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8話 7回目ー2

7回目②

ーーー


 それからは実に平和だった。14歳を迎えてから、ある日、父親がちょっと遠出をするって旅にでた。


 理由をいくら聞いても教えてくれなかった。母親も知ってるはずなのに、あらあらうふふ。なんて無駄にはぐらかしている。なんなんだよ全く。


ーーー


 もうじき15歳になるんだなって思っていたある日、母親と隣町に行く事になった。なんでも15歳になる子供を近隣の村から集めて、まとめて成人の儀式とやらをするらしい。父さんもいたら良かったのにね〜。って母親に何気に話したら、あらあらそうねーうふふ。なんて意味深に返してきた。やっぱりこりゃなんかあるな。


ーーー


 隣町に着き、母親と宿屋で一泊して移動の疲れをとり、成人の儀式とはなんたるやとか、男の子はこう、女の子ならこうと、ちょっとした違いやらの話から、俺が女の子だったらこうして、ああしてってやりたかったわ〜なんて話に発展して、変な格好をさせられるのではと、ちょっと焦ったり、村では聞けない父親の冒険者の話を聞いたりしていた。


 そんな話の中に母親も実は冒険者でしたとか、さらっというのでビックリしながら話を聞いていたら、いつのまにか出会い話からの惚気話に発展していて、話を聞きながら、村ではこんなに二人で長話をする事はないし、これはこれで貴重かなとか、長話すぎて夜中までかかるかな?なんてまったりしていたら町中に鐘の音が響いた。


 何事だと外を見ていたら


『ドラゴンだー!ドラゴンが町の上空に現れた!逃げろー!』


 って?え?ドラゴン?ファンタジーの定番の憧れる存在のドラゴン?どこだドラゴン?どんな姿形してる?ってキョロキョロと外を見ていたら


「なにしてるの!避難所まで逃げるわよ!」


 ってまるで別人みたいな母親に後ろから引っ張られた。


 避難所とか分からないけど、とにかく母親に付いていかないと、はぐれてしまう。それは困る。


 町中を走っていると、誰かが建物の屋根から飛び降りてきた。

父親だった!


「ここにいたか!よし!一緒に避難所まで行くぞ!」


「待って!何処に行ってたの?なんでドラゴンなんかが襲ってきたの?」


「この大通りじゃ話は出来んな。そこの建物の陰に隠れるか」


 3人で建物の物陰に潜み母親に周囲の警戒をしてもらう中で、改めて父親に向かって


「それで、今まで何処に行ってたの?」

って尋ねたら


「あぁ悪い。ドラゴンの卵をとってきたんだが、ドジっちまった。臨時で組んだメンバーの一人が町に入る前に卵を掻っ攫いやがったんだよ。お前に食わせたくて、とってきたんだがよぉ」


 って、犯人はお前かー!バカ親父!気持ちは嬉しいが、こんな状況になるんなら嬉しくないよ!


 思わず俺の父親がこの現状の発端だと知ると、頭を抱えて蹲ってしまった。


「あなた!ドラゴンが!」


 母親が父親に向かい叫んだ。それを聞いた父親が大通りに出てドラゴンを確認したら、すぐに母親と共に蹲ってしまっていた俺のところに来て、母親と一緒に膝立ちになり3人で抱き合う形になった。

母親はもう泣いている。


「ドラゴンが火を吹いて町を焼き尽くすみたいだ。直にこの辺りも焼かれるだろう。こんな筈じゃなかったんだがなぁ。俺もまだまだだったってことだな。すまんな。こんな事になってしまって。死ぬ時は一緒だ。なに寂しくはないぞ。一人で死ぬのは寂しいからな。」


 父親が俺の気を紛らわそうとしてくれてるのか、悲壮感を感じさせない。そんな顔をして俺に話しかけてくれている。


《オォ!シトヨ! シンデシマウトハ、ナサケナイ!》

 若干聞き取りにくい声が聞こえてきた。

邪神だ。



ーーーーー

死亡歴

5歳…盗賊(街道)

6歳…ゴブリン

6歳…盗賊(村内)

6歳…???

8歳…自殺

6歳…ギルド職員?

15歳…ドラゴン

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