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蒼い灰色



今日は会社の飲み会。

なんかウイスキー舐めたい。

そう思って待ち合わせに行く。

ウイスキーは置いてなかった。

日本酒は違うと思い、シカタナクいつもの甘いカクテルを頼む。

焼き鳥系の居酒屋だから、仕方ない。

でも、料理美味い。


カクテルは、半分ほど空けたところでギブアップ。

酔わない程度に飲み、程々に食べ喋る。

少人数の飲み会。

もう気持ち悪くなる手前だったので、話を聞いて適当にリアクションを取る。

周りのガヤのいつもの妙なノイズも無く、今日の場が いいんやなと思う。

そらSaint な人ばっかりやもんな。

近況と過去と先の展望の情報を手にして解散する。


いつもの「仲間の中に居ても孤独を感じていた」は、やはりあって、仕方ないけどそれでもやっぱり根本的な寂しさは埋まらない。

埋めに行く気も術も無く適当な賑やかしをする。

(持病みたいなモノ)

相手にされる事もなく、荒れる事もなくいつものように飲み会を終える。


そろそろそんな事言える場合じゃなくなるんやろうけど、まだだ、まだ相手も待ってる。

待ちガイルと待ちダルシムの遠距離待ち合戦だ。


雷雨に見舞われる。

晴れ男×2でこれは蝕に等しい現象。

途中抜けて、コーヒーをあおった時に雨を浴びる。

そして窓越しに美女二人組を見る。

磨りガラスで顔は見えない。

しかし、ボディコンシャスという言葉が似合いそうな佇まいだった。

強者は、立ってるだけの絵で分かるんやなとゴチる。

手を拝みたい気分。

俺が、横島君バリの情熱があれば声かけてはっ倒されてるんやろな。

残念というか、遠巻きに見ても有難い、そして手も出ない。


情けなさと共に、これから先訪れるであろう本当の孤独を想う。

こないだ、自覚してオコリが起きたぐらいで、この孤独をなんとかしないと、狂うだろうと思う。

色々、良きにしれ駄目にしれ、経験ヵある人は諦観を持ってるから孤独でも結構どうでもいいと思えるんやろう。


中途半端な人生の俺なんかは、負い目みたいな気持ちがやっぱりあって、自分の人生に意味を求めたり、満足する死に方を考えたりするんだらう。

いっぱい自分を誤魔化してきて、そう思う。


そして生きてきて、色々技はあるだろうけど、基本的に時間は一方通行で、遣り直しは効かない。

どうしようもない後悔と敗北をもって、仇花なのだと自身を想う。


帰り道。

肌に貼り付くような厭な匂いが街を覆っている。

時代がシロとは往かない。

だけど黒はキツい、だからせめて灰色に留めたい。

今時ホワイトな会社あんのかね?

あったら、空空しく白々しい俺みたいなんかね。


いや、もうそうじゃない。

俺の気持ちも既に灰色になってる。

青みがかった灰色。

身に纏う衣も。



まだ生きるのかね。

そこそこ楽しんで帰る。













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