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豪奢
「ゲタゲタゲタゲタ!!」
ケラケラ女とかこんな感じやろか?
近寄りたくないな、気持ち悪い。
えっ?
人間じゃないかも、これって?
見わけつかねえなぁ、もう。
気持ち悪い。
地下道で、チンドン屋さん、ぴ~ひゃらら~、と大宣伝。
うなぎ屋さんに上りが立っていた。
自転車でオオキイタイヤを運ぶお爺さん。
不思議な心地で見送りながら、スーパーへ出向く。
野菜が安かった。
また漬物にしてボリボリ喰らおう。
夜中の宴のつまみです。
ひそひそひそと、内緒話をしている小人が3人。
目を合わせると面倒くさいのでスルー。
買い物を済ませて、駐輪場に戻ると、
灰色のスズメが、チュンチュンチュン。
随分人懐っこいけど、これもスルー。
灰色だもの。
陽射しが暖かいアーケードの無い商店街。
熱を出し終えた涼しげな風が、ぴゅう、と吹く。
そうか、ここもこの風が吹くようになったか。
荒野の果てに、か。
自宅に戻りて、晩飯の仕込みを終えて自室へ。
西日でゴールドに染まる自室。
気温はちょうど良い。
外はオールブルーの空と、オールグリーンの信号機。
1台のチャリンコが、気持ち良さそうに、かっ飛んで行った。




