!何をしている!?この世界はバトル禁止だぞ!」


「知っているよ、俺は歩いているだけさ、手は一つも上げていない、見て分かるだろ?稽古、練習試合、訓練、そうだな、掛り稽古ってところかな?胸を借りるぜ、五月世界の先輩獣人さん達!」


 右にユラリ、左にユラリとまた歩き出す雷蛇。


「ほら、よく見なよ、見れば分かるだろ?」


 凄みのある笑顔で雷蛇が語る。


「見て分かる?」


 雷蛇を見た者は次々に倒れ始めた!


 ……何が起きているのだ……

 ……おい、どうした!?……

 ……ガ・ロウ!こいつら起き上がれないぞ!凄いダメージだ!……


 雷蛇が右に動くと、獣人族が右に傾く。

 左に動くと、同じように左に傾いた。

 そしてまた右に動くと、雷蛇を見ていた獣人族はバランスを崩し、大地に倒れる!


「こ、こいつ、自分の動きに同調させ、相手を崩している!」


「お?正解!分かった?これ『独歩一進(どっぽいっしん)』という技なんだ」


 ……どこの技だ!?……

 ……聞いたことも、見たこともない技だ……

 ……だが、技の理屈が分かれば、恐るるに足らず!……

 ……視覚に頼ると術にハマるぞ!……

 ……全体を見るんだ……

 ……雷蛇一人に集中するな……


 残りの者達が雷蛇の前に列び始める。


「愚かな」


 ……何だと!?……

 ……愚弄するか……


「だから技は何も一つだけではないよ、それに理屈が分かったって……単純な人達だなぁ」


 ここでゆっくりと身を起こすコジリン。

 その目は雷蛇を捉える。


「え?電くん?」


「コジねぇ、今行く」


 ロロロロロッ……

 遠く近く響く音。


 遠雷である。


 今回はここまでです。

次回サブタイトル、投稿は未定です。

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