ミズムシ
ばあちゃん存命の俺が小さな頃。
ばあちゃんは「ほれ見てみ?」と、足の指の間をさす。
目を凝らして見ていると、ひょこりと細長くて白いのが、「よぅ!」と顔を出した。
ビックリして声を失う俺に、ばあちゃんは「これごミズムシや」と言った。
今思い出せば、あり得ない話しなので、これを想うと変なこと不思議な事があっても、まああるかもな?と思える下地になった気はする。
あの水虫はミズムシであって、ばあちゃんの暗示下の幻だったとしても、それもまあまあ不思議な体験ですわな。
それで、たまに人に聞いてみたりした。
信号待ちをしていたら、国道にでっかい黒い影が横切ったとか。
影だけが駆け抜けていったそうだ。
東から西へ。
バスの運転手さんが、回送で帰る時に誰も居ないのに降車のベルギーが鳴ったり。
昔はけっこうワクワクして聞いていたけど、最近は自分の頻度が上がったので、普通に思う。
しかし、まあ意地の悪い。
女の腐ったようなのと誰かに言われたけど、鏡見て言えと思う、毎回。
偶然。
たまたま。
人がゆっくり休んでる時に、ギョッとするような言葉が耳に入れる偶然。
ほぼ、その他大勢の見知らぬ隣人だ。
リラックスした気持ちを奪い悦に入り、自分の幸せにする。
人の形した鬼だ。
悪意でしかない。
アカシックスはまだマシだった、ロマンがあった。
阿頼耶識は汚いな。
人の連綿と繋がる意識が視える。
黒々としたものがウジャウジャと繋がった黒い球。
気持ち悪い。
だから、君達の復興と発展と栄光と衰退を祈る。
鬼のいる地獄などに用は無い。




