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クセ




向かい合って席があって、片側にしか人が座ってなかったら、俺も同じ方向に座るな。

対面は避ける。

うっかり目が合って、何か喋らなきゃいけないと思ってしまい、気まずくなるからだ。

これは、同じぐらいの人の場合。


戦闘意識が持ち上がる程のアカンのが居たら、これも目を合わさない。

やるやらになってしまう。

誓いの為にも下を向く。


今日、家を出たところで、新聞屋のおじさんを見かける。

下町風の顔立ちだけど、慎ましく生活をして、ゴミが落ちていたら拾うような人だ。

ボッチなんだろう。

誰かに聞かせる為の気を引く類いのものではない、完全なひとり言をよく喋っている。

気を引くタイプのは、まだ何を言ってるのか分かるけど、完全な奴は他人には理解不能になる言葉の羅列だ。


かくいう俺も、最初こそは理解を求めて気を引くタイプのひとり言をいっていたが、最近は完全体の方だ。

まだ、ここで書き散らしてる分救われてるか。


まあ、新聞屋のおじさん。

話す機会も無いが(どんな発展するか読めないものに冒険はしない)それでも好意はある。


新聞屋のおじさんが配り終えたのだろう、空のかごの自転車を、えっちらとこいでいる。

車の影から、車が出てきてお互い気付いていない。

ひかれるタイミングだ。


その時、声は出なかった。

ただ、正義感とも白とも怒りとも殺意とも違う、経験した事の無いモノが全身から溢れた。


頭の意識に、胸の奥から、腹の底から、足が熱くなって。


その瞬間、新聞屋のおじさんも車のドライバーも、こちらを見た。

そして、両者は動きを止めてお互いに気がついて、惨事は回避できた。

俺は、目立ちたくないのでサッと横道に逃げた。


なんというか。

感情の底の根源の、力としか言いようの無いモノだった。

落ち着こうと、飴を舐めた。

あながち、冗談のようで眼力は強かったのを自覚する。

ここまでのは初めてだが。


好ましい人が目の前で不幸に合うのが許せなかった。

俺は寝取られは嫌いなんだよ。

それは創作だけでいい。

世界の底に隠れた偶然を装う悪意を感じた。

ニュータイプってこんなんやろか…。

オールドやってんけどな。



そして、道行くクソガキ高生達を目を伏せて避けて買い物に行く。










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