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ダフ屋
家の辻角
いつもの場所
スッと、おじさんが現れて消えた
野球帽を被った、どこかで見た事のあるおじさん。
いつかのダフ屋のオッチャンだ。
懐かしい。
中学生の時にプロレスを観に行った時に、ダフ屋の存在を聞かされていたけども、今時そんなんおるかいなと、思っていたら
「券あるよー券あるよー、券買うよー券買うよー」
ほんまにおった…………。
都市伝説ちゃうかったんや…………勢い凄え。
記憶に色濃く残った。
あの時のダフ屋のオッチャン。
それがあの時の姿のままで視えた。
そら年齢考えたら亡くなってるやろうから、ここに視えたということは、まぁ線香あげて偲んで供養かな。
餅残ってたし、それも。
ん、帰ったらやろう。
体のストレッチをして、入りに備えていると1羽の雀が寄ってきた。
えらい懐っこい、こんだけ近くで見るのは初めて、可愛い。
(エサ無いぞー)
心で呟くも隣にやって来る。
苦笑いしながら、
(落ち着かんからひとりにしてやー)
と呟くと、チュンチュンと飛んでいった。
我ながら甲斐が無い。
終業のベルが鳴る。
歓喜の歌。
これも好きやった。




