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旅路
降りた時に、後ろを向けることが嬉しい
君の姿を、波行く中で確認するのが嬉しい
どこかを見ていた君が、ふと僕を見る姿
景色が止まる最中、君だけが存在るのがうれしい
13時間のフライトは僕を違う時間に置き去っていく
窓から見える変わらない線路は僕を同じ場所に連れ込んで行く
いつもと違う景色は僕を君にみちびいていく
帰れないことが嬉しい
繋がらないことが嬉しい
君が居ないことが嬉しい
止まって眺められる孤独が嬉しい
ここに僕は来たんだ
ここに君はやはり在なかった
戻るためにここに来た
心を置き去りにして、僕は旅路を帰る