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星の想い  作者: 景虎
新たな魔法神
20/51

魔力制御

「ウインドボール!」

ステッキの先にはバランスボールほどの風の玉ができていた。

「トルネード!」

風の玉は勢いのある小さな竜巻になった。それは昨日の弱々しいつむじ風ではなく激しいものだった。

「ウインドウォール!」

竜巻は横に伸びるように広がり壁になった。

「エアシールド!」

風の壁が小さなくなりステッキの先で盾になる。


「ファイヤーボール!」

カーラの右手から放出された火の玉がエミリーに向かって飛んでいく。

口にする事で魔法はより強いものになる。

エミリーは勢いよく飛んできた火の玉にステッキを向け盾で受け止めた。

火の玉は弾かれ空中で消え、盾も消滅した。


「こんなものだろう。ち・・、いやエミリー、見せてみろ。」

イワナガ姫に言われて、腕につけていたブレスレットを外して渡す。

「ふーん、ひび割れも曇りもないようだ。これなら問題ないだろう。体の方はどうだ?痛んだり、気持ち悪くはないか?」

「大丈夫みたいです。」

「うむ、では普段はこれをつけておれば、魔法使用は問題なかろう。」

「ありがとうございます。イワナガ姫。」

ブレスレットを受け取り、再び腕につけた。


ブレスレットには7つの魔石が付いている。一つ一つの魔石に魔力封じの呪いがかかっていて、丁度いい数が7つのようだ。

これはカーラの魔法の力と釣り合うように設定したためで、盾と火の玉の衝突を繰り返し、さっき丁度二つの魔法が同時に消滅したので調整終了という事なのだ。

もともとブレスレットには3つの魔石が付いていたのだけれど、強すぎるため魔石を増やしていった結果だった。


ステータスボードを見てみると

MP:D〜B(ブレスレット装着時){SSS}

スキルの自動絶対防御(オートフルガード)(発動条件MP:A以上)となっていた。

ちなみに

称号:魔法神、(新)魔法少女エミリーピンク

魔法少女は認定されたようだ・・・


「これなら魔法の練習もできそうだな。」

ジェシカはそう言って魔物の的をヒョイと出した。

的はすぐに動き出し少し距離を取るとこちらに向かって走り出した。

結構速い!

「ウインドボール!」

「ファイヤーボール!」

ほとんど同時に出した魔法の玉は的に当たったが、弾かれてしまった。

「ウインドカッター!」

「ファイヤーアロー!」

斬撃と炎の矢は的を削ったが勢いが少し落ちたくらいだ。

硬い!

「ウインドシールド!」

ステッキの先に少し大きめの盾を作り受け止める!

当たった所が消滅する!?

盾は大きさの分だけ弱い・・・から魔力を少し強く込めた。

再び盾を再生すると、

「グラビティハンマー!!」

カーラの一撃が的を粉砕していた。



少し前のこと。


「なんでカーラの得物がメイスなのだ!」

イワナガ姫はオコだった。

「だって、小さな女の子に剣は似合わないでしょ?ハンマーが良かったのだけど大きすぎるからメイスにしたの。ね、ジェシカ!」

「ね、って、あたいは知らねーよ!サクヤの趣味なだけじゃねーか!」

確かに!

エミリーとカーラは静かに頷いている。

「カーラの成長の祝いに太刀と剣技を授けるつもりだったのだぞ!のう、お主は興味ないか?さっき見たであろう?立派になったお主の太刀を!」


カーラは困って下を向いていた。まさか御神体が太刀になるなど考えてもいなかった。

流石に御神体を使うわけにはいかないが、自分の分身である太刀を自在に扱えるのだとしたら女神としてとてもカッコいいではないか!っていうか周りから見たら何でメイス?って感じだろうと思う。

しかしサクヤ様から貰ったメイスはすでに十分馴染んでいた。おまけに変形機能や打撃強化スキル付き!

子供はおまけに弱いと決まっている。女神といえどカーラも例外ではない。

カーラは恩人に対してどう断ったらいいのかわからないのだった。


「カーラは魔法少女カーラブラックなのよ!闇の王女(ダークプリンセス)の武器はマジカルメイスに決まっているの!」

サクヤ姫の脳内設定が炸裂した!

「なんじゃそのダークプリンセスやらマジカルメイスとやらは?」

イワナガ姫は当然のツッコミを入れる。

「私達は愛と平和を願うカルテット!魔法少女エミリーピンク!もう1人の魔法少女、闇の王女(ダークプリンセス)カーラブラック!幸福の妖精(ハピネスフェアリー)ジェシカイエロー!そして癒しの(ヒーリング)ハーフエルフのサクヤグリーン!そう!私達は愛と平和の魔法女神(マジカルガッデス)なの!」

サクヤ姫は杖を上に上げて「さあ、変身よ!マジカルチェーンジ!」


光が4人を包み、魔法女神が光臨した。


4人はそれぞれ、髪の色と同じピンク、ブラック、イエロー、グリーンを基調としたコスチュームをまとっている。

エミリーはもともと茶髪、サクヤは黒髪だが変身後は髪の色が変わるようだ。

魔法少女2人はふわっとしたかわいい系、お姉さんのサクヤグリーンは優雅なロングドレス風、妖精のジェシカイエローはヘソ出しのショートトップスにジャケット、下は黒のショートパンツに黄色い巻きスカートを付けている。動きやすくかわいい組み合わせはサクヤとの打ち合わせで決まったものだった。


「つまり、わしのサムライに対する憧れと同じということなのかの?」

4人を見ていたイワナガ姫はそう呟いた。

「そうなのよ!姉さん!わかってもらえたかしら!」

「そうなんです、イワナガ様!私はカーラブラックとしてエミリーピンクを助けると決めたのです!」


いやなんか「ノリで」とか、「付き合いで」みたいなことを言える雰囲気ではなかった。

サクヤ姫の変身演出はあっという間で、乗り気でなかった残りの2人はイワナガ姫の中でサクヤ姫の魔法少女仲間として認定されることになった。


「あ、姉さんはピンクとブラックを影から支える謎の女王だから『マジカルガッデス』には入れないわよ。残念だけど。」

「入らんわ!」

「あら、そう?こういうの好きかと思ったけど。でもピンクは今、本当に困っているから謎の女王の力を借りたいの。協力してくれるかしら?」

「訪ねてくるのは予知していたが・・・ふむ、どうも胸騒ぎがすると思ったらこの事と関係があるのかのう?どれ、!!!」

そう言ってエミリーを見た途端、びっくりして固まってしまった!


「ち、知流?知流なのか?」

「え?」

しばらくして口を開いたイワナガ姫は誰かと間違えているようだった。

「姉さん、この子は知流じゃないわ。もちろん生まれ変わりでもないの。でもね、この子は空間シールドを使えるの。人間だった時からよ。あの子が得意だった固有魔法・・・この子にはその血の記憶がある。それはエミリーが知流の子孫であることを意味するの。

エミリーが魔法神になったのは・・・いいえ魔法神に選ばれ()()な力を受け継いだのは偶然じゃないの。」

「・・・()()()()か・・・」

「そう、エミリーは()()この力を制御できないの。だから姉さんに力を抑える呪文をかけてもらいたいの!」


「それにしてもよく似ている。初め見たときはそんなに感じなかったが、この髪の色と髪型にすると本当に知流が戻ってきたようだ。」

「私はすぐに気付いたわ、姉さんは相変わらず鈍いわね。」

「ほっとけ!わしのことはどうでもいいわ!しかし魔力の制御か。くくく。」

イワナガ姫が笑う。

「何だ、いい方法があるのか!」

ジェシカイエローがイワナガ姫の方に飛んでいく。

「ああ、ある!また()()()()()悲劇が起きぬよう魔力封じの呪い(まじない)を込めた道具を作っておったのだ。強い戦士が付けると思っておったので厳つい物だったが、万一に備えて女子(おなご)用を作っておいてよかった。きっとお主のようなかわいい女子(おなご)によく似合うだろう。」

「あたいのことか?」

「阿呆!お主ではないわ!まったく何を言っておる。では取ってくるとしよう。しばし待っておれ。」


「エミリー、あなた知っていたの!?」

カーラがビックリした顔で聞いてきた。

「え?何が?」

「自分のルーツの事よ!チルって知流姫のことですよね?サクヤ様?」

「そうよ、此花知流姫(コノハナチルヒメノ)(ミコト)。私達の妹。」

サクヤ姫は静かに答えた。

「そうなんだ、私、知らなかった・・・」

いきなりの事実のオンパレードに戸惑いが隠せない。

正直どういう事なのかすらサッパリ分からなかった。


「何て顔してるのよ、エミリー!私もイワナガ様やお兄様と生まれた時から縁があったなんて知らなかったわ。でもそれを聞いた時ホッとしたの。間違って神様になったんじゃないってわかったから。」

「どういうこと?」

「私、ずっと怖かったの。神様になるには凄く強い想いが必要だって聞いてたから。エミリー、私の想いはね、ただみんなが幸せになって欲しかっただけ。大それたものじゃないわ、すごく当たり前のこと。」

「私なんてマスターのことばっかりだったわ・・・」

「え、そうなの?なら、あなたその人の事が本当に大事だったのね!私はずっと1人だったから、そんな人に出会えたあなたが羨ましいわ。それは今度ゆっくり聞かせてね。」

カーラはゆっくり息を吸った。

「それよりあなたもチル姫の繋がりがあるから神になったってサクヤ様が言っていたじゃない?あなたも私と同じでずっと見守られてきたのよ。」

「そうなのかな?でも誰なんだろう?サクヤ姫は知っているの?」


サクヤ姫はスッとジェシカを見た。ジェシカは首を横に振った。

知らないのか・・・そう思った時、

「今はまだ誰かは言えないけど、カーラの言う通り、あなたをずっと見ていた神がいたわ。」

とサクヤ姫が答えた。


「エミリー、私はねあなたが神の世界に来たときは正直怖かったわ。奇跡を起こすほど強い想いを持っているって聞いていたから。私なんかが神様になってよかったのかなって思ってた。」

カーラは今度はゆっくり息を吐くとこっちを見て微笑んだ。


「そう言われているけど自信がなくなったわ。だって何もできないもの。」

「エミリー、私もそうだったわ。でもね、そんなことはどうでもいいの。だって私達の想いは絶対本物だって今はわかるから。本物の想いだからこの世界にいるのよ。」

「何でわかるの?」

「わからない?私達は神様に見守られていたのよ。神様が本物の想いと認めてくれたからここにいるんじゃない。」

「あ!」

「そういうこと。初めからちゃんと認めてもらってたの。神様になったのは間違いじゃなかったの。だから私はホッとしたんだ。それにあなた、凄い力があるのに何にもできないじゃない、悪いけど安心したわ。」

そう言ってカーラはイタズラっ子のように笑った。

「ああ!カーラ!ひどいわ、気にしてるのに!」


笑いが起こり、楽しい空気になった。

「楽しそうだの。わしも混ぜてくれるかの!」

イワナガ姫が手にブレスレットを持って入ってきた。

「そのブレスレットがそうなのか?」

「そうじゃ、かわいいだろう?お主にはちぃーと大きすぎるかもしれんがな。」

ジェシカはムーと唸り、また笑いが起こる。


そのブレスレットは淡いピンク色でエミリーピンクのアクセサリーにぴったりなものだった。

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