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俺と友

This Story Is Fictin―この物語はフィクションです。実際の人物、団体、事件などには一切関係ありません。

季節は夏。俺にとってこの季節が一番楽だ。なぜか。理由はごく簡単で、我が実の姉で俺の人生の最大の汚点、ぐうたら格ゲーの神、川里春の昼飯を作りに帰らなくていいからだ。夏は俺と姉にとっては最大の敵だ。なぜかと言うと、我が家にはクーラーはもちろんなく、扇風機は節約のためにかなり暑い時以外使わない。ほとんどの日は自然風で涼んでいる。そこで姉は去年から夏場の平日は毎日プールで一日中泳いでる。だから俺は自分の分の弁当のついでに姉の弁当を作るだけで済むのだ。休日は何をしているのかと言うと、俺と姉は家にいないことが多い。二人とも涼む場所を探しに出かける。姉は自分の金でネカフェに居ることが多い。一方の俺は、

「なぁ、夏輝。お前、去年から日曜になると毎回うちに来ないか?」

高校時代の友達、走馬灯の家にいた。ちなみに走馬灯は走馬が名字で、灯が名前。冗談抜きで。

「まぁ、堅い事言うなよ、走馬。お前の家がいいんだよ。クーラー付いてるし。茶は出るし。おまけでお前はいるし。」

「俺はおまけかよ!」

「冗談だよ。」

でも、実際高校の時はよくパシリとして扱っていた。

「夏輝。お前の家にもクーラーつけろよ。今年の夏はかなりつらいぞ。」

「お前が電機代とクーラー買ってくれてくれたらいいよ。」

知ってのとうり、うちにはクーラーを買う余裕も、クーラーをガンガンにつけた電機代を払う余裕もない。

「あとさ。」

「しつけ―よ。走馬。何?」

「春先輩は何処にいんの?」

ちなみになんで走馬が姉の事を知ってるかと言うと、姉は俺と走馬が行っていた高校の先輩だったのだ。走馬の言葉どうり。

「ネカフェにいると思う。けど多分会えねぇよ。」

「いや、行く気はないぞ。でもなんでだ。」

「鍵閉めて寝てると思う。」

なぜかは分からない。でも結構贅沢な使い方だ。

「何故!?Why!?意味が分からない!てかなんで知ってんの!?」

「前に電話をかけてみたが出なくて、家に帰ってきて聞いてみたら寝てたらしいぞ。」

それも毎回。金ないの何してんだか。・・・金あるから行ってんのか。

「かなり贅沢なネカフェの使い方してんのな。」

「あぁ。我が姉ながらすごいと思う。」

もはや尊敬の領域だ。それよりなんでだろうか、腹がすいた気がする。

「それにしても腹へったな。てかもう昼だわ。どっか食べに行こうぜ。おごるぜ。」

「言ったな。マックのビックマックのセット。おごれよ!絶対に!」

こうして俺達は近場のマックに移動することになった。


「そんでさ~、こっからどうするよ。」

走馬はもうチーズバーガーを食べ終えていた。俺はいまだにおごってもらったビックマックを食べている。うまいけど食べにくい。

「どうするって、お前の家に帰るに決まってんじゃん。ただでさえ暑いのにうろつくかよ。」

暑いのには慣れてるが。ただ、昼間はあまり暑いとこにいたくない。夜暑いから。

「そんなこと言わずにさ。そうだ、御袋が駅前のプリズムってとこのプリンがうまいとか言ってたな。駅前近いし行こうぜ。」

プリズム・・・プリズム!!マジで言ってんのかこいつ。俺はもうあそこには行き飽きてる。てか、俺もうあそこの常連だぜ。

「いや・・止めようぜ。俺は一刻も早く次の涼み場所に行きたい。」

てゆうか、プリズムに行くのだけは避けたい。

「確か、プリズムって店は俺んちより近いぜ。そんじゃ決定だな。立て。行くぞ。」

自分で地雷踏んだ!!ここのマック一回も利用したことないから知らなかった。


「んでっ、プリズムってどこだ。」

「知らなかったのかよ!!」

冬だったら激怒もんだぞ。暑いから突っ込む気はあるけど怒る気は起こらない。

「あぁ。知らない。お前が知ってると思ったから。」

こいつ、秋だったらぶん殴ってるぞ。だがもういい。ここまできたらもう走馬の家に帰るよりも、プリズムに方が近い。早く涼める。

「とりあえずここ、どのへんだ。」

ここら辺には来たことがないから走馬に聞くしかない。

「桜田四丁目だ!」

「OK、OK。って、はぁ!?今、桜田四丁目って言ったよな。」

ちなみに、現地点から駅前のプリズムまで歩いて20分弱した所にある。確か、昼を食ったマックは桜田三丁目支店。逆走してきたみたいだ。

「走馬。とりあえずそうゆうことは店を出るときに行ってくんない。」

「すまんな。お前が逃げると思って。」

俺は走馬にはめられたことになる。俺も勘が鈍ったもんだ。

「はぁ。春だったら殴ってたぞ。おい。」

「春先輩だったら殴るの!!実の姉を殴るの!?」

ごすっ!!

俺の拳が走馬の右頬をとらえて鈍い音が鳴る。

「季節の方だ!季節!ほら行くぞ!」

走馬は殴った頬をさすりながら俺の隣につく。そして、プリズムに向かう。


「ただいまぁ~。」

午後5時。あの後、俺と走馬は20分弱歩いてプリズムに到着。走馬は親に頼まれた分だけだが、俺は買わなくてもいい姉の分まで半強制に買わされてしまった。疲れた俺は30分弱歩いて帰宅。今に至る。

「おかえり~。」

いつもどうり、春の気の抜けた返事が返ってくる。

「プリズムに走馬と行ってきたついでに春の分のプリン買ってきたぞ~。」

「ありがと~。あとで食べるから冷やしといて~。」

「おぉ~。」

んっ?なんか違和感を感じる。そうだ!いつも、どんな時でもプリズムのプリンにがっついてくるのに、今日に限ってがっついてこない。どうしたんだ?

「夏輝!!」

「はいっ!」

ビシッ!っと背筋まで伸ばしちまった。だっていきなり大声出すんだもん。

「夏輝!!旅行行くよ!!」

はい?この人は何は言ってるんだ?

読んでくださいましてありがとうございました。また次話でお会いしましょう。

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