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カラータイマー三分間!?

作者: 神崎錐

チリンチリン………


「「「おかえりなさいませ、ご主人様」」」


……はい、ただ今バイトなう。


ちなみにメイド喫茶だよ。羞恥心という名の強敵に打ち勝てさえすればあとは割と時給もいいし環境も自分で切り拓くことさえ出来れば悪くない貧乏学生にはピッタリのバイトです。……ほら、やっぱりお金って必要だし、ね?


そういうわけで始めたバイト。

自分で言うのもあれだけど割と飽き性な自分がよくここまで続いてるなってくらい長続きしている。と言っても半年くらいだけどねー。まぁ大分進化した。これまでは一ヶ月以内で辞めるとかザラだったしなぁ。本当に進歩したよ自分。


そんな自分に現在進行形で訪れているピンチ。


えーっと……まぁ、あれです。察して下さい。


というわけで。



「店長!」


「なんだ」


「ちょっと休みください。五分……いや、三分でいいんです。お願いします」


「……なんでまた?」


「…………」


「……わかった。行ってこい」


「有難う御座います!」


何も言わなくても理解して下さる店長の事が私大好きです!


あぁ、そんな嫌悪感に満ちた顔も……ってそんなわけないじゃないですか。ただの冗談ですって冗談。というより思考の権利くらい自由にしてくださいよ店長。え?駄目?……いくらなんでも酷くないですか?


そんな漫才を店長と脳内で繰り広げた後に裏のトイレにゴー。とりあえず事なきは得た。女子がこんな事言うもんじゃない?アハハッ…………ナニソレオイシイノ?


ジャー


ガチャッ


「ふぅ。………ん?」


扉を開けると、そこは教会でした。


ついでになんか神父っぽい人も居ました。金髪碧眼…………どう見ても外国人ですありがとうございました。


「……………………」


「…………間違えました」


バタン、カチッ。


「………………」


え?…………何だ今の。咄嗟に扉と一緒に鍵まで閉めちゃったけど………ハッ!もしかして彼氏欲さに遂に幻を…………いやいや、私の好みは金髪碧眼の王子様系モヤシイケメンより黒髪黒目の騎士様系ガチムチイケメンだから見るならきっとそんな幻のはず。え、ならさっきの人は一体…………。いや、現実なわけないよね。だって私さっきまでバイト先で働いて「開けて下さい!」…………いた、よね?


ガチャガチャッ!


「開けて下さい!」


…………(∩ ゜д゜)アーアーキコエナーイ。




数十分後…………。




「開けて下さい!」


「誰が開けてなるものかぁぁあ!!」


はい、只今奮闘なう。

あれ?何か前も同じ事言った気がするな?気のせいかな?気のせいだよね。よし、自己暗示終わり。

ちなみにこの扉、内開なため現在必死で押さえ付けてます。予防に。

そう、実は私の防衛線のメインはなんと!私がなんとなくかけた鍵!!

後で知ったんだけど、なんか鍵かけたら拒否の印ってことで体当りとかしても開かないんだってさ。凄いよね!しかもなんか扉を閉め続けて三時間で扉は元通りになるらしいよ。ちなみに全部扉の向こうの神父さんからの情報だよ。馬鹿だよね!


とりあえず私はこの最後の砦が破られないように頑張って押さえつけていようと思います。って、鍵の摘みが動いてる!?


「この鍵穴、銅貨がぴったり嵌る………。やはりこの銅貨がこの扉を開ける鍵……!勇者様!今そちらに参ります!!」


な、なん、だと…………!

私が大好きなお金がまさかこんなところで敵になるなんて…………!!


くそ、こうなったら意地でも摘みが動かないようにしないと……!


唸れ私の腕力!って何これ力強すぎね!?これが火事場の馬鹿力ってやつだったり?あー……そういえばなんか言っ「勇者様!我が国は現在魔王の進撃により壊滅状態に陥りつつあるのです!どうか、どうか貴方様のお力をお貸しください!!」てたっけ。しかしごめん。


「今バイト中だから無理!」


そして私には稼いだお金で大学生活を謳歌するという使命があるのだ!こんなところで召喚されてる場合じゃないんだよ!


あれ?てか確か休み時間三分しかもらってないよね私。ええっと、最低でも三時間は閉めっぱにしてないと扉戻らないんだから…………………ヤバ。


どうなっても首コースだこれ。


「嗚呼ぁぁあぁあ!!」




終わり。(むしろ終われ!)




 







作者 神崎錐


発案者 母


 


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