諦めから見える新しい未来
こうして、僕の高校生活は序盤の慌ただしさから打って変わり、深会先輩とのんびりと時には真面目に大人について考える生活になっていく。
多分、今回がクライマックスな気がするので、あまり期待しすぎずに高校生活を送ろうと思う。
なんて事を考えていたソフトボールの試合の翌日の部室。
ーピピピッ
「大変よ、笹箱君。アマがセンサーに引っかかったわ。近くまで来ているようね。しっかり廊下にS-マインの用意はしてきたかしら?」
「なんですか、それ?」
というよりいつの間にセンサーなんて設置したんだろう。
「第二次世界大戦時に使用された対人地雷だけれど?」
「なんてもの用意させようとしてるんですか⁉」
完全な条約違反だよ。
「何か、おかしなことがあったかしら? あぁ、対人地雷と言っても、これは相手の行動不能を狙ったものではなくて、殺傷メインだから安心していいわよ」
「別に威力の心配なんてしてないです! 尚更駄目だし」
「アマの息の根を完全に止めれれば一人前の大人ね」
「それどこの戦場での話ですかね?」
—ドンッドン
「いるのはわかってんのよ! 十数える間に開けなさい」
伊勢さん到着したみたいですね。
「フフッ、あの完璧なセキュリティを突破できるものなんて要るわけーー」
「お邪魔します。ここが栄華部の部室ですか? 笹箱君いますー? 新作のパン作ってきたんだけど味見してくんない? 結構自信作なんだー」
部室のドアを、何もなかったかのように開けて入ってきたのは伊万里さんだった。後ろにはちゃっかり伊勢もいる。
「……そんな馬鹿な! あのセキュリティをどうやって?」
深会先輩が驚愕しているなんて珍しいな。
「えっ? そんなにレベルの高いもんじゃなかったから、待ちきれなくって適当に解除しちゃいましたけどまずかったですか?」
「何、ここに来て、その新特技⁉」
この子、天使みたいな顔して底が知れない。
「先輩、今月の攻撃まだなんですけどー」
「今月の攻撃って何だ⁉」
開いたドアからは、三星さんも謎の単語を口にしながら入ってきた。
「ミャーコちゃーん、リアルインサイダー取引ごっこしよー」
「リアルとごっこで相殺されて、ただの違法行為になってるよ⁉」
そこへ菜凪ちゃんが、何食わぬ顔で怖い遊びを提案してくる。
「あのぉ~深会先輩~、今月の部費いくらなんでも多すぎないかって校長がぁ~」
そこに、今まで見たこともないぐらい腰の低い鈴原先生がやってきた。
「ふー」
そこで、深会先輩は大きく息を吐く。
「一人ずつサクサクッと殺処理してあげるからいらっしゃい」
目が座ってらっしゃる。面倒ゲージが振り切れてしまったんだ。
「殺処理しちゃだめですよ! 僕が対応しますから!」
そんなこんなで、その日は癖のある人たちの相手に追われた。
………のんびりっていうのは、やっぱりちょっと難しそうだ。
病です。不出来な作品を ここまで読んでくださった方々本当にありがとうございましたm(__)m
当たり前の事なんですけど、なんとか描き切れて良かったです。やっぱり長編は短編とは比べ物にならない労力がかかる事を思い知らされました。
また、短編と違って頭で考えてるようにスッキリ終わらせる事が中々難しかったので次作は今回以上にプロットを頑張ろうと思います。
個人的に失敗したなと思ったところや反省点は多々ありますが、読者の皆様に指摘してもらえる事が私の一番の励みになりますので感想やレビューお待ちしております。
何度言っても言い足りませんが最後まで読んで頂き本当にありがとうございましたm(__)m