姉の凄さ
This Story Is Fiction―この物語はフィクションです。実際の人物・団体・事件などには、いっさい関係ありません。
「お~し。10連勝!余裕、余裕!」
我が姉ながらすごいと思う。ナンパされて格ゲー勝負を持ちかけてから5分もたたないうちに10連勝してしまっている。
「くそ!なんでこの女こんなに強いんだよ。」
しかたがない。その人は格ゲーに置いては存在自体がチートになる。実際たまにチート使うし。
「はっはっはっ!そんなんじゃ春さんは倒せないぞ~。」
この言葉、10戦目でチート使いやがったな。家でもこの言葉を言うときはチート使ってんからな。
「お兄さん方、ドンマイです。それじゃここで。」
「ちょっと待てよ!」
なんか、すごいガン飛ばしてきてるんですけど。なんすかねぇ~。
「よくも俺をコケにしてくれたな。」
なんか目的変わってるし!えっ!?姉をナンパしに来たんじゃないの?
「いたいみてもら・・・」
「すいませ~ん!従業員さ~ん!こいつらゲーム壊しました!」
「春!?」
その言葉で男が使っていたゲーム機に目を向けてみる。ボタンのところがほんとに壊れてる。
「ちょっ、何してるんですか!事務所まで来てもらいますよ!」
「待て!俺は壊してないっ・・・って、お前らどこ行くんだ!おい!。」
速攻で従業員に連行された。対戦したひとりだけ。あとの二人は逃げたようだ。
「壊したのはあんたでしょ~。自分のしたことは認めなきゃ~。」
隣で姉が連行した男に向かって叫んでる。壊したのはあんたか。
「疲れちゃったから外出て喫茶店かどっかで休憩しよっ!」
「あ、あぁ。」
姉に連れられゲーセンを出て、姉の行きつけと言う喫茶店へ移動。
「いやぁ~。久々にやったけど腕は落ちてなかったわ。よかった、よかった。」
「そりゃよかった。でも、あんなことは金輪際なしの方向でお願いします。」
俺はコーヒーを、姉はミルクティーを飲みながらゲーセンでの事を話す。
「ところでさ、ゲーセンのゲームでどうやってイカサマできるんだ。」
「えっ?イカサマなんてしてないよ。やだなぁ~。夏輝は実の姉を疑うの?」
「実の姉じゃなかったらどうする?」
「えっ?それじゃ、私と夏輝は血が、」
「繋がってる姉弟だ。」
「だましたな!夏輝!」
そのあとはギャーギャー言われたがそこは無視でコーヒーを飲み続ける。
「それで、これからどうする。俺は財布持ってきてないぞ。」
「これな~んだ?」
その手には俺の財布が握られていた。
「お前まさか、俺の金で、」
「それはないから安心して。」
だよね。さすがに人の金を使うような人じゃないか。
「それじゃ、どこ行こうか!」
「そうだな。食べ歩きでもするか?」
「太るから嫌だ!」
「即答かよ。」
てか、あんなぐうたら生活してよく太らないな。
「それじゃ、帰るか。」
「えぇ!そんなのつまんない。」
「人の休日を取ってその態度は何だ。」
「ぐぐっ。」
さすがに引き下がるか。それからまた、コーヒーを飲み始める。姉もミルクティーを飲んでいる。だが、無言だった。しかも、結構淋しげな顔をして。
「はぁ。分かった。もう少しだけゆっくりしていこう。」
「ほんと!!」
いきなり光沢のように輝き始めた。どんだけ嬉しいんだよ。
「あぁ。少しだけな。」
「やったー!!」
もう、どっちが年上だか分かんないよ。
その後俺達は少し和んでから買い物をしに行った。俺はほとんど荷物持ちだったが。そんなこんなでまた俺の休日がつぶされた。まぁ、楽しかったからいいか。
読んでくださいましてありがとうございます。また次話でお会いしましょう。