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11話 11回目②


 次の年の6歳で隣町に行く事に成功した。

 失敗したら盗賊エンドでやり直しだもんな。さて、盗賊は回避した。よし、再確認だ。

 隣町では冒険者ギルドに父親と行くんだよな。で、ドラゴンか。あぁ違う違う。ドラゴンはまだだ。えっとゴブリンだったな。ギルドマスターにゴブリンの事を言って…それじゃギルド内で殺されてしまうんだったか。そしたら父親に先に話をして、父親からギルドマスターに説明をしてもらうか、ゴブリンとギルドメンバーより先に動かなきゃ。だったかな?合ってるよな?違ったらまたやり直しだよ。やだなぁ


 隣町に着き宿屋で留守番を言われた。

「待って。冒険者ギルドに行く前に話を聞いて」


「なんだ?あまり時間は取れないぞ?って冒険者ギルドに行くなんて言ってなかったよな?なんで冒険者ギルドの事を知ってるんだ?」


「ギルドマスターに盗賊団の事を言うんでしょ?」


「待て待て。冒険者ギルド自体はまだいいとしても、ギルドマスターに会うとか盗賊団の事なんて…何故だ?何故知ってる?」


「詳しい説明は出来ないけど、隣村に一緒に行った時の、僕達の村の近くに盗賊がいるって話をしたことがあるでしょ?なんとなくだけど、分かるんだ」


「お前は神様から予知の能力を授かったのか?これから先になにが起きるかわかるんだな?」


「なんとなくだけどね、分かるよ」


 それから、父親にゴブリンの大群が町に襲撃してくる事、ギルドのサブマスターとギルド職員が関与しているかもしれない事、一緒にギルドに行ったら危険なのを説明した。


 …以前の父親に説明した時と同じように説明出来たのかは分からないが、なんとか最低限の説明は出来たかと思われる。出来たと信じたい。


 天照大御神様。仏様菩薩様。神様。おねがいします。


 …父親を見送ってから何日か経った。宿屋から外に出ないで部屋に引き籠もっているため時間の感覚がおかしくなってるかも。


 もう何日目だろうか?でも、神に祈ったおかげかは知らんが、町にゴブリンの襲撃が無いっぽいから上手くいったのだろう。あとはただ待つだけだ。うん、大丈夫大丈夫。


 父親が笑顔で帰ってきた。良かった。上手くいったのだ。父親と一緒に喜んだ。お前と神様のおかげだ!って

いやいや、ハハハ。邪神ですよ?


 冒険者ギルドのギルドマスターも宿屋に来ていた。部屋の入口で俺達が落ち着くのを待っていてくれたみたいだ。


 父親とギルドマスターから話を聞いた内容は、ぼんやりとだがずっと以前に聞いた内容と同じだった。これで何か違いとかあったら、またやり直し案件だよ。


 これで盗賊とゴブリンを回避出来たと。

あとはドラゴンだよな。忘れないようにしないと。


 隣町での残りのやるべき事をすませてから、我が家に帰り着き、母親に隣町に着いてからの顛末を身振り手振りで説明した。


 それからは平和だった。

14歳を迎えても父親は旅に出る事は無かった。


 ドラゴンの事は回避出来たのかな?でも、下手に聞いてやぶ蛇になるのは怖いから聞けないままだった。


 もうじきで15歳になるんだなって思っていたある日、父親と母親と3人で隣町に行く事になった。成人の儀式をするらしい。


 3人で隣町に行くのは初めての事になるから、あまりに新鮮で、興奮してはしゃいでしまう。はしゃぐような事じゃないのに。


 隣町に着き、宿屋で一泊して移動の疲れをとり、成人の儀式とはなんたるやとか、もう大人になるからと冒険者についての話を聞いた。そんな話の中、父親と母親が同じパーティーを組んでギルドの依頼を受けていたら親密になり、今に至るとか。


 英雄と呼ばれているのも、実は母親に格好良いところを見せたくて、救援が必要な討伐系の依頼を中心にしていた結果だとか。


 2人揃っての惚気話が始まってしまい、こっちが恥ずかしくなる。やめてくれ。


 イチャイチャはよそでやってくれ。


 それからは、ドラゴンが現れる事もなく、成人の儀式を終えて、買い物ついでに冒険者ギルドにも顔をだし、挨拶だけかと思っていたら、冒険者登録をさせられた。


 身分証にもなるから便利とか言ってるけど、依頼は受けないよ?死んじゃうもん。なんて言ってたら笑われた。解せぬ。


 3人で村に帰り、平和に、本当に平和に過ごした。

  

 父親が今までの功績から村長になり、俺は王都からやってきたという女性を妻に迎え入れ、記念写真みたいな事で形を残したかったから、絵師を呼び二人の絵を描いてもらった。わざわざこんな事しなくてもと、周りは不思議がっていたが、前世でもできなかった記念なんだよ…


 そんなこんなでしばらく父親からは村長補佐としての祭事とかを学んだりした。


 妻は妻で、俺から隠れて、母親に「あらあらうふふ」を自然にするにはどうするのかなんて事を聞いていた。

 それは隠したい物事をはぐらかす時のだよ。なんて言えず、そんな妻達の事は気づかないようにした。気づいてるなんてバレたらそれもまた面倒だし。


 妻のご両親に挨拶しに王都に行きたかったが、往復でかなりの日数がかかるためと、父親が村長の役目を放棄して行くわけにいかず、かといって妻と俺達の2人だけで行くにはさすがに危険すぎる。


 王都に行くのに冒険者ギルドへ護衛依頼をだすと往復の移動費やら冒険者達の分の滞在費も必要だから高額になり、依頼を出すのは無し。そのため、王都行きは断念した。一度くらいは行ってみたかったんだがな。


 ある程度、村長としての仕事内容を理解出来るようになったら父親から村長の役目を引き継いだ。

 村長らしくしようと、口調を変えたら妻から「おじいちゃんみたいで嫌だ」とか。

父親と違って実績らしいのとかないものだから、せめて分かりやすい体裁だけでもとしているのに。解せぬ。


 そうして平和な日々が過ぎ、子供が産まれ、成長をしていき、子供達が結婚をして孫が産まれ、父親達両親は寿命で亡くなり、妻の若かりし頃とそっくりになった孫らも結婚をして、更に年月が経ち、愛すべき妻とも死に別れ、そうして、ついに俺も家族達に囲まれ寿命を迎えた。


《オォ!シトヨ! シンデシマウトハ、ナサケナイ!》



 若干聞き取りにくい声が聞こえてきた。



ーーーーー


死亡歴

5歳…盗賊(街道)

6歳…ゴブリン

6歳…盗賊(村内)

6歳…???

8歳…自殺

6歳…ギルド職員?

15歳…ドラゴン

6歳…盗賊(村内)

5歳…盗賊(街道)

6歳…盗賊(村内)

100歳…寿命


ーーー

これにて、1章が終わりです。

2章から後は構想はあれど、未だに形になってません。


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