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星の想い  作者: 景虎
新たな魔法神
46/51

魔獣と魔石

見渡して見るとオオカミの群れはざっと40頭ほどだ。

「調査の数より多いじゃないか!」

ハンターの1人が呻いた。

「群れのリーダーはアイツか?あんなに大きなオオカミは見たことがない!馬くらいあるんじゃないか?」

「じゃあ、前に見かけたデカい奴はなんだ?右脚にアザがあるアイツがリーダーじゃなかったのか?」

「いやよく見てみろよ!アザのあるヤツもいる。ただあのサイズのヤツが他に2頭いやがる・・・」

ハンター達が驚きの声をあげていた。


通常より大きな個体が3頭、更に一際大きな個体が1頭いる。

3頭はグループリーダーだろう。

三つの群れが巨大なリーダーの元で一つになったのだろうか?


「リー姉、あのデカい3頭魔獣化してるよ。馬鹿デカイのはちょっと見た事がない。」

「馬鹿デカいのはエミリー様に任せよう。他の3頭はお前とカーラ様とミーナで倒せ!」

リーが指示を出す。

「えー!私があの大きいの倒すの?あれ強そうじゃない!」

「エミリー様、何言ってるんですか?あの位の魔獣は以前お館様が簡単に倒してましたから全然大丈夫ですよ!」

リーは余裕でそう答える。

「イワナガ姫と比べないでよぉ。それじゃあ、リーさんは何するんですか?」

「私とキャンディは守りですよ、守り!土魔法で防御壁を作ります。こうやって!」

そう言ってリーは土の壁を四方に出した。

ハンター達はここから戦うことになるのだ。


「エミリー、ちよっといいかしら?」

カーラが耳元で小さく伝えてきた。

「・・・・」

「そうね、いいわ、でもタイミングはあなたが合わせてちょうだいね?私苦手だから。」

「もちろんよ!任せてちょうだい!」


「「マジカルチェーンジ!!」」

2人は魔法少女に変身するとそれぞれの目標に向かって走っていった。


正直に言って、エミリー、カーラ、ライアンにとってはオオカミとの戦いより普段の練習の方がずっとハードだった。

ミーナに至ってはこの程度の戦いは遊び以下だった。

しかしそれはリーダーが吠えるまでの話だ。


その魔獣が吠えると巨大な竜巻が起こり、エミリー達に攻撃してきた。

それが合図だったかのように今まで劣勢だったオオカミ達は連携した動きで攻撃を始めた。


オオカミ達は動きが良くなると同時に防御力も上がったようだった。

魔獣相手の4人はともかく、ルークやハンター達は複数のオオカミの連携には手も足も出ない。

普通ならしっかりとした調査に基づき戦略的に罠を仕掛けたり、遠くから狙撃したりして群れを分断して1体1の状態を作り出すものだ。

最も調査が仮にうまくいったとしても、鼻の効く上に頭のいいオオカミにこういう作戦が通用したかは怪しいものではあったが。


エミリーは初めオオカミ達を殺すつもりはなかった。

少し脅かせば逃げて行くのではないかと思っていた。

しかしナワバリに踏み込んだ人間に怒るオオカミは更に攻撃を重ねてくるのだった。

「ふうっ」

エミリーは一つため息をつくとステッキを掲げ意識を集中させた。

「エアスラッシュ!!」

ステッキを横に一閃すると斬撃が飛んだ。


魔獣の前にいた6〜7頭ばかりのオオカミが一瞬で両断され絶命した。


それを見たカーラはメイスをしまうと手のひらを合わせた。

瞬間、大きな火の玉がカーラの両手覆う。

「ブレイズキャノン!!」

両手を突き出すと同時に火炎球がオオカミの群れに向かって放たれた。

バムッ!

火炎球は着弾と同時に爆発してそこにいた5頭ほどのオオカミを魔獣もろとも吹き飛ばした。


エミリーの魔法がオオカミを倒すのを見たミーナは大剣を振るう速度を上げた。

嵐のような剣圧を生み出したその舞は一瞬で10頭のオオカミと魔獣を倒した。


カーラの火炎球を見たライアンは刀を鞘に収めると深呼吸をした。

「やぁーーーっ!!」

気合と共にオオカミの群れに飛び込むと同時に抜刀した。

魔獣の前の5頭を切り捨てると、残りのオオカミを1頭ずつ切っていった。

ライアンの前には魔獣だけが残る。

ライアンは再び刀を鞘に戻すと居合の構えを取った。

ライアンの眼光に耐えられなくなった魔獣がライアンに飛びかかる。

チンッ・・

刀が鞘に収まると魔獣の首が地面に落ちた。


女神達の範囲攻撃により孤立したオオカミはルークとハンター達に1頭ずつ狩られていった。


群れのリーダーの魔獣はエミリーの攻撃に一瞬何が起きたのか理解が追いつかなかった。

理解した直後、怒り狂った魔獣は暴風の如くエミリーに攻撃を仕掛けてきた。

吠えるたびに発生するウインドストームは強力だったが魔法少女になったエミリーに風系の魔法はそよ風に等しかった。

エミリーは攻撃を軽くかわしながら、みんなが他のオオカミを始末するのを待っていた。


最後の1頭が倒されると、エミリーは魔獣と距離を取って対峙した。

「エアスラッシュ!!」

エミリーはステッキを振り下ろし始めて魔獣に攻撃をした。

しかし斬撃は魔獣を傷つけることなく霧散した。

「流石に魔力防御も高いわね。」


「グルルッ」

魔獣は吠えずに唸り声を上げると、地面を蹴ると今度は一気に飛びかかってきた。


「おっと、次は私よ!」

カーラがエミリーの前に入りメイスを振り抜くと、魔獣は体を捻りその一撃を躱した。

「やっぱり勘もいい! キャノンボール!」

言うと同時にカーラの左手から火の玉が魔獣を追いかける。

ボンッ

火の玉はほんの少し焦げ目を与えただけだった。


魔獣は少し距離を取りこっちを伺っている。


「じゃあ、行くわよ、準備はいい?」

カーラが横に来てそう言った。

「もう待ちくたびれたわよ。じゃあ、合わせてちょうだいね!」

二人は再び離れていった。


「アローストーム!!」

「フレアフォレスト!!」

右からエミリーの魔法矢の雨、左に炎の柱の壁、二つの魔法が同時に展開された。

威力は小さいが連続した攻撃が魔獣を襲う。

魔獣の咆哮はカーラの炎の柱を破壊して、カーラに迫ってきた。

魔獣が右脚を大きく上げてカーラに襲いかかった瞬間、

「今よ!」

カーラが叫ぶ。

「コンパクト!!」

エミリーの声で魔獣の動きが止まった。


「行くわよ、ブラック!」

「任せて、ピンク!」


二人の魔法少女はジャンプするとステッキを両手で握り、大上段に構えた。

そして魔獣の首に向けて同時に振り下ろした。

「「マジカルソ〜〜〜ド!ユニゾンッ!!!」」


左右対称の軌道で振り下ろした剣はぶつかることなく、その剣先が融合すると同時に眩い輝きを放った。



「きゃー!やったわ、ピンク!大成功よ!!」

「すごく上手く決まったわ!流石ブラックね!!」

無邪気に抱き合って喜ぶ可愛い魔法少女がそこにいた。



「あの少女達は一体?」

「あなた達は何者なのですか?」

「あの化け物の事も知っているのですか?」

「一瞬でこの数のオオカミを倒すなんて信じられない!」

ハンター達は一緒にいるリー達に尋ねた。


「まあ、まずは落ち着いてください。皆さん疲れているでしょうし、我々の事を語る前に私が気持ちが落ち着く()()をかけましょう!」

ルークはそう言ってホーリーライトを皆にかけた。

ホーリーライトは気持ちを落ち着かせてくれると同時に頭をスッキリさせる効果がある。

この効果がある間は今まで知らなかった事や理解し難い出来事もスンナリ受け入れる頭の柔らかさを持つ。

それを知っているキャンディは迷わず真実を語った。


「彼女達は愛と平和の使い『マジカルガッデス』の魔法少女、エミリーピンクとカーラブラックです。そしてその正体は神の国よりこの地に降臨された魔法神エミリー様と黒闇天カーララートリー様なのです!」


「おお!そうだったのですか!」

「彼女達が噂の魔法少女!」

「噂通り可愛らしい!」

「そして神々しくもある!」

ハンター達はあっさりと少女達が特別な存在であることに納得した。


変身を解いてエミリーとカーラが戻ってくると、ハンター達は盛大に感謝の意を表すと、必ずこの活躍を皆に伝えます!と口々にに言うのだった。

最後の大技も決まり、カーラは上機嫌だった。

「ねえ、あなた達はブラックとピンクのどっちの魔法少女が可愛くて強いと思う?」


一瞬言葉に詰まるハンター達だった。

ハンター達は互いに顔を合わせると小さく頷いた。

「私はカーラ様のブラックが攻撃において優勢だと感じました。しかも赤い火の攻撃と黒の衣装もとてもお似合いです!可愛いだけでなく凛々しさを感じさせます!」

剣士のハンターが答えると、カーラは嬉しそうに頷いた。


「いやいや、エミリー様のピンクの放った無数の矢!弓士としてはあれこそ憧れの技!ピンクの衣装もエミリー様にぴったり似合っておいでです!」

エミリーは恥ずかしくなって視線を下に向けた。


「じゃあ、あなた達はどうなの?二人とも弓士でしょう?やっぱりピンクの方がお好みなの?」

カーラは残りの二人に言い寄った。

「い、いえ。私の本職は槍ですので・・・あのような飛び道具のような魔法にはただただ驚くばかりで。どっちが凄いなどと比べることなどできませんよ。」

「そうですとも!私も本職は盾ですから。攻撃魔法なんて羨ましいばかりです!それにお二人の攻撃は息ピッタリじゃないですか?最後の攻撃は痺れました。これぞ必殺技って感じでしたよ!」


「そうでしょ、そうでしょ!最後の大技は私が考えたのよ!ね、エミリー?」

カーラがドヤ顔でエミリーを見た。


「おやおや、カーララートリー様はみんなに褒めてもらえてご機嫌だね?でも大事な事を忘れているよ。」

そう言ってライアンは右手を出した

手の平には四つの石が乗っていた。一つだけ大きな石がある。

「あ、魔石!」

エミリーが叫んだ。

「そうですよ、エミリー様。魔獣を倒したら魔石を回収しないといけません。他の動物が食べたりすると新たな魔獣が生まれる可能性がありますからね。」


「ありがとう、覚えておくわ。」

そう、言って魔石を受け取った。


「これはエミリー様が来る前の魔石と一緒ですね。」

ライアンが言った。

「どうゆう事?あら?これはステータスボートじゃないわ!」

新しい魔石を手に取っても、ステータスボートは現れなかった。

その代わり魔石の情報が見えた。


ーーー〈風の魔石〉ーーー

ランク:C

効果:風魔法強化

ーーーーーーーーーーーー


「ライアン、これは風の魔石なのね?」

「どうしてわかるのですか?」

「だって石がそう言っているわ。」

「?・・・石が言ってる?」


みんなに渡してみたら、この情報が見れるのはエミリーとキャンディだけだった。


「どうやら魔力鑑定スキルがないとわからないようですね。」

リーが言う。

「それを持ってステータスボードを使えば石の鑑定も出来るわよ。」

エミリーはそう言って、ミーナに風の魔石と持っていた魔石ステータスボードを渡した。


ーーー〈ミーナ〉ーーー

種族:ドワーフ

称号:冒険者、大剣使い

レベル:20

HP:E

MP:E

力:D

魔法力:E

防御:D

速さ:F

運:E

スキル:魔技(大剣)

ーーーーーーーーーーーー


「次のページがあるの。スライドしてみて。」

ミーナが意識すると画面が変わった。


ーーー〈所持品〉ーーー

・大剣 x1

・魔石 x1

ーーーーーーーーーーー


魔石に意識を向けた。


ーーー〈風の魔石〉ーーー

ランク:C

効果:風魔法強化、

ーーーーーーーーーーーー


「持っていると風魔法の効果が上がるみたいね。」

エミリーはそう言って魔石をミーナから受け取った。

「この小さいのはどうかしら?」

エミリーは小さな魔石をミーナに渡して同じように鑑定した。


ーーー〈小さな魔石〉ーーー

ランク:F

効果:身体強化(小)

ーーーーーーーーーーー


「こっちはそんなに大きな力はないのね?」

エミリーは近くの小石を拾って、ちょっとだけ魔力を込めた。

すると他の小さな魔石と同じような魔石が生まれた。

ミーナが鑑定すると同じように小さな魔石の鑑定結果が出た。


「うん、上手く出来た。これを合わせて四つあるから今日の記念にあなた達ハンターにあげるわ。ちょっぴり強くなるみたいだからこれからも村の平和のために頑張ってくださいね!」

ハンター達は女神からの突然のプレゼントにビックリして声も出せずポカンとしていた。


「エミリー様!いくら効果が小さな魔石といっても、女神自身で渡してしまったら、とんでもない価値が付いてしまって、使うどころじゃなくなります!その魔石は私から手渡します!」

キャンディはそう言うと、エミリーから魔石を取り上げた。


魔石は一見してもそれぞれの違いはないように見えたが、キャンディの鑑定スキルの前では大きな差があった。

特にエミリーが作った魔石はとんでもない代物(しろもの)だった。


とんでもない力を秘めた魔石を本当は渡したくはなかったのだけれど、キャンディはエミリーの望み通り、ハンター達に魔石を渡していった。


「これで良かったのですよね、サクヤ様?」

渡し終わったキャンディは小さな声で呟くのだった。


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