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店の入り口から見える、5分ごとにくるトラムの車両を30回ほど見送ってから、そろそろ彼女がこないんじゃないかということに気付いた。その間、コーヒーのカップは少なくとも4回はウェイトレスのお盆に載っていたし、ガトーショコラは3/4ほどフォークの侵略に耐えたのち微動だにしなかった。携帯はタイプライターと化しており、トラムとの間には幾層もの扉が存在しているように感じられた。


外に出る理由は幾らでも考えつく。そろそろ何かを胃袋に入れないといけない気がしていたし、バーでビールを飲んでも許される時間帯になってきたし、スーパーで何か買い物をすることも一週間に最低2回は行われなければ暮らしていけない。


どうにかして扉を繰った僕は、どこに行けばいいのかそれなりに途方にくれた。何の考えもなしにあの無味乾燥なアパートに帰ることも気が引けた。そこら中にあるカフェももう特には僕を歓迎していないように感じられた。


いつもの逃げ先は本屋だ。本だけは僕に語りかけない。文字はいつも僕の頭の中だけに存在して、都合のいいときだけその言葉を発してくれる。


夜になり、眠気だけが全てを受け入れる。それだのに、どうしようもなく目が冴えて、僕は眠れないのだ。。。

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