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すべての始まり
常春のカタリ
ある年の春、桜の木の下で、一人の陰陽師が生まれた。
紫の髪に赤い瞳、肌が恐ろしく白い少女だ。
彼女が地に足をつけたその瞬間、桜の花びらはすべて、紫色に染め上げられたのだという―――――。
彼女の名は、「しおう」。世界を揺るがす、天子だ。
現世
僕は、ただ普通の日常を送っていた。
僕はごくごく普通の日常を送っていた。
そのはずだったのだ。
それが、何故。
たった一つの出会いで、あのようなことがおきてしまったんだろう・・・・・・。
これは、ごく普通の生活をしていたはずだった僕が、どのようにして日常から離されていったのかを、語る物語・・・・・・・・・・・・・・・・。