表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/104

響く余韻、轟く悲鳴

土日も更新予定ですー!

73話


「おーーーーい!」


「ゼェ…………ゼェ…………おお、ジョセフ…………」


 激戦で乱れた息を整えつつ、声のする方を見ると、

ジョセフが走ってくるのが見えた。


「ジョセフ君!」

「生きててナニヨリ!」


 リョウとティグが、嬉しそうにジョセフの方へと

駆けつける。


「それは小生のセリフだ。4人とも、厄災相手に

よくぞ無事で…………それに、討伐してしまうとは、

友人としての誇りと、差を付けられたことの衝撃

で、何とも言えぬ気持ちだ」


「でも、普通の群れの時に、ジョセフの補助魔法が

役に立っていたから良いんじゃない?」


 ミュールがレッドドラゴン戦以外の戦果で、

ジョセフのメンツを保とうとした。だがなぁ、


「いいや、コイツは厄災戦の立派な率役者だぜ。

なぁ!」


 お前らが見てねぇ所で、コイツはシゴトを

していたんだぜ。


「バル氏が小生の目の前に駆けつけてきた際、

ありったけの音属性を、身に纏わせはしたが

…………それだけであるぞ??」


「"それだけ"のお陰で、野郎の鱗をぶった斬って、

あまつさえ討伐出来たんだよ」


「あっ! 首元で爆発したあの攻撃って、ジョセフの

補助魔法で強化したお陰で、あの威力が出たの!?」


「おうよ、にしてもジョセフ、あの一瞬でよく完璧な

動きを出来たなぁ!」

『バシィ!!』


 特に策を練っていた訳じゃなかった為、判断力を

称える意味も込めて、ジョセフの背を叩いて褒めたぜ。


「ゲホッ! ゲホッ!…………いや何、この戦の開幕や、

赤鬼の奇襲時に、バル氏が振動で攻撃の強化を行って

いるのを見てな、厄災相手でも、もしかしたら音を

介してダメージを与えられると思ったのだ。小生の

読みが運良く当たって、何よりだ」


「ソイツを"直感"って言うんだぜ。この勝利で、俺らは

また一歩、最強に近づけたな!」


「うむ…………!! こんな莫大な経験値を…………小生にも

分けてくれて…………!! ッありがとう…………グスッ!!!」


「お、おいおい…………なーに泣いてんだよ…………!?」


 最大限褒めたつもりが、ジョセフは泣き出したので、

困惑しちまった…………。


「バルディ君、嬉し泣きだから大丈夫だよ」


「作戦完了後に詳しく話すけど、彼を含めた補助魔導士

たちは、経験値を分けられない事が多々あるのよ」


「んだその仁義外れは? んな畜生共はデバフをかけて

やれ!!」


 どうも、特に二流以下の連中には、仁義外れの

畜生が多いような気がする。俺が見つけた時は、

ケンカで思い知らせてやれるが、それでも奴等は

目ざとく腕っぷしの弱い奴を見つけては、畜生行為

を繰り返すんだよなぁ。


「…………ジョセフはバフ専門だから、デバフ使えない」


「なら拳で思い知らせりゃ良い!!」


「良いな、ソレ!」


 やっぱ、拳こそ至高だ。決めたぜ、作戦完了後に

コイツらも修行場に連行だ! 筋肉を鍛えて、拳の

キレを爆増だぜ!


「何でもかんでも、暴力で解決しちゃダメよ」


「でも、正しい心のサポーターが、肉体も強くするの

は悪くないと思うよ。僕の心が正しいとは思わない

けど、1死霊術士として、身体能力が役に立っている

自覚があるんだ」


「フフッ、リョウは心も正しいわよ」


「だが、これくらいの身体能力で満足するのは、俺が

許さねぇ。俺様とのガチケンカの約束を果たすまで、

筋トレをサボることは許さねぇぞ」


「勿論だよ! レオンさんや皆が居なきゃ、僕はレッド

ドラゴンに焼き殺されていた。だから、これっぽっち

も満足できていないよ。また、バーベルの補助を

お願いするね!」


「任せろ!」


 始めて会ったときの前が見えているか分かんねぇ姿

は、最早殆んど思い浮かばねぇなぁ。


 1月で戦士並の腕にデカくしたリョウを見て、俺は

そんなことを思っていた。


「ソウダ、バルディの前に、俺とケンカしよう!」


「良いねそれ。全力で挑みたいから、手加減なしで

来て!」


「勿論! ヒニチ、何時にする?」


「そうだね…………」


(私は…………、リョウは今くらいの筋肉が良いと

思うなぁ…………)


 各々、つかの間の休息を取っていた時だった。


『5人とも、レッドドラゴン討伐おめでとう!』


「おう、一歩テメェに近づいてやったぞ」


 ワイルドが急に、声をかけてきた。雑談だけじゃ

ねーだろうな。


『こんな時に悪いけど、戦士以外の3人にヘルプを

頼む!』


「あん? 俺らも動けるぞ??」


 ゴリ押しなら、俺様を誘わねーのは筋が通らねぇ

だろ。


『バルディとミュールは、更なる襲撃に備えて主力

として残ってもらう。この中で連携も一番得意な

組み合わせだからね』


「(表にカルロスさんが居るが、裏も守れってことか?)

わーったぜ」


「3人とも、生きて帰ってきてね」


「勿論だよ!」

「俺ら、ツヨイ!」

「リョウ氏とバル氏のケンカを見納めるまで、

死ぬわけにはいかんからな」


『では、頼むよ!』


 ワイルドがそう言うと、3人は真下に出現した

謎ゲートに落ちていった。相ッッ変わらずシュール

なんだよなぁー。


「っ…………」


「バルディ、全身の…………特に脚の内出血、ヤバイん

じゃない? ポーションで回復したら?」


「そーだn…グッチャグチャ!!」


 腰に着けたポーチに腕を突っ込んだところ、割れた

ガラス片と湿り気を覚えた。


「まあ、あんなに激しく、衝撃波を浴びながら

動いたら、こうなるよね」


「全くだ。ミュール、1本くれ」


「私も殆んど壊れちゃったな…………。はい」


「サンキュ」


 俺はミュールに貰ったポーションを一気に

飲み干した。


「…………殆んど回復した気がしねぇな」


「かすり傷回復用の一番低級な回復ポーション

だからね。けど、これじゃあ私も火傷を治し

きれないわね」


 ポーションを飲むミュールを良く見ると、全身の

所々に軽度の火傷が見える。


「お前…………相変わらずの全回避してなかったか?」


「ブレスの直撃は免れたけど、熱波で火傷したわ

熱耐性を上げる胸当てじゃなかったら、かなり

ダメージを受けていたわ」


「機能性最重視なだけあるな。マジな意味で戦士の

模範だぜ」


「そうよ。生き残ってなんぼなんだから♪」


「っと、そろそろ監視に集ch…」

「キャアアアアアアアアアアアッッ!!!」


 ついつい話し込んでいたので、モンスターの奇襲を

警戒しようとしたのだが、耳をつんざくような悲鳴が

聞こえてきた。


(この声…………ハル!!)


 そして、その声は、隣家のボンクラに襲われた時

以上に痛ましい、ハルの声だった。


「お父さんのうめき声も聞こえたわ!」

「今行k…」

「「「キャアアアアアアアアアアアッッッッ!!?」

」」


 ハルの元へと向かおうとした瞬間、別の方向からも

痛ましい悲鳴が聞こえてきやがった。


(ヤベェのはアッチかよ!!)


 ここ最近の音速体験によって、さっきの声が村の端

から聞こえたことが分かった。つまり、付近のハル

よりヤバイ状況かもしれないって事だ。


「向こうは私g…!?」


 速攻で両方を助けねぇといけねぇ。だったら、


「ハルを頼むぜぇ!!」

『ドォン!!』


 ミュールをマッハで投げて、実家に送り届ける。

そんで、


「オラァァアアアア!!!」


 直線最速の俺様が、全速力で助けに行くのが最適解(サイテキカイ)

ってやつだよなぁ!!


「(見えた!)うおおおおおおおおおお!!!」


 走ってる途中も声で音を蓄積する。後一度の音操作

で、俺のMPは尽きる。そして、両手斧も壊れる。

だが、それで助かる奴が居るなら、名誉の武器破損

だと言えるよな?


 実家にはミュールが向かったんだ。直ぐに身一つで

向かえば、ハルや親父が死ぬことはねぇだろう!


 倒れた人影、逃げる人影に群がろうとする雑魚共に

狙いを定め、俺は薄い飛ぶ斬撃に蓄積した衝撃波を

乗せて放った。

最後まで御覧くださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ