表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トーキング フォー ザ リンカーネーション  作者: 弐屋 丑二


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

104/1587

超展開

珍しく昼前に起きた。

寝室から出て、自室通路の窓を見ると、雪雲に遮れた太陽の位置が

かなり高い。

「……珍しいな」

寝巻きのまま、リビングに行くと、誰も居なかった。

冷蔵庫から食いものと飲み物を引っ張り出してきて

モソモソと食べる。

たまには人が誰も居ないのもいいもんだな。

リビングのテラスの窓から、パラパラと振り出した粉雪を眺める。

虚無の王、残り二十三体の使徒、ザルグバインから教えられた遺跡群。

美射の正体……。

まぁ、何よりも今は氷の女王だな。

とは言え、それも明日以降の話だ。今から必死こいてもしゃあないわけで。

そんなことをグルグルと頭の中で考えながら

俺は遅めの朝食兼昼食を食べ続ける。

冷蔵庫に入れられていた食物は冷えているが、部屋の中は暖かいので

まぁ、ちょうどいい感じだ。

ああ、そう言えば午後からミサキや仲間たちと領地視察だな。


ボーッとしていると

いきなり部屋のドアが開けられて

襟に白いフリフリがついたやたら豪華な貴族服に縄が何重にも縛られた

丸々と太ったおっさんがリビングに投げ込まれる。

そのまま転げてソファの前まで来たおっさんと

目が合ったので、顔をまじまじと見てみる。

豊かな金髪は左右に分けられよく整えられている。

猿轡のされた口の上についている口ひげも整えられて両端がピンっと立っている。

ふむ……貴族だな。金持ちだわ。上級国民というやつだな。

と思っていると

ドバッとライーザとアルデハイトそして、大老ミイとザルガスも入ってくる。

さっぱり事情がわからない俺は間抜けな顔をしたまま

「おお、ザルガス、ちょっと見なかったけど元気だった?」

とりあえず挨拶した。

「おお、旦那ひさしぶりです……ザルグバインの大将はほんと惜しい人を……」

と言いかけてザルガスは

大老ミイと目を合わせて、

「今はそんなことを言ってる場合じゃないんですよ」

と転がった男を横目で見ながら、ソファに座り込む。

アルデハイトも俺の隣に座った。黙って話を聞くようだ。

「このライーザの姉御が、昨夜、中央山内の街々を見て回ってたそうです」

と恐ろしい目で男を踏みつけているライーザを指差す。

「深夜の散歩か。いいなぁ」

幽鬼なのであまり寝なくても良いのだろう。

「それで、この不届き者を見つけたそうです」

俺の対面側のソファに座った大老ミイが汚らわしい者を見る目で

男を見つめる。

「……誰なんですかこの人?」

「マイケル・ラファエロ・サクラメント三世。ローレシアンの上級貴族です」

「長い名前ですね……」

「で、ですよ。こいつゴルスバウ王国と通じてたんですわ!!」

ああ、完全に忘れてた。そういえばローレシアンの南側にいかれた敵国があったわ。

「王都内の高官の家に大量の暗殺者を放って、一気に首都制圧しようとしていました」

ライーザが冷たい目で男を見つめながら言う。

「……ううむ。それはちょっと問題だな」

人間の暗殺者ごときに、殺されるような仲間はいないだろうが

他の高官やら軍事指導者は武術の達人ばかりでもないだろうしな。

「いかが為されますか?私の手の内のものが発見したのならば

 内々に拷問にかけ、情報を吐かせた後に処刑するのですが……」

大老ミイかそう訊かれる。うわっ。何かいきなりこわい話になったぞ。

とは言え、国家運営なんてことをしていると

そういう汚い仕事もあるんだろうとは薄々と分かってきているので

大老ミイを批判する気はない。

「で、ライーザの姉御が良案があるんだとさ」

ザルガスが丸々と太ったマイケルを踏みつけているライーザに発言を促す。

「聞かせてくれ」

「この男に取り憑いて、情報を吐かせたあとに、ゴルスバウに亡命させます」

ライーザは厳しい顔で言い放つ。

「……それから?」

「ゴルスバウの内情を偵察してくる。可能ならば国内の奥深くに喰いこんで

 ゴルスバウという歪んだ国を正していきたいです」

「可能なの?」

「まったく問題ない」

ライーザはそれだけ言うと、俺の目を見つめる。

「元々クラーゴンさんとは、ゴルスバウ侵攻で連係すると言ってたよね」

「そうです。それに今の私ではモルシュタインや氷の女王戦では役に立たない」

ライーザは二の腕から先がない自らの右腕を見る。

確かにモルシュタインも「両手あってこそのライーザ」みたいなことを言っていたな。

「じゃあ、先行して潜入することになるわけだ。

 わかった。行ってきてください。でも気をつけて」

「かたじけない」

そう言うとライーザは、いきなり転がっている男の猿轡を取り去りキスをした。

うわっ、え、ちょ、と思っていると、そのまま男の身体の中に吸い込まれていく。

そして自らの力で縄を引きちぎった丸々と太った男は、

「運動不足だな。少し鍛えてやるか」

と言い放ち、

「では行ってきます。大老ミイ様、情報を洗いざらい吐かせた後に

 各種通行手形など頂けますか?」

と丁寧にミイに頼み、快諾した大老ミイと共に部屋から出て行った。


寝巻きを着替えて、洗面などした俺は

テーブルを囲んだソファで

残ったザルガスとアルデハイトと雑談をする。

「起きられなかったのはライーザさんがタカユキ様の生命力を

 吸っていたからなのですよ」

「ああ、そうだろうな。真夜中から大立ち回りして、百人近い暗殺者達を

 追跡して成敗したらしいからな」

「そうなんか……よほど、大変だったんだろうな」

「ザルガスさんは、領内の様子などはどうですか?」

「ああ、落ち着いてるよ。問題はザルグバイン様の居なくなった一段目の領民だな」

「そうか……一段目は、そうだったな……」

「旦那誰か居ませんかね。俺たち、元盗賊団は三段目と二段目の統治で手一杯で、

 これ以上人裂けねぇす」

「大老ミイがもう適任者見つけてるんじゃない?」

「それがそうでもないようなんですわ。俺らさっき相談されましたから」

「私も聞きましたよ。タカユキ様のお仲間で優秀な方が居ませんかと」

「統治能力がある仲間か……」

しばらく俺は考える。ミーシャたち二人はまだ早い。

アルナは統治能力ないだろうし、第四王子と会わせなければいけない。

マイカはこれからも近くで補佐して貰いたい。

他の仲間たちは異種族なので大老ミイが首を縦に振らないはずだ。

ルーナムはさすがに本人が断るはずだし……サーニャくらいしか……。

「サーニャさんかな……」

「良いかもしれませんね。マイカさんの完全支配下にありますし……」

アルデハイトが微妙に怖いことを言う。

というかマイカの完全支配下だと何が良いのだろうか……。

言うこと聞きやすくなる的なアレか……。

「元八宝使用者の綺麗なおねぇちゃんですね?大丈夫なんですかい?」

「うん。統治能力や、戦闘力的にも、人格的には問題ないと思う」

「氷の女王戦には連れていくんですよね?ならばその後ですか」

「そうだな。そういうことになるよ」

とは言え、何が起きるかは分からない。

予定通り行かないことの方が多いのだ。

「分かりました。さっそく大老ミイ様に提案してきます。

 じゃ、午後からは領土内で会議もあるんで、これで」

ザルガスは俺に頭を下げると、すばやく部屋から出て行った。

なんか完全に領主代理が板についてきたな。偉い人みたいだ。

とその様を見て思いながら

「そろそろ。女王様が仕事終える時間じゃない?」

「そうですね。タガグロさんが執務室についていらっしゃいますよ」

「行こうか」

物騒な話があったので、彗星剣と霊刀を腰と背中に帯刀して

ついでに寝室からザルグバインから受け取った巻物を持って行く。

アルデハイトも本太郎を寝室から持って来て、脇に挟む。

よほど気に入っているようだ。


アルデハイトと地図を見ながら、女王執務室に向かう。

裏庭や高級士官用食堂や執務室までの使い慣れたルートについてはかなり慣れてきた。

そろそろ地図が要らなくなるかも知れないなと考えながら

二人で隠しエレベーターに乗る。

すっかり修復が終わっている女王執務室前の通路に出て

扉を開けて、執務室の中に入る。

「今、終わったところです」

俺たちの顔を見たミサキがニッコリと微笑み、

判子を突き終わった書類をトントンと音をさせて整理していく。

「たっくん、よう寝てたな。大丈夫?」

と心配するタガグロに事情を説明する。

「そうか……ライーザさん、ゴルスバウに潜入するんやな。本国に報告してええかな?」

「いいんじゃない。女王様どうですかね?」

「問題ないですよ。同盟国ですから。何よりタガグロさんを信用しています」

「こっそりやればいいんですよ。そういうのは」

アルデハイトが微笑む。その脇に挟んだ本太郎が、俺の手にもっている巻物を

食べたそうな気配を出しているのは気のせいだろうか……。

タガグロもそれに気付いたらしく。

「たっくん、その巻物何?」

と訊いて来たので、再び説明する。

「そりゃ、本太郎に喰わせた方がええかも」

「……そう思う?一応、大事な遺品なんだけど……」

「昨日食べさせたロ・ゼルターナ神全史の情報と、もしかしたら……」

「くっ付けて分かり易いように、説明してくれるんだろうか」

「見せましょうか?本太郎さん、ロ・ゼルターナ神についてお願いします」

アルデハイトが本太郎をパラパラとめくって、

白紙の中身にゆっくりと滲んで出てきたロ・ゼルターナ神の情報を皆に見せる。

「おお、分かり易くなってる……」

「読みやすいですね。子供でも理解できそうな……」

確かに昨日見た情報で必要な部分だけ、綺麗に開かれた二ページに纏められている。

「虚飾や嘘は嫌いなので、綺麗に削るのだそうです」

自慢げなアルデハイトが鼻を膨らませて説明する。

「……喰わせてみるか……」

「ええと思うよ。絶対、無駄にはならんでしょ」

「ドキドキしますね」

客用のテーブルに置かれた本太郎の隣に古びた巻物を置いてみる。

するとあっという間に、口を開いたようになった本太郎が

ムシャムシャと巻物を食べつくした。

「う~ん、ふるぅてぃー」

一言呟いた本太郎は、再びゲップをすると動かなくなった。

「しばらくかかるの?」

「そうですね。半ワンハー(時間)くらい放っておいた方が消化に良いかもしれません」

「じゃ、とりあえず食堂でご飯食べよか」

「さんせーいっ。お腹すきました」

アルデハイトは本太郎を布袋の中に入れて大事そうに抱えた。


四人で士官用の食堂に行くと、ちょうどお昼時で満席だった。

「席をお譲り致しましょう」

「ご相席どうでしょうか」

という多数の紳士淑女の好意に皆で丁重に断って

弁当を作ってもらうことにして、しばらくそれを待つ。

「襲撃後もここは変わらないですね」

「そやね。よかったわ」

「どこで食べる?」

「中央山第三段でいいとこ知らない?」

「モーラさんのお屋敷の中から、綺麗なお庭を見ながらとかはどうでしょうか」

「雪降ってるからな。いいかもしれないね」

「そんなところがあるのですか、楽しみです」

「一応知っとるけど、会うのは初めてやわ」

「驚かせてやるか」

「確かに要人だらけやもんね」

雑談していると、バスケットケース一杯の弁当を渡されて

「こいつは皆の感謝の印です」

と高そうなワインとジュースも一本ずつオマケしてもらった。

ちょっと困りながらも、素直に受け取って礼を言い、

裏庭へと行く。


アルデハイトに先行して飛んでもらい、誘導装置を埋めてもらうことにして

俺たちは十五分ほど停まっているゴンドラの中で待つことにした。

「今度はロ神から呼ばれんやろな」

「もうさすがに無いだろう」

「私はいつかもう一局対戦したいです」

「ミサキちゃんさすがやなーうち、もうコリゴリやわ」

話していると時間になったので

「我移動せんと欲す。ローレシアン 中央山三段目」

俺がゴンドラ内から文言を外に向けて言うと

今度はすぐに光の線が伸びてきた。

全員でホッとしながら、ゴンドラの扉を閉めて

上昇していくその中で、景色を見たり雑談をする。


そのままゴンドラは王都上空を通り、

さらにゆっくりと光の線に沿って中央山三段目の街の上空を進みながら下降していく。

そしてモーラの屋敷の噴水が流れている中央に着地した。

「ううっさむっ。何か急に吹雪そうやな」

タガグロが着ているジャケットの前を閉める。

「そうですね。風邪をひく前に室内に入ったほうがいいかと」

ミサキも荒れそうな空を見上げて心配そうにしている。

執事やメイドたちを引き連れて、駆け寄ってきたアルデハイトが

「モーラさんは会議に向かって不在だそうです。

 事情は話したので室内でゆっくり食べましょう」

「なんかザルガスがそんなこと言ってたな。同じ会議かも」

俺はズシリと重いバスケットケースを手にもって

アルデハイトやメイドたちの案内で屋敷へと入っていく。


パチパチと大きな暖炉が音を立てる食堂で、俺たちは弁当を広げて食べ始める。

外は大きな雪が降り出した。積もるかもしれない。

「食べ終わったら領地視察しますか?」

アルデハイトが皆に尋ねる。

「さむそうやろ?うちらはええけどミサキちゃん大丈夫?」

「折角ですので行きたいと思います」

「あとでコートや帽子を借りてきますよ」

「助かる。馬車かな?」

「さんせーい!馬車がええよー」

暖かいお茶を入れてきてくれた白髪の上品そうな執事に、

「あ、これ。皆で飲んで下さい」

とさっき渡された封を切っていないワインとジュースの瓶を渡す。

俺の隣では、タガグロが苦笑している。

喜んだ執事は二本の瓶を受け取って、深々と頭を下げ、出て行った。

「ちゃんと飲んでやらんと」

「適材適所じゃない?喜ぶ人たちに回したほうが……」

「真剣な善意は汲んだ方がええで?」

「そうかぁ。ミスったなぁ」

「うふふ。硬いこと言わずに。臨機応変も大事ですよ」

ミサキが収めてくれて、俺は少し反省する。

さすが皇族だけあってそういうところはしっかりしている。

アルデハイトはボソボソと本太郎と会話している。


「ふむ。理解しました。つまりローレシアン近くにも

 虚無の王の使徒の封印があると……」


「ちょっと待て、今なんか怖いこと言ってただろ」


「……ネーグライク城の遥か下に巨大な円形の空洞があって、

 そこに始原の巨兵が眠っていると……」


「えらい近い話やな……」

「氷の女王に呼応して起きると地上に出てくるので

 ネーグライク国が滅びるらしいです」

「……ということはつまり……どういうこと?」

「行きましょう!同盟国の危機です!」

決意した顔のミサキが立ち上がった。

え!?ええええええええええええええ!!??いきなり使徒と決戦!?

ちょっと待て、三段目の視察は!?

いや、ミシェルさん帰ってくるのを待った方がいいのでは……。

「……たっくん、氷の女王の前哨戦や、いこか」

タガグロも完全にやる気である。目の色が変わっている。

「アルデハイト……どう思う?」

「タカユキ様たちは、マイカさんたちを呼んできてください。

 私はネーグライク城の付近に誘導装置を埋めてきます」

「お前もすっかりやる気か……」

「勝算はあります。このページを見てください」

本太郎のページを開き、皆に見せてくる。

「ふんふん。完全覚醒する前ならそんなでもないんやな」

確かにそう書いてある。半分寝ているうちに倒せばいいのか。

しかし本太郎は便利だな。情報を統合して分かり易く提示できる様だ。

「なので今のうちですよ。起きると北と東から同時に使徒が

 ローレシアンに迫ってくることになりますから」

「分かった。ちょっとゴンドラで元関所まで行ってくるわ」

「私も行きます!」

「ミサキちゃんはお城に居た方がええんやないかな……」

タガグロが冷静に止める。

「私だって皆さんと共に戦いたいのです!!」

「人々を守りながら戦う良い訓練の機会かもしれませんね。

 皆で使徒がどんなものか見に行きましょう」

アルデハイトはあっさり許可を出す。

ちょっと興奮しすぎではないだろうか。冷静になってほしい。

……いや、もう何か急展開と言うか、超展開過ぎてついていけない。

しかし、俺が居ないと何も始まらないようなので

とりあえずは、そのネーグライクの地下に眠る使徒とやらを

見に行くことにする。


屋敷の執事やメイドたちから余っているコートやマフラー

温かい帽子などを貰い、着込んだ俺たちはゴンドラに乗り込む。

「ローレシアン公認飛行物体。大老ミイ」

の旗をつけたアルデハイトが、素早く東側へと飛び去っていく。

ゴンドラに乗り込んだ俺たちは

北にある元第一王子領の元関所までゴンドラで進み始める。

数日前に三十二に人の魔族に会った場所だ。


元関所についた俺たちは、兵士たちからマイカとにゃからんてぃの居る

本陣のある場所まで装甲車で連れて行ってもらう。

全速力で飛ばしてもらったので、一時間ほどで辿りついた。

ミサキは始めてみる景色に車の中でずっと、はしゃいでいる。

タガグロもミサキに付き合ってよく喋ってくれるので

俺はこの状況を飲み込むために、ゆっくりと考えを纏める時間ができた。


「……どうした……まだ時間ある……」

とにゃからんてぃを肩に乗せながら出てきた

軍服姿のマイカに事情を説明すると、すぐに顔色を変えて、

「……行こう……サーニャも……呼ぶ……」

と近くのテントまで走って行った。にゃからんてぃは俺の肩に飛び乗り

「イエス!!ロックンロールパーリー!!イェア!!スクラップアンドデストロイ!!」

とテンション高めににゃーにゃー叫び始める。

俺はアルデハイトから渡されていたゴンドラの誘導装置を

すぐ足元の土に埋め込む。

そして「我移動せんと欲す。ネーグライク国」と文言を言い

ゴンドラを呼んだ。スルスルと上空に光の線が伸びてくる。

アルデハイトはすでに向こうで設置を終えたようだ。

すぐに真っ白な布に包まれた双雷槍と

似たような真っ白な布に包まれた機械槍を持ったマイカが駆け寄ってきた。

ゴンドラににゃからんてぃを含めて六人で乗り込みながら尋ねる。

「クラーゴンさんにも言った?」

「……兵士……伝言頼んだ……もうここら……安定……我等……必要なし……」

「機械槍ここにあったのか」

「どうしても必要な場合、鎮圧に使おうと思ってました。

 でもとくに大きな抵抗も無く、必要はなかったですね」

軽鎧を着込んだサーニャがニッコリと微笑む。

「あ、そうだ。マイカ機械槍持ったの?」

「……うむ……使えそう……」

「使えるんかい。何か言われなかった?」


「……デビル……逆位置……言われた」


「逆位置……」

何か図書館で遭った魔族が、逆位置でたら反骨の相があるから、

殺したほうがいいとか言ってなかったか……。

「いや、たっくん、それ"囚われからの解放"とかのええ意味やから」

とっさにタガグロがフォローする。ミサキも頷く。

「なんだ。良かった」

俺は安堵のため息を吐く、そうか逆位置が全部悪い意味じゃないんだな。

光の線に繋がれたゴンドラは雪が降る中を

スピードを上げ、南東のネーグライク国へと進んでいく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ