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第2章 10話 労働力!


「『アナライズアイ』ふむふむ。魔力は全然ですが、筋力体力知力中々強いです。これいい配下を手に入れましたね」

「こーーーこーこーー」

 ミニゴーレム達に囲まれる俺。


「うん、何て言ってるか分からん」

「私は語学スキルを習得しています!」

 優秀だなーハクは。


「ふむふむ、生んでくれてありがたき幸せ。魔王様のために身を粉にして働く所存と言ってますね」

 た、頼もしい。弱いとか思ってごめん。

「俺は魔力切れだ……魔王城に戻ろう」


 焦げ臭い魔王城に戻るやいなや、倒れこみ魔力供給。

「あー充電中……生き返るわー」

「こーこここ、こーー」

「こここ?こー」


 何かこーこー聞こえる。何話してるんだろう? 俺の悪口かな?

「壁を心配してます。からの、壁を僕達で直そうか、どうしようか、出過ぎた真似かもよなどと話しています」

 いい子達……目頭が熱くなる。

「ぜひお願いします! 魔王様は只今動けません! と伝えてくれ!」

 目を閉じたままハクに言う。


「ここここ! ここーベルこーワロスこーこ! ヘタレこここ」

 ハクが身振り手振りでミニゴーレムに話す。要所要所で小馬鹿にされている気がするのは気のせいだろう。


「ここ? こ、こここ」

「「「「「こーーー!」」」」」

 何やら話がまとまった様だ。


「何て?」

「素材を集めて来る係と道具を作る係など決め壁制作するようです。がんばるぞ!おー的な事言ってます」

 役割分担までして……何て使える子達なんだろう。


「暗くなる前に帰って来いよと伝えてくれ」

 方々に散っていくミニゴーレム達。何だか眠くなったので一眠りする事にした。

 トントントン、と言う音に起こされた俺はどれくらい寝てたのだろう? 一時間くらいかな。音がする方へ目を擦り起きて見てみると俺が作る壁より綺麗な木の壁が1枚と扉一枚が出来てる。


「何てこった! 凄いじゃないか!」

 まるで寝て起きたら靴が出来ていて喜んでいるどこかのおじいさんみたいだ! あのおじいさんもこんな気持ちだったんだな。


「ふふふ、いい労働力を得ましたよ! 私の夢。快適空間へ爆速で近づいている感じがしますよ!」

 大興奮なハクは丸太に乗りお茶をすすっている。するとミニゴーレム達でなにやら問題が起きたようだ。

「ここーこー?」


「見よう見まねで壁は出来たがこっちの壁のように固定出来ないっと訴えてますね」

 ふふふ、そりゃそうだろう。何たって俺様のチート能力で地面にくっつけているのだからな!

「大分魔力も戻ったし壁固定しちゃうか! ここに持ってきてくれ。そうそう」


 力持ちなミニゴーレム達自分の何倍もの大きさの壁を運んでいる。

「オーライオーライ! ストップ! よし『ピッタンコ』っと」

 地面と横の壁にもくっつけバッチリ固定された。


「これであのアマにやられた所も修復され扉まで出来て! 優秀な労働力も手に入れて最高だな!」

 ハクの通訳で照れているミニゴーレム達。

「ふむふむ? そうですか?」


「ん? 何だって?」

「魔王様と一緒に魔王城で寝泊まりするのは畏れ多いので、自分達の家を作りたい、許可をお願いします。と」

 しおらしい。ハクとは大違いだ。これだよ! これが魔王と配下のあるべき関係じゃないのか? マントよこせとか言わないよ? この子達は!


「もちろん許可する! どこでも好きな所に作るといい」

 しばらくすると小さいめな家が魔王城のすぐ脇に出来た。俺はその家を『ピッタンコ』で家の僅かな隙間をくっつけ強化し魔王城化した。その頃には辺りは暗くなっていた。

「『プチプチファイ』」


 ハクに火をつけてもらい焚火を楽しむ。炎はいい、安心する。あそうだ、ティティーに貰った果物でも焼いてみようかな。

「ベル様、この調子で配下を増やした方が魔王城建設に役立つのではないでしょうか?」

 うえ、不味……このバナナ的な果物だからいけるかと思ったけど、ないわ不味すぎる。


「そうだな。あの女魔法使いが仲間を集めるてやっても来るからな。戦力的なのも必要だしポコポコ作ってみるか」

 興味深そうに俺の焼きバナナ的な物を見ている、ミニゴーレム達においしくないからあげたら喜んで持っていた。あれを食べるのだろうか? 次はこのリンゴ的なのを焼こう。


「さすがにまだ来ないよね? 冷静に考えると怖えーよな。刃物やら何やらを持って殺しに来る奴らがいるって」

 あー考えると本当に怖い、今日寝れるかな?


「あの女魔法使いのコミュニケーション能力次第でしょうね。まあ? あそこの小さい街ですよ? そうそう強い仲間が集まるとは思えないですけどね?」

 何かフラグを立てるような事言ってるハク。


「おいおい! そう言う事いうと、激つよな勇者とかが来るんだよ! 俺の死亡フラグ勝手に立てんな! それとお前感覚バグってるからな! あそこの街全然小さくないよ!?」

「バグ!? あんなくらいの街サタン様なら一分足らずで消せる程度ですよ!」


 サタンさんに仕えていた時期が長いからか、ハクは脅威を図り損なう悪癖があるようだ。


 もう寝よう! 明日はめっちゃ強い魔物作ろ! 扉を開け魔王城に入り寝転がる。

 ……ふう、星がキレイだな……星を眺めながら寝る何て凄い贅沢……

 あ違う、屋根出来てねーんだ。



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