気違威ヲ借ル小悪党ドモ
久々にアーロンのアルティメットゲスムーヴを
書きました~~。
47話
「売り上げ寄越せぇ…………」
「はっ、はいぃ!」
『ズチャッ!』
アーロンに命じられたサニーは、金貨が入った袋を
テーブルに、勢いよく置いた。
「…………何だこれは? 貴様らには奴隷を付けさせて、
労働の効率化を行った筈だぞぉ…………?? 何故金貨
300枚しか換金出来なかったぁあぁ!!!」
「「ヒィイッッ!!」」
サニー、フォールの両兄弟は、アーロンの怒号で
更に萎縮した。
「侍の分際で、剣術はカス! 故に、光の速さで
貴様らを上回った私の後ろ楯を与えてやった!
その対価に、力を用いないシノギで稼いでいるの
だろう?」
「お、おお、おおおっしゃる通りですっ!!」
「クレインに力を上回られっ、命を狙われるように
なった我々はっ、アーロン様の力によって守られて
いますっっ!!」
そして、見事と言える揃いぶりの、土下座を
見せつけながら、自らの不甲斐なさを躊躇なく
述べた。
「そうだぜぇ…………。クレイン…………あの女は屈服
させれば、素晴らしい性奴隷になるぞぉ。今までは
本業が忙しかったが、幸か不幸か今は充電中ぅ。
人気が無いタイミングで、一瞬にして我が寝床へ
連れ去ってやろうぞぉ…………クックックック」
一方のアーロンは、2人の発言をこれまた見事に
スルーし、下劣な妄想に浸っていった。
「お、おお…………遂に、あの女を無力化出来るの
ですねっ!」
「流石はアーロン様! 強く、そして明哲であられ
ますっっ!!」
「そうさぁ! 俊秀な私は、立場を保ちつつもぉ!
狙った獲物は、逃さない」
「その上、男すら惚れかねぬ眉目秀麗さを持たれる!」
「まさに、神々から授かりし天与! 返す光は、
神の後光!!」
最終的には、2人がアーロンを褒めちぎり、
アーロンは煽てに乗せられるのだった。
「さぁてぇ、私の予定は確定したことで、お前達の
予定も言い渡さねばなぁ。ノルマ-50%の罰は
重いぞぉ。即ちぃ、普段の3倍の金を掘ってこいぃ
いぃっっ!!」
「「!!」」
アーロンが怒号で命令を下したと同時に、2人の
表情は真っ青に変色した。
「これがぁ、無能である君達に相応しぃ、ペナルティ
サッ!」
「ご、御命令を…………」
「承りました…………」
「それじゃ、下がってシノギに邁進ね~」
「「はっ!」」
こうして、アーロンとツカハラ兄弟は別れた。
『ガチャリ』
「…………さぁてぇぇえ、人ん家の壁に通路つくってぇ
ぇええ、覗き見してる奴ぅぅぅうう!! 死にてぇ
のぉお??」
兄弟が完全に外出した瞬間、アーロンは俺が覗く
双眼鏡を横目で睨み、ほぼ全ての人間がひれ伏す程の
威圧を放ってきた。
「薄汚い盗人ごときがぁ、俺の家と絵画を器物破損
するなぁ!!!」
そして、光の速度で間合いを詰め、絵画の目線を
水平に両断した。
「!!、…………誰も、居ないだとぉ…………!?」
~魔窟・ダークホール最深部~
「さて、アーロンからは、これ以上何も出てこない
だろうな」
俺は、アーロンが光速移動を発動させる大分前に、
双眼鏡を引っ込めて回廊も閉じていた。
現在は、地球の海上ごしに、"スキル : 異世界
観察"の効果で、異世界に居るアーロンの困惑ぶりを
観ているのだ。
「…………その双眼鏡を入れている穴から、凄まじい
殺気を感じたぞ」
異世界に在る俺の耳に、女性の声が聞こえてきた。
「はい、アーロンが泥棒に家の絵画を壊されたと
勘違いして、キレました」
「…………これ程までに、恐ろしき殺気は、生まれて
初めて感じたな(…………しかも1枚の絵を壊された
だけで、この強さだ。金貨何枚の絵なのだ?)」
俺の圧倒的説明不足により、クレインさんは主に
絵画の価値を勘違いしてしまっていた。が、この間
にも、俺はアーロンの背後から水をかけたり、足を
滑らせたりした。その結果、
~アーロンの小屋~
「こそ泥の分際でぇぇええええ!!!」
アーロンは、無意識下から襲い来る嫌がらせに
我を忘れ、居る筈の無い盗人を殺そうと、無数の
斬撃を繰り出したのだ。
『ガラガラガラガラガラ!!』
小屋でここまで暴れつくせば、家屋全体が崩壊
するのも無理からぬ話だ。
姑息で陰湿な嫌がらせに見える今のちょっかい
だが、嫌がらせ以外の目的も持って行った。
「「ヒィイィィイイーーーーーー!?」」
ツカハラ兄弟を、いち早くアーロンから遠ざけ
たかったのだ。全速力で走らせたいなら、背後の
キチガイに暴れてもらうのが手っ取り早い。
これで、あと数分もすれば、"アーロン関連の
ヒソヒソ話"をできる距離まで離れる筈だ。今の内
に、盗聴用の極小召喚をセットだ。
~魔窟・ダークホール最深部~
「それで、アーロンと奴等はどう動こうとしている?」
「はい、アーロンはキチキチガイガイで…………」
小屋での出来事を説明した。
「…………成る程な、漸くクエスト進行は停止して、
修行浸けになるべきか」
「俺も、そうするのが良いと思います。…………おっ?」
説明を終えた瞬間、ツカハラ兄弟の方が、復讐
成功率を左右しうる会話をし始めたのだ。
「クレインさん、奴等、アーロンを倒すための罠を…………」
「…………そうか、これは有効活用する他ないだろうな。
ギルドに戻ろう、暗黒竜の素材は既に解体済みだ」
そういって、大きい方の荷物箱を渡してきた。
「…………はい!」
一瞬、この荷物箱との思い出を回想しつつ、
元来た道を戻り始めた。
そして、1週間後。古びた金鉱山にて…………
「ワイルド、これまでの協力を感謝するぞ」
「はい。杭が残らないことを祈ります」
凄惨な斬り合いが勃発する。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。




