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窓を開ける
風の谷のナウ~シカ~♪
扇風機を止めるぐらい、いい夜風が入る。
ひんやりとした冷気。
温度計を見ればそんなことは無いけど、ぽっぽっぽっ、と青い玉。
涼し気に青く染まる。
その昔、西に走る商店街のシャッターの降りた、遣りきった風のように涼しい。
風鈴買ってこようかな?
「げひげひげひげひ!」
冗談抜きでこういう笑い方をする酔客がいた。
完全に妖怪である。
おそらくタチが悪いであろうから、変に絡まれないように気合いを入れて通る。
たまにきくり姫みたいな娘も三輪車で闊歩する。
最近、物騒になった。
黒いタールノヨウナモノを飲んだ気分。
喉につかえて気持ち悪い。
人はこういう時、気晴らしに酒を飲むんやな。
飲めんけど。
電車で一人。
人の姿が消えた。
たまにこういう瞬間あるよね。
きさらぎ駅じゃないんだから。
都会の駅で一人。
あー涼しい。




