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2話 2回目

2回目

ーーー


 前回はたしか5歳の時に死んだよな。何歳のいつ頃に何があったかとか把握しないと詰んでしまう。


 1ヶ月が30日で、1年が360日でも雪の降る冬がないから把握がしづらい。


 一応、両親から誕生日を祝って貰えるからまだマシか。これで誕生日祝いが無かったら本気でやばかったかも。


 カレンダーが欲しい。自作して作るか?いや、文字を教えてもらえてないから作れないか。いきなり幼児が作りだしたら怪しすぎるだろ。それに、そもそも紙とペンが家には無い。

 ムリだー。


ーーー


 前回と同じ日々が過ぎ、5歳になって、

村の近くに盗賊がいて、すぐに殺しにくる、なんて怖すぎるから親に盗賊の事を言ってみたが、信じてもらえなかった。


 まぁそうだよね幼児だし。しょうがないから、前回と同じように行商人と隣村まで一緒に行く許可をもらい、父親にも同行してもらう事にした。今のところはこれくらいしか思い付かない。


 全て前回と同じだと、また殺されて1歳からのリスタートになるし、父親に盗賊の事を知ってもらわないと。でも盗賊の事を信じていないのか、終始ずっと緊張感なく笑ってた。


 こっちは真面目だってのに、冗談だと思ってるのか、こっち見ながら笑ってやがる。


 隣村に行く途中の襲撃地点よりも遥か手前辺りで


「確かに盗賊らしいのがいるな」


 父親が普段と違う声で凄い怖い顔をしている。盗賊よりも怖い父親にビクビクしながら襲撃されたらまた死んでしまうと感じ、生きた心地がしないまま、襲撃地点を通り過ぎた。


 だいぶ通り過ぎてから


「もう大丈夫だ。お前が言ってたのは本当だったな。信じてやれてなくてすまなかったな」


 父親が、さっきまでとは違う、普段と同じ声で、優しい顔して、俺を見ていた。

緊張の度合いがすごくて放心状態でいると


「詫びとしてお前の成人の儀の時にはドラゴンの卵を取ってきて食わしてやるからな。だいぶ先の事になるが、楽しみにしとけ」


 なんて冗談を言っていた。冗談だよな?ドラゴンなんてホントにいるのかよ?なんて、余計に放心状態になったままでいると隣村に着いていた。


 父親と村の中をぐるっと廻り、途中会った村人に挨拶をしながら俺の事を紹介していた。


 帰りも行きの時と同じく行商人の荷馬車に乗せてもらい、襲撃は無く無事に我が家に帰り着いた。もう行商人と一緒にどこかに行こうとかは思えなくなってしまった。旅行危険。家内安全。違ったかな?


ーーー


 そんなこんなで6歳を過ぎた。


 隣町まで父親が行かないといけない用事が出来たらしい。道中の野営の手伝いとして同行するように言われた。


 隣村まで行った実績が考慮されたみたい。まぁ、実績っていうよりも、本当は町に行く機会がそうそうないから連れて行ってくれるってのが本音みたい。


 今回の隣町まで行く間は歩きだが、また襲撃があるかもって、途中からビクビクしながら同行していたら


「ちょっとそっとの襲撃なんてどうって事ねえよ。ただ、まぁさすがにスタンピードみたいなのだったら庇いながらの戦闘は出来ないがな」


 なんて笑いながら言ったもんだから、フラグか?これがフラグが立つって事か?って背筋が震えた。どうか何も起きませんように。

 神様仏様、おねがいします。


 途中で野営をしたりして隣町に着き、父親の用事が済むまで宿屋暮らしをして過ごさないといけなくなった。初めてきた町だから迷子とか誘拐とかがあるといけないからと宿屋で留守番だった。暇過ぎる。携帯ゲーム機が欲しい。ライトノベルの小説でもいい。マンガとか。いやマジで。


 父親の用事も全て終わり、いくつかの店で買い物をし、いざ、我が家のある村に帰ろうかって町を出ようとした時に、鐘の音が町中に響いた。


『ゴブリンだ!ゴブリンの大群だ!どっかのバカがゴブリンの巣を刺激しやがった!』


 なんだって?なんで?やっぱりあれはフラグだったのか?なんで今なんだよ!?今じゃなくてもいいじゃない!なんて、しょうもない現実逃避をしてると


「ぼさっとするな!逃げるぞ!しっかりと掴まってろよ」


 ドッタンバッタンと大きく揺れながら父親がどこからか調達したらしい荷馬車の荷台に乗せられ走りだした。遠くにはうっすらとナニカの大群がいた。あれがゴブリン?


「ゴブリンの襲撃が早い。報せに来たのが遅かったのかよ!刺激をしたのはどこのバカだ!殴るだけじゃ済まさないぞ!今度会ったらぶっ壊してやる」


 父親があの時と同じ凄く怖い顔をしている。


「逃げられる所まで逃げるぞ!戦うのは最後の最後だ!お前だけでも助けるからな!心配するな!高ランク冒険者の誇りにかけて殺させやしないからな!ゴブリンなんていくらでも蹴散らしてやるからな!」


 分かったって言いたかったが、俺は何も声が出せなかった。荷台に乗ったままの俺は目を閉じ、馬車の荷台に掴まって揺れに耐えているしか、出来なかった。


 どの位の時間が経ち、どこまで移動したのか分からないままでいると、突然、荷馬車が横倒しになり、地面に放り出された。


 ぶつかった衝撃で我に返るとゴブリンのギャアギャアとした鳴き声や父親の荒い声、何かが振るわれる音と切られてる音、理解出来ない騒音と騒然とした状況に動けないでいると、ナニかくさいニオイがした。近付いてきていたゴブリンだ。


 逃げようとしたら頭や体に痛みが走った。

とても遠い場所から父親の叫び声が聞こえてくる。でも、何を言ってるのか、ワカラナイ


イタイ コワイ ウルサイ クサイ タスケテ イタイ コワイ ウルサイ クサイ カミサマ イタイ コワイ ウルサイ クサイ

…とうさん 


《オォ!シトヨ! シンデシマウトハ、ナサケナイ!》

 若干聞き取りにくい声が聞こえてきた。神様だ。



ーーーーー

死亡歴

5歳…盗賊(街道)

6歳…ゴブリン

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