写真立て
マジで短すぎます><それでも良い方はどうぞ
貴方が居なくなって早一年。
ふと、自分の部屋の写真立てに目がいく。
初めて告白した春。
笑いあって楽しんだ夏。
喧嘩をしてしまった秋。
仲直りもして、幸せだった冬。
…どれも懐かしかった。
貴方が事故でこの世を去った今でも覚えている。
また、想い出が増えると想ってたのに…。
また、貴方と幸せすぎるひとときを過ごせると想ってた。
もう、写真が増えることもなければ、想い出が増えることもない。
それだけが、私の胸を突き刺すばかり。
世界中を隅々まで探しても、決して戻ってくることのない存在。
戻ってほしいと願う私はある意味、贅沢なのかもしれない。
戻らないものは戻らない、とはっきりと言うべきなのかもしれないけれど。
私は何時だって、楽しかった日々を忘れることはなかった。
今も一応彼氏という存在の人はいるけれど、本気で好きになったのは貴方だけ。
実は今の彼氏は、凄く貴方と似ているの。吃驚するぐらいにね。
今貴方が見たらきっと卒倒すると想う。
…でも。それでも、忘れることなどなかった想い出。
いや、忘れることの方が難しかった。
忘れろ、と言われて忘れられたら其れは其れで中々凄いものだと想う。
「元気してる?」
写真にそう語りかけても、返事は返ってこない。
空の上で元気にしてる?ともう一度喋りかける。
返事が返ってこないというのを知っていながら。
一年前の想い出が全て、写真立ての中に…。