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奇跡

作者: まゆ

「遅いなぁ・・」

寒さがしみる12月・・・


ある日の出来事・・・




俺には彼女がいる。

すっげぇ可愛い彼女。舞。

同じ学校で同じクラスで学校じゃ

一番ラブラブのカップルだと思ってる。


舞は

おっちょこちょいで

見放せないって言う感じ




今日は舞と放課後デート♪

部活が終わってくる舞を待つ俺。

いやー幸せだねー(笑)



タッタッタッタ


あ、来たかな?



舞「ごめん!!健吾待った?」

「ん、全然待ってないよー」

舞「寒かったじゃないの?本当に待ってない?」

「全然!むしろ舞のためなら待てます」

舞「もー!!ありがとッ★」

「いーえー♪」


待たされても怒らない!!

これが彼氏ってもんでしょ!!

ま、彼女限定だけどね。



「今日、どこ行きたい?」

舞「んー、特にないな〜」

「んー、じゃぁ・・・映画!!見ない?」

舞「今から?」

「んー、遅いとだめかな?」

舞「へーき!!何見るの?」

「僕の彼女は空の上!!」

舞「あ!あの感動するやつだ!!」

「そうそう。彼女が事故で死んでも、彼氏は天国の彼女を愛し続けるって言うやつ」

舞「あたし、超見たかったンだ!!」

「まじ?」

舞「うん!!!」

「よかったー」

舞「じゃぁ、健吾行こう行こう♪」

そう言って、舞は俺の冷たくなった手を引いて

走り出した。



舞の手がめっちゃ暖かくて

俺は寒かったのすら忘れるような感じがした。




映画館

映画終了


舞「ちょ〜〜よかったぁぁ・・・」

「お前、何ないてんだよー」

舞「だってー、超よかったじゃーん」

「ま、あいつの思いは俺が舞への気持ちに変えて現在進行形だから」

舞「意味わかんないから!」

「まー、俺は舞を死なせませんから!天国に行っても、連れ戻すから」

舞「あははッ!ありがと!そうして!でも、あたし事故んないから!」

「お前、おっちょこちょいだもんー。ちょっとした不注意でさー・・」

舞「ないない」

「馬路なー・・気をつけろよ?」

舞「りょおーかい♪」


俺らはクリスマスのイルミネーションの中

手を繋いで

こんな会話をして歩いた。


明日はクリスマス・・・

舞ともちろん過ごすつもり。


でも、プレゼント・・まだ決めてねーんだよな。


「なー、舞ー」

舞「んー?」

「ほしいものある?」

舞「ディズニーランド」

「そりゃ、無理だわ」

舞「だろうね。マイケル○ャクソンじゃあるまいし」

「それ、ネバーランド」

舞「あ、そうだった!でも、1日貸切にしたんだよ」

「馬路で?」

舞「うん」

「あー、それでも無理だわ」

舞「うそうそ。あたしはねー、健吾とオソロのものほしい」

「オソロのもの?」

舞「うん。身につけられるものでー」

「うんうん」

舞「いつでもつけられるもの!」

「なんでー?」

舞「だって、気持ちがつながってるーって感じするじゃない?」

「あぁね!」

舞「健吾は?」

「俺ッ?!」

舞「うん。」

「俺かー・・・」

特にねーなぁ・・・

「特にない」

舞「なにそれー」

「ん、考えとく!」



気が付けば

空は真っ暗。。

さすが12月



「あーすっかり暗くなっちまったな・・」

舞「冬だしねー」

「お前、帰れる?」

舞「へーき!へーき!」

「心配だなー。。」

舞「大丈夫!しっかり歩くから!帰ったらメールします!」

「待ってるからな!」

舞「うん!じゃぁ、またあしたね!」

「おう!じゃーな!」





そう言って俺らは別れた。


7時。。

あ、クリスマスプレゼント買ってこうかな・・

オソロのものか・・・


指輪?

ネックレス?

ブレス?


んー

身につけられるものってそこんとこ?


でも・・

舞的に指輪かな?



俺は行き着けのアクセショップに入った


んー

こんだけペアリングあると悩むかも。。


店員「ペアリングお探しですかー」

「あーそうなんす、クリスマスプレゼントに」

店員「あぁね!ある程度デザインとか決まってるんですか?」

「いや、まったく」

店員「あー、なら彼女のイメージとか考えたらどうですか?」

イメージ?おちょっこちょい・・

だめじゃん!!


あ、可愛い系!

キレイともいえないなー

可愛いかな?


「可愛い系・・かなぁ・・」

店員「あ!なら、これはどうですか?」


見せられたのは

淡いピンクのラインが入ったのと

淡い青のラインが入ったペアリング。



あ、可愛いかも!!


店員「これはラインの部分がこの色の石なんですよ」

「これ、ください!」

店員「結構早く決定したのねー」



ふふん♪

いいのめっけた!

気に入ってくれるかなー?



ルンルン気分で

クリスマスに舞の喜ぶ顔が見たくて

待ち遠しい・・・



家にて・・・

「おせーなー!」

舞からメールが来ない事に俺は不思議を感じていた。


あれから1時間。

もう家には着いたはずだ。


遅れてるにも遅すぎる。





その時

携帯がなった。



着信:梓



梓?

なんでー?



「もすもすー」

梓「もしもしッ!健吾?!」

「どっどーしたの?梓」

梓「今すぐ、総合病院きて!」

「へッ?」

梓「舞が!舞が事故ったの!」

「はぁ?」

梓「はぁ?じゃなくて!早く!」

「ううん、わかった!!」



プツッ




は?

舞が事故った?

さっきまで一緒だったじゃん?

え?




俺は

北風が吹く中

チャリンコ飛ばして

病院にいった。



バタバタバタバタバタバタ・・・・



「ハァ、ハァ」

梓「健吾!」

裕樹「健吾が来た!」


「舞は?!」

梓「今、親族以外面会謝絶なの」

「え?」

美香「見てた人の話によると、飛び出た子供をかばって代わりに車に引かれたんだって。」

「今は?」

裕樹「意識不明の重体だって。。」

「え?意識不明?・・・」


梓「今夜が・・山だって・・」


待てよ。

さっきの話がよみがえる・・・



“「まー、俺は舞を死なせませんから!天国に行っても、連れ戻すから」

舞「あははッ!ありがと!そうして!でも、あたし事故んないから!」”


俺が連れ戻さないと!

あいつ。。おっちょこちょいだから

こっちに帰ってくる方法わかんねぇかもしんないじゃん。



「すいません!入れてください!」

舞の病室に入る看護婦さんに頼んだ

看護婦「ごめんなさい。親族以外だめなのよ」

「お願いしますッ!!!」

俺は土下座して頼んだ。

「舞を呼び戻したいんです!!」


看護婦「でも・・・」


その時病室が開いた


「健吾君・・」

「おばさん!!」

舞母「入って?看護婦さん、この子を入れてちょうだい」

看護婦「はい、わかりました。」

「おばさん!ありがとう!」

舞母「わたし、旦那に電話してくるから・・」



病室にベットがひとつ

紛れもなくそこで寝ていたのは

愛しい舞。


お前、さっきまで笑ってたのに

なんで呼吸器なんかつけてんだよ・・


なんで包帯ぐるぐるなんだよ・・・


なんでこんなところ居るんだよ!!



涙があふれてきた。



「舞!舞!おきろって!舞!」







その頃、舞は・・・


ここ・・・どこ?

一面真っ白な世界

どこへ行っても真っ白な永遠の世界。



あたし、なんでこんなところ居るの?

ママは?

パパは?


・・・健吾は?


さっきまで一緒に居たのに。。


どこに行ったの?





舞・・

舞・・・



健吾?

健吾が呼んでる・・・

どこに居るの?

健吾!



「健吾ぉー・・・」



早く出たいよ

健吾に会いたいよ

健吾に・・・




舞・・・

舞・・・



健吾!どこ?




思い出した・・

あたしはさっき車に引かれたんだ。。


あたしは死んじゃったの?

あたしは・・・健吾やみんなに会えないの?




健吾「俺が舞を連れ戻す」



健吾・・連れ戻して!



舞!!かえってこいよ!



健吾!どこ?


どこ?




神様!

もう一度健吾に会わせて・・



「健吾ぉ・・・」





ピク・・

「舞?」


舞が目をうっすら開けた。。


舞「け・・んご?」

「舞!俺だよ!わかる?」


ガラガラ

「おばさん!舞が!」


舞母「舞?舞!!わかる?」

舞「マ・・マ?」

舞母「舞!よかった!お医者さん呼んでくるわね!」



「舞!!お前、どこ行ってたんだよ・・」

舞「ちょっと散歩・・」

「馬鹿!!どんだけ心配したと思ってんだよ!!」

舞「健吾・・泣かないでよ・・あたしは戻ってきたよ。健吾が連れ戻してくれたんだよ」

「俺・・が・・?」

舞「健吾があたしを呼んでくれた。」

「約束・・した・・じゃん・・」

舞「うん・・あ、今、何時?」

「12時」

舞「あ・・クリスマスの日になっちゃった。。あたし、何も買ってないや。。」

「いらない」

舞「え?」

「俺・・舞がいれば。。何もいらないよ」

舞「健吾・・」

「はい」

舞「ん?」


舞にさっき買った指輪を見せる


舞「ゆ・・びわ?」

「うん、プレゼント」


左手の薬指につけた


舞「可愛い・・」

「だろ?」

舞「ありがとう・・」



「これからはいなくなんなよ」

舞「うん」





外にはキレイな粉雪が降っていた。。

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