姉弟
「さて、久しぶりだな、エミリー。」
アマテラスはかかっと笑いながらやってきた。
「はい、アマテラス様。それで、あの・・・」
シルフ達のこと聞きたかったのだが・・・
「アマテラス様!さっきの、魔法どうでしたか?」
カーラが上手く出来たとばかりに真っ赤な顔で尋ねる。
「うむ、お主はカーララートリーだったな。なかなか面白い付与魔法を考えたものだ。火に氷を纏わせ二つの属性を活かしている。2人の息が合わねば使えないが、よく練習したようだ。」
「そうなんです!ライアンが色々アイデアを出して二人でいっぱい試したんです!あ、ライアン、こっち来て!アマテラス様、紹介します。彼は私のナイトで旦那様のライアン・ダールマです!」
カーラは嬉しそうにライアンを紹介した。
「日輪の神アマテラス様、女神、黒闇天カーララートリー様より紹介されました、ライアン・ダールマでございます。カーララートリー様の婚約者です。」
ライアンは緊張していたがしっかり挨拶はできたようだ。
隣でカーラがムーっと顔を膨らましている。
「ほほう、人間でありながら女神を娶るか。ウィリアムの想いは本物だったという事だな。うむ、我は嫌いではないぞ、その真心や良し。」
それを聞いたカーラはライアンの手を握るとちょっと嬉しそうに顔を赤らめた。
突然バキバキっと空間に歪みができた。ゲートではなく先程と同じような空間の切れ間からジェシカ、サクヤ、セバスチャンの三人が現れた。
「おお、ジジィ!今回は間に合ったぜ!あたいに感謝しろよ!あ、アマテラス、ワリーな、こいつがうるさくてかなわねーからさ。」
「ふむ、時空移動だな。ようやく気づいたという事か、ジェシカ?」
アマテラスはジェシカに聞いた。
「ああ、 珍しくシヴァが来ただろ?あれで気づいたんだ。アマテラスもシヴァも異次元の存在だからな。空間移動のゲートじゃ会えないはずさ、そうだろ?」
ジェシカはアマテラスの周りをブンブン飛んでいる。
「そういう事だ。我はこの世界の者とは波長が異なるからな。つまり我がいる場所は異次元ということになる。」
「ジジィも言ってくれりゃーいーのによー。ってか自分で会いに行けただろ?何で会わなかったんだ?」
「ジェシカ、それは我が禁止したからだ。次に会うのは、次期大神候補が生まれた時と決めたのさ。」
「そーなのか?で、ジジィ、次期大神候補って誰だ?サクヤか?」
「アホか、お前は!今の流れでお前しかおらんじゃろうが!」
「何言ってやがる!あたいはやんねーってずっと言ってるじゃねーか!アホはお前だ、ジジィ!」
二人は相変わらず喧嘩している。
エミリーはそれを微笑ましく見ていた。
「エミリー様、これを見てください。」
横からキャンディがステータスボードを見せてきた。
ーーー<ジェシカ>ーーー
種族:守護神
称号:魔法少女ジェシカイエロー、[新]次期大神候補、幸福神、妖精王、大神の喧嘩相手
レベル:940{/999}
HP:A{A}
MP:S+1{S+1}
力:B{A}
魔法力:S+1{S+1}
防御:B +{A}
速さ:SS{SS}
運:SSS{SSS}
スキル:神撃、[新]時空移動、転送術、大地の恵み、大海の恵み、大空の恵み、癒しの歌、利き酒、魔法鑑定
特殊スキル:幸福神の加護付与、幸福神の祝福付与、妖精王の命令
恩恵:大神の加護(小)、酒神の祝福、魔法神の祝福
ーーーーーーーーーーーーー
「ジェシカ!あなた、称号に[次期大神候補]が増えてるわよ!」
「何だって?」
ジェシカはピューっと飛んできてステータスボードを覗き込んだ。
「本当だ。レベルも20も上がってやがる。この200年まるで上がらなかったのに・・・。」
「お姉様!お姉様!ちょっとこっちにきてこれを見て!!」
カーラがステータスボードを手に持って叫んでいる。
「やれやれ、今度はなんだ?」
ジェシカはカーラの方へ飛んでいった。
ーーー<カーララートリー>ーーー
種族:守護神
称号:ライアン・ダールマの婚約者、魔法少女カーラブラック、黒闇天、[新]幸福神の後継者候補
レベル:100{/999}
HP:C{A}
MP:D(変身時C){B}
力:C{B}
魔法力:D(変身時C){B}
防御:C{A}
速さ:C{S}
運:C+1{SSS}
スキル:加災、無災、幸災の調和、癒しの歌(回復魔法取得後使用可能)、転災(変身時)、(加福)、属性付与魔法
特殊スキル:黒闇天の加護付与、黒闇天の祝福付与
恩恵:大神の加護(小)、調和の神の祝福、幸福神の祝福、酒神の加護
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「ほら、見てお姉様![幸福神の後継者候補]って!この称号昨日まではなかったのよ!私毎日見てるんだから!」
「むぅー、なんだ?この後継者って。おい、アマテラス、これはどーゆーことだ?」
ジェシカは再びアマテラスの周りを飛んでいる。
「どうもこうもそういう事だ。お主は大神昇格の条件を満たしたのだ。お主が大神となってこの星から出ていけば、幸福神に空きが出る。福の神は重要神だからな。空席は許されんのだ。」
「いやいや、カーラにはまだ早えーよ!そりゃ、いずれはと思っちゃいたさ。それにあたいは他の星に行く気なんてねーぞ?」
ジェシカは喚きながら飛び回っていた。
「ジェシカ落ち着かんか。今すぐというわけではないんじゃ。そんなに喚くでない。わしがダメな神に見えてしまうじゃろうが!」
「ド阿呆!お前がダメじゃなくて誰がダメなんだ!このシスコンジジィが!ねーちゃんの前だからってカッコつけんな!」
ん?ねーちゃんって誰?
誰もが顔を合わせたが誰もわからないようだ。
いやサクヤ姫はちょっと困った顔をしている。
「ねえジェシカ?ねーちゃんって誰のこと?」
「ん、ねーちゃんはアマテラスしかいねーだろ?」
「いや、それだとアマテラス様が大神様のお姉さんになるんだけど?」
「そーだぞ。そー言ったろ。シスコンジジィって。」
えーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!
「アマテラスは弟が二人いるんだ。早くに母親が死んじまったから、アマテラスが二人の弟の面倒を見たんだよ。ジジィは末っ子だから甘ったれなのさ。な、アマテラス。」
びっくりするみんなを無視してジェシカは話を続けた。
「うむ、よく知っているな、ジェシカ?しかし話した記憶はないんだがな。」
「図書館にたくさん本があるからサクヤと読んだんだ。お前達姉弟有名だぞ。」
「そ、そうか、まあ、確かに我等は神話の主人公だからな。しかしそういう物語は誇張されているものだからな。全部信じてはいかんぞ?」
「わかってるさ。サクヤの好きな本だとお前ら結婚して子供作ってるからな。よかったじゃねーか、ジジィ。アマテラスと結婚できて!」
「わ、わしがアマテラスと結婚?それは本当か?おお、神様ありがとう!」
大神様はシスコン・・・なるほど、相当拗らせているらしい。
「阿呆!スサノオ!お主が神だろうが!アフロディーテのところで何を修行をしてきたのだ?だいたいなんだその顔と金髪は!」
アマテラスは怒っていた。
「ジェシカ、アフロディーテって誰?それにスサノオって?」
「アフロディーテはアマテラスと同じ上位の神さ。確か愛と美の女神だったか?ジジィは昔やんちゃでアマテラスに認めてもらいたくて暴れてばかりいたんだ。怒ったアマテラスがアフロディーテのところに修行に出したのさ。ジジィは本当はスサノオっていう名前なんだけど、アフロディーテがセバスチャンって呼んでたからそれからセバスチャンなのさ。」
なんとセバスチャンはあだ名だった!
「アマテラス、わしはちゃんと修行しておったぞ。天叢雲を贈ったじゃろう?それにこの姿はアマテラスのためなんじゃ!アフロディーテ様もきっと気にいってくれると言ってくれたんじゃ!」
大神様、そのじじくさい言葉じゃなければ、イケてるのに・・・残念!
「ふう、その姿はアフロディーテの好みだろう、スサノオ。アフロディーテは知っているはずだぞ?」
「な、なんじゃと?ではアマテラスの好みはどんなんじゃ?」
「そんなことを聞いてどうする。まあいい、我の理想は父イザナギだ。強く賢くそして逞しい。父ならば全知全能の神ゼウスにも引けを取るまいよ!」
「なんと、父が理想とは・・・」
「ああ、我は父が大好きだ!母亡き今、我こそが父に相応しいと思わんか?」
弟はシスコンだったが、姉もファザコンだった。




