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此方と彼方
手のひらクルクル。
この世の無常。
いざさらば浮世の皆様方よ。
ゴエンガアレバってか。
私は帰ってきたー!!
ってガトー洒落込みたいけどなw
ふん。
最近視ねえなあ。
聞こえもしない。
彼方が静まりかえってる。
ベタ凪で何かを待っているように感じる。
寂しーじゃねーか、お前らまで無視すんのかい?
隣に座るなり避けるなり好きにしろ。
俺は正面を向けぬ。
景色は曇天。
この身のコートと同じ色。
気圧が高すぎず、雨も降らない、重畳。
さて、どうなるか今日のオペ。
分は悪いが、風が吹いている。
少し未来が覗いて見える。
腕の時計がカチリコチリ。
白湯を飲んでペアリング。
胸の吐き気をこちらに。
ああそうか。
其方が近くてはいかんのだな、すまん。
最近は山場やっての。
自己の重さが嫌になる。
街に着いた。
米を探して、ついでに「私の推しは悪役令嬢」の新刊を買いに出よう。




