第10話 萌え
おはようございます。
投稿です。
ヨミヤと呼ばれた隊員は、直ぐに副長の後を追った。
他の3名はまだドリとシュウミンに怒鳴られている。
パジャマ姿が新鮮だったのであろうか?微動だにしない。
いつもの警備隊制服とは違う姿を見て、彼らは静かに感動していた。
(これはボーナス・プレイかっ!?)
(おい、ドリさまとシュウミンさまの、し、私服だぞ!は、始めて見た!)
(それもパジャマだぞ!今日夜勤でよかったぜ!)
そして早く捕まえろ!とう言う罵声。
「おいっ!なにやってんだよ!はやく!」
胸元がチラつくパジャマ。
いつもの制服ではなく、ふんわりパジャマ。
(服装はパジャマだが、口調はいつものドリさま!な、なんだこの感情は!)
(ギャップが何かを訴えているようだ!)
(もしかして、これが萌えかっ!?)
彼らは『萌え』を修得した。
窓から乗り出し、罵声を浴びせている二人を後ろから引っ張る隊長。
「そこまでだ、パジャマだぞ!」
「「あっ!?」」
慌てて引っ込む二人。
代わりに現れたのは、キッチリと制服を着こなした第六国境警備隊、隊長。
その目は氷のようである。
「おい、いつまで覗いている!副長の下へ走らんかっ!」
「「「は、はいいいいっ!」」」
一方、副長達は確実に侵入者を追い詰めていた。
「副長?野生の一角パンサーですか?」
「いや、ネコらしい」
「ねこ!?」
「野生の一角だったら、幼体でも怪我人がでている。そっち行ったぞ!」
「ひゃっ!?」
「すばしっこいな、一角に似ているが小さい分、捉えにくい!これはいい訓練になる」
「……真面目っすね、副長は」
「そうでなければ、副長は務まらんよ」
「この暗さで白黒の模様、やっかいですよ!そこかっ!?」
(っぶねぇ!こいつもヨミヤだっけ?なかなかやるな!でも簡単に捕まるかよ!ギリギリまで……!?)
じりじりと追い込まれる白黒ネコ。
(さすがだな、段々と明るい玄関に追い込まれている!)
正面玄関、そこで何かが遮った!
(あ、あいつらに気をつけ過ぎた!な、なんだ!?)
ふわっ、と浮き上がる白黒ネコ。
(当て身か!?ち、違う!これトラップ!マジック・トラップだ!)
正面玄関に埋められている呪符が反応したのだ!
(油断大敵ですな、それしきの呪符、見抜けぬとはパーフェクトではありませんな、ふふっ)
(うるせー、ゴンザ!)
「ニャニャニャニャッ!」
暴れるが、空中ではどうしようもない。
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