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7話 7回目ー1

7回目①

ーーー


《オォ!シトヨ! シンデシマウトハ、ナサケナイ!》

 若干聞き取りにくい声が聞こえてきた。

邪神だ。


…やっぱり完全に同じルートを辿ってるよ。俺は馬鹿か?大馬鹿だよ!こんちくちょう。なにやってんだよ。ギルドマスターに会いに行っただけじゃん。同じ死ぬならせめて誰に何されたか把握してから死ねよ。無駄足だったよ。

ムダムダムダぁ

ハァハァハァハァ


《コレカラモワレヲタノシマセヨ》


うっせえ!



 さて、と、前回までの反省会をしないと。いや、ホント、マジで反省しないと。時間はたくさんあるんだ。時間だけは。しっかりと考えて生き残りルートを見つけなきゃ。生き残りルートを探すのとは別に、とりあえず、少しでも強くなるために木の枝でも振って訓練でもするか?見付かったら冒険者ごっこだって言えば…いや、あまりに不自然すぎる。不自然極まりない。村の中に冒険者はいない。父親は村にいる間は冒険者とは一言も言ってこなかった。聞いてもなんでか微妙にはぐらかされる。何でだ?危ないからか?そういや強くなるための訓練をしたくても場所がなかったな。家の手伝いを積極的にして基礎体力を付けるしかないのか。セーブポイントが欲しいマジで。切実に。


ーーー


 5歳になって隣村に行き、6歳で隣町に行く事に成功した。もう何回目だ?これ?分からん。記憶があやふやだ。しかし、手を抜くと時系列がズレるかもしれん。とにかく今に集中しないと。


 隣町に着き、宿屋の部屋に荷物を置いてすぐ父親に


「少し話を聞いて、そして冒険者ギルドに行くのは明日じゃなく、今から行ってほしいんだけど」


「なんだ?あまり時間は取れないぞ?って冒険者ギルドに行くなんて言ってなかったよな?なんで冒険者ギルドの事を知ってるんだ?」


「ギルドマスターに盗賊団の事を言うんでしょ?」


「待て待て待て。冒険者ギルド自体はまだいいとしても、ギルドマスターに会うとか盗賊団の事なんて…何故だ?何故知ってる?」


「詳しく説明は出来ないけど、隣村に一緒に行った時の、僕達の村の近くに盗賊がいるって話をしたことがあるでしょ?なんとなくだけど、分かるんだ」


「お前は神様から予知の能力を授かったのか?これから先になにが起きるかわかるんだな?」


 未来予知の能力者じゃなく、やり直しをくり返して何度も死んでる、ただの無能でゴメンナサイ。バカは死んでも直りませんでした。っと真面目にしなきゃまた無駄足になっちまう。


 父親にゴブリンの大群が町に襲撃してくる事、ギルドのサブマスターとギルド職員が関与しているかもしれない事、一緒にギルドに行ったら危険なのを説明した。


…やり直しからの経験じゃなく、神からの祝福という事にするのが、信じてもらいやすいのが残念だった。


 本当にやり直しをどう説明すればいいのだろうか。1歳からのリスタートだと何も残せないからなぁ。何秒か前から、とかなら何かしらの証拠で信じてもらえるだろうに。もういいや。無事に乗り切れるように邪神…じゃなくて改めて、神様に祈ろう。


(やり直しを何度も繰り返すよりも次に進んだ方が楽しいですよ。だから父親が無事でありますように)っと。


…父親を見送ってから何日か経った。宿屋から外に出ないで部屋に引き籠もっているため時間の感覚がおかしくなってるかも。もう何日目だろうか?でも、神に祈ったおかげかは知らんが、町にゴブリンの襲撃が無いっぽいから上手くいったのだろう。あとはただ待つだけだ。うん、大丈夫大丈夫。神様信じてますよ?


 父親が笑顔で帰ってきた。本当に上手くいったのだ。父親と一緒に喜んだ。お前と神様のおかげだ!って


 マジか。本気で神様効果か?いや、そんなまさか。ハハハ。だって邪神ですよ?


 冒険者ギルドのギルドマスターも宿屋に来ていた。部屋の入口で俺達が落ち着くのを待っていてくれたみたいだ。


 話を聞いてびっくりしたのがゴブリンの巣を攻略した後、確認作業をしていたら偶然にもゴブリンダンジョンがあったのが分かった事。


 そして、町に戻り次第サブマスターを問い詰めたら、素直に認めて魔物の誘引剤を使う計画までしていたらしい事。計画が破綻したのに気付いて抵抗を諦めたのかな?さらには、父親が潰したという盗賊団の残党がゴブリンを刺激した実行犯でサブマスターと繋がっていた事。盗賊団の残党は父親に報復したかったらしい。


 なんて色々とあったが、無理!情報が多すぎる!頭に入り切らん!


 父親が戻ってくるのに時間がかかったのも、この色々があったからだとか。そりゃこうもなるか。とにかく、これでようやく母親の待つ我が家に帰れる。疲れた。


 実際には何もしてないけど。ここでセーブしたい。マジで。教会か?王様に報告だったか?クリスタルか?保存コマンドはどこだ?…やれやれ…


ーーー


 我が家に帰り着き、母親に隣町に着いてからの顛末を身振り手振りで説明した。話をしてるうちに俺の父親は本気で本当に英雄なんだと実感した。尊敬するってこんな感じなんだな。




ーーーーー

死亡歴

5歳…盗賊(街道)

6歳…ゴブリン

6歳…盗賊(村内)

6歳…???

8歳…自殺

6歳…ギルド職員?

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