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星の想い  作者: 景虎
新たな魔法神
13/51

魔石と魔導具

魔導具と魔道具の表記を魔導具に統一しました。

目が覚めると寝かされていて、カーラが横にいた。


「サクヤ様がこれを飲めって。」

そういって例のおちょこを差し出してきた。

1000年熟成の神酒だ。

横に目をやるとジェシカがサクヤ姫に怒られている。


「ありがとう。」そう言っておちょこを受け取り、サラッとした神酒を半分くらい飲んだ。

ん?昨日より薄い?・・・気がする・・・

それでも一瞬で体調が整って、落ち込んでた気分も良くなった。

「なにそれ!ちょっと味見させてくれない?」

カーラが興味深そうにおちょこを見ている。

「いいわよ、サクヤ姫が作った1000年熟成の神酒だって。」

「ふうん?」

カーラはおちょこを受け取って残った神酒を飲み干した。


「なにこれ、すごい!ねえ、すごくない!」

カーラも気分が上がったみたいでやや興奮状態だ。

「なんかすごいことができる気がするわ!」

そういうとカーラは指を前に向け、「えい!」と気合を入れた。

!!

ドンッと反対側の壁に小さな穴が出来た。

「「!!!」」

二人はビックリした顔で目を合わせた。

「私もできるかな?」

手のひらにつむじ風をイメージすると今度はしっかりと出来た!

少し大きく、とイメージしてみると・・・

みるみる大きくなって強風状態だ。

慌てて小さくなるようにイメージするとボールくらいの高圧縮の玉が手のひらで暴れていた。

思わず両手で押さえ込み壁に向かって放り投げた!


ガガガガッッ!ドガーーーンッ!


土煙りが落ち着くとそこにはえぐられたような螺旋状の大穴が開いていた。

「何だ?!何が起きたっ!」

怒られていたジェシカが叫んだ。

ジェシカは後ろを向いていた、というより顔を垂れていたから見えていなかった。

一方この状況を見ることができたサクヤ姫はボーっとした顔で開いた穴を見つめていた。

「ら、螺旋丸・・・」

サクヤ姫はキラキラした目をしてそう呟いた。


破壊状態を確かめるように螺旋の穴を調べていたサクヤ姫が尋ねた。

「エミリーさん、どのくらい飲んだの?」

「は、半分くらい・・・」

目の前の出来事に理解が追いつかず、ボーっとしたままそう答えた。

「 10倍に薄めた半分でも魔法が暴走しちゃうのね。」

サクヤ姫は考えるようにその場で行ったり来たりしていた。


しばらくした後、サクヤ姫はふうっとため息をつくと決心したようにステッキを持って、エミリーに渡すとこう言った。

「やっぱりニンジャより魔法少女よね!」

「意味がわかりません!」

「えっ?螺旋丸といえば偉大な木ノ葉のニンジャの必殺技じゃない!いずれは里の長になるオレンジの少年の冒険物語。友情、努力、勝利の全てのキーワードを持った名作よ!」

「ちょっとなに言ってるかわかりません。」

サクヤ姫は異世界の物語に夢中だった。


結局、暴走し始めたサクヤ姫を止めたのは皮肉なことにジェシカの神撃だった。

「はっ!」

我に返ったサクヤ姫は暴走前に考えていた魔力の制御方法を今起こった事実と合わせて説明してくれた。

サクヤ姫の推論はこうだった。

魔法初心者の私には膨大過ぎる魔力がコントロールできない。だから魔法力がEのままらしい。コントロールのヒントはステータスのMPの欄にあった、オーバーレブと要魔導具の補足文字。


「オーバーレブってなあに?」カーラが質問した。

「オーバーレブっていうのは魔力に関して言うと必要以上の魔力を出してしまうことよ。

エミリーさんは魔力を出そうとすると全開以上に魔力放出してしまうから魔法そのものが耐えられなくなって消えてしまっていたのね。」


魔法に直接魔力を送ると魔法が発動しないため、魔導具を介して魔法を使えばいいのではないか。具体的には魔法のステッキを魔導具にしてステッキから魔法を使えばいいのではないかと考えたようだ。

ステッキに求められるのは魔法使いの意思に合わせた魔力コントロールと馬鹿げた魔力に耐えられる耐久性だ。魔力コントロールには魔力制御の機能を付与させた魔石が必須、耐久性は例えばカーラの祠のような神格化したもので作るか、ステッキ自体を神格化するまで祀ってもらうかが現実的な方法みたいだ。


「なんか時間がかかりそうな話ね・・・」

「そうだなー、作ってたら1000年くらいかかるよなぁ。」

「・・・・」


自動絶対防御(オートフルガード)についても問題があると言う。

まず攻撃の大小に関わらず全ての攻撃に対してオーバーレブ状態の魔力放出で全力防御をするっぽい。

その結果MPが大量放出し意識が飛んでしまったらしい。普通は気分が悪くなるくらいな感じらしいけど私は普段の魔力が多いので体のバランスが崩れてしまうみたいだ。

ジェシカの神撃の結果による考察だ。

「だけど良かったわ、この程度で済んで。」

サクヤ姫はホッとしたように言った。

「もし魔法力がEじゃなかったら、発動魔法が強過ぎて周り一帯を吹っ飛ばしていたわ・・・」

サクヤ姫には怒られてしまったが・・・いろいろわかって役には立ったようだ。後でお菓子をあげよう。

そしてオーバーレブによるMPの無駄な大放出は問題だが、フルガードはMP消費が激しく実用的ではないので攻撃力に応じた防御力発動ができるように訓練する必要があると言われた。


「とりあえずこれを持って!」

サクヤ姫はステッキを差し出した。

「??」

「このステッキはもともと魔力コントロールの練習用に作ったの。ステッキは持つと魔力が循環するように設計させた魔導具なのよ。もちろん石は飾りじゃないわ。普段は魔力を貯めておけて魔法発動時には必要な量を供給してくれるようにした魔石を使っているの。練習用だから大きな魔法には耐えられないけどエミリーさんの魔力は少なくなっているはずだからこのステッキなら魔法を使うことができると思うの。」


ただの趣味じゃなかったんだ・・・



手にしたステッキを前に出して集中すると魔石が明るく光り始めた。腕からステッキに不思議な感覚が流れているのを感じた。しばらくして魔石の光が落ち着くと今度は戻ってくるように感じた。


もしかしてこれが魔力の流れなのかしら?


風のイメージをすると指先の時よりも大きなしっかりしたつむじ風が現れ、すぐに小さな風の玉になった。

風の玉は安定していてステッキを動かしても離れることはない。

ステッキを軽く振ってみる。玉を放るようにイメージして。

あんなにしっかりくっついていたのにいとも簡単には離れていった。

風の玉は軽く放ったからスピードもなく壁に向かって飛んでいって、ぶつかった。

そしてそのままの状態で地面に転がっている。

「???」

「エミリーさん、ステッキに戻るように念じて!」


「戻れ。」と言うとスッとステッキに戻ってきた。

またステッキを軽く振った。次は壁の破壊をイメージして。

風の玉は同じようにゆっくり壁に向かっていき、今度は派手に壁を破壊した。

「ウフフ。」ふと思ったことが簡単にできて嬉しくてニヤケてしまった。

「ムムム。」カーラは難しい顔でこっちを見ていた。


「これでも十分だと思うけどこのステッキじゃダメなの?」

「普通の人ならこれで練習出来るんだけど、エミリーさんの普段の魔力量にはステッキ自体が耐えられないと思うの。」

「ううー、でもステッキ作るのって1000年くらいかかるってジェシカが言ってたし・・・」

楽に魔法コントロールができる道具があるのに使えないのか・・・ガッカリ。


ちょっとガッカリしていたらサクヤ姫がにっこりしてこう言った。

「まず、ステッキ作るのは置いておいて、このステッキで練習出来る方法を考えましょう。」

「出来るの?!」

嬉しい提案に思わず叫んでしまった。

「えええっっ?使えるの??」

隣でカーラが何故か盛大にガッカリしていた。


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