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星の想い  作者: 景虎
新たな魔法神
2/51

目覚め

・・・・・・?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・??



・・・・・・・・・・・・・・・・・!!


『目覚めたか?』


『・・・』


意識がある?

というか意識しかない?

周りを見ようにも暗いばかりでまるで夢の中のよう??

なんだろうとおもっていると、ぼやっとした光を感じる!!


意識に流れてきた問いに答えられずにいると、不意に周りが明るくなった。

目が慣れてくると、そこには強い光が()()


『おはよう』


『・・・おはようございます・・・』


『ふむ、意識もしっかりしてきているようだの。お主が目覚めるのを・・・ずっと待っておったのだ。』


『・・・・・・・・・』


何がどうなっているのかさっぱりわからない。光がいるだけ・・・あれ?何もない?!明るい空間が広がっているだけ・・・


『ここは・・・・どこ?』


『ここは・・・そう・・・・お主の意識の中・・・夢の中のようなところかの。わしはそこにおじゃまさせてもらっておるのじゃ。』


意識の中?自分の体を見てみると・・・ない。やっぱりない。なんとなく体がないのは気づいていたけれど・・・。

あの時、光の中で私は死んでしまったんだ。という事は私は死後の世界にいるのだろうか?

っ!マスターは助かったのだろうか・・・

『あの・・・マスターは、一緒にいたあの人はどうなりましたか?』


強い光は上下左右にフワフワ揺れていたが、やがて止まって話し出した。

『うむ、その前にお主と世界の状態を簡単に説明しておくとしよう。気づいておろうがお主の体は消滅した。が、お主の意識、まあ魂と言った方がいいかの、は魔石 に取り込まれた状態じゃ。これはほれ、お主が強く願った結果起こったんじゃが・・・』

そう言うと光はフワフワとあっちにいったりこっちにいったり、何か考えるかのように少し大きく動いてから元の場所に戻ってきた。

『石に願いが宿り魔石になること自体は珍しいが特別なことではないのじゃ。ただお主の場合は・・・ちょっと、いやかなり特殊なケースでのう・・・(すでに魔石であったものに()()宿()()()わけじゃからな)。それはまた後で語るとしよう。まあそんな訳で魔石のお主は今地上におるわけじゃ。』


私は石になっちゃったんだ・・・。そう言えば魔石は強い願いで生まれるって聞いたことがある。でも特殊なケースってなんだろう?

自分の身に起きた事を何となく他人事(ひとごと)のように聞いているとまた話し出した。


『今回の(いくさ)の勝者はおらなんだなあ。お主たちが作ったもんは全部壊れてしまったからのう。うん?ああ、ちゃんと生き残っておるぞ、人間は。まあ、全部壊れてしまったんでまた一から作り直しておるところじゃよ。あれから200年ほど経ったが、今は村が出来始めておるぞ!』


は?200年?村?・・・私は石になっちゃって、世界は壊れて・・・200年経っちゃったってこと?なにそれ!


『これが今のお主と世界の状況じゃ。』


追い討ちが来た。冗談じゃないんだ、本当なんだ・・・ガーン!



じゃあ、マスターはもう・・・・・・・


『マスターはもういないんだ・・・・・・』

思わず呟いてみた。生きていて欲しかったけど、一緒にいたかったけど・・・しょうがないね・・・


『お主のツレ、マスターとやらじゃがの、・・・()()は今はとても遠くにおる。』


あ、いいですよ、そんな気を使わなくたって。そりゃあ悲しいですよ、泣いちゃいますよ、でもしょうがないじゃないですか。それに私、石になっちゃったんだから・・・


私の気持ちを無視するかのように光は話を続ける。

『お主があの時、神に強く祈った<守って>という願いは、お主の宿った魔石の力をヤツの体に纏わせた。その結果ヤツ自身が魔石化したんじゃよ。さっき特殊なケースと言ったが、魔石になったお主が魔石以上の上位の存在になった、九十九神(つくもかみ)になったという事じゃ。』


えっ、私神様になっちゃったの?なにそれすごくない!でも石だから動けないし!てかマスター生きてるの?


さらに話は続く。

『魔石化したヤツは直後の爆発で吹っ飛んだんだが、お主の願いには<遠くに逃げて>という願いも含んでいたんだろう。神の想いは強い。ヤツは宇宙に飛び出して星の重力圏を抜けていってしまったんじゃ。』


・・・・・・・・・・・・・。


『私のせいでマスターが遠くに・・・・』

動けない私と離れていくマスター。

ふと思った。なにもできないのに神様なんて・・・

神様はマスターを守ってくれた。でも神様は私だった。他の神様がしてくれたなら、守ってくれてありがとうって思えたかもしれないのに。なんで私は素直にマスターの無事を喜べないのだろう。会えない事を悲しんでしまうのだろう。あの時、マスターが助かってくれればなにもいらないと思ったはずなのに・・・

こんな自分勝手な私が神様なんて、なんて事するんですか、()()!!


いきなりすぎて意味がわからないし、叫びたくても声も出ない。周りに八つ当たりしたくても何もないし、そもそも体がないじゃない!!!



『ところであなたは何者なんですか?なんで私を待っていたんですか?』

少し落ち着いてきたので、聞いてみた。

もうすでに高位な存在、神様のようなものではないかとは思っているが、はたして。


『わしはこの星を見守っている者だ。お主たち人間から見れば神というものかもしれないのう。神はのう、お主のような九十九神が1000年くらい生きると新しい守護神として育ていくんじゃ。直接星の環境や生物に干渉できる権限を持つんじゃがこちらの方がお主たちのいう神に近いのだろうな。まあ、お主は守護神としてわしが目をかけたということじゃよ。』


『でも私は1000年も生きていないし、九十九神としてはさっき目覚めたばかりですよ。どうして・・・』


『お主のツレじゃよ。ヤツは今、宇宙いると言ったじゃろう。今や光の速度で進むヤツの時間はこっちの時間とは進み方が違う。宇宙にも神がいるんじゃが、宇宙の守護神になるには1万年の年月が必要なんじゃ。しかしヤツはお主の加護を受け守られておる。こっちの200年の間にヤツは1万年どころか何百万年の時を過ごすことになるんじゃ。こんなことは言いたくないが、宇宙の神の方が星の神より上位なんじゃ。上位の神に加護を与える九十九神など存在せん。そこでお主はこれから神にならなくてはならない、というわけじゃ。』


は?


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