表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/104

追い縋りし召喚士

11/16 ものすごっっく放置してすいません!

    本日深夜から明日夜にかけて、何とか

    1話更新予定です!


 海、星の生命を重量比で表すと、大体9割程の

生物が、海洋生物になるといわれている。


「海で出くわすのは初めてだな」


 小型の魔法船に乗っている召喚士が、目の前の

対象に呟いた。その召喚士を良く見てみると、とても

召喚士とは思えない程、筋骨隆々な体格をしている。


『グルルルルル…………』


 目の前を阻む存在は、そんな召喚士すら(かす)んで

見える。


「ブルードラゴン。レッドドラゴンやグリーン

ドラゴンと並び、出会った人物はほぼ確実に死ぬ

ことから、不幸の象徴とされる。ここ1ヶ月ほどは

遭遇してなかったけど、こうして(まみ)えたってことは、

俺ってやっぱり不幸なのかもな」


 召喚士が述べた通り、目の前を阻む存在は、"厄災"

と表現するに相応しい、SS級のドラゴンだ。加えて

ここは水上、陸で無双の冒険者であっても機動力は

船に依存し、攻め手も陸上と比べると相当に少ない

のだ。


 これを不幸と呼ばずして、どう呼べようか。

…………だが、


「…………いいや、あの外道達との日々を思えば、この

出会いは不幸なんかじゃないな」


 手短に過去回想を終えた召喚士の表情は、"不幸"

という言葉が全く似つかわしくない明るさを放って

いた。


『グオオオオオオオッッ!!!』


 しかしそうなると、目の前のドラゴンが今にも

高圧水流を放とうとしているこの状況が、不自然に

見えてくる。


 召喚士の明るい表情は、求めていた死を得られる

安らぎなのだろうか? 或いは…………


「SS級ドラゴンと出会う度、俺は確実に強くなった。

君との出会いは、そう…………幸運だよ!」

『グオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!!』


 ブルードラゴンの口から、高圧水流が放たれた。

その速度は、実に音速を超えている。


大召喚(ビッグゲート)!!」


 しかし、高圧水流の放出と同時に、召喚士の眼前に

巨大な回廊が出現した。回廊は、高圧水流を余すこと

なく飲み込んだ。


「ブルードラゴン、俺の勝手な気持ちの押し付けだが、

言わせてもらうね。ありがとう!」

『!!?』


 回廊が消えたと同時に、ブルードラゴンは驚愕した。

肉体的に何一つ驚異にならない眼前の生命体が、無傷で

余裕を見せながら、何かを呟いていたからだ。


大召喚(ビッグゲート)海底(マリアナ)攻城砲(キャノン)!!!」

『』



 "ドッッッパァァァァアアアアン!!!!!!!!"


 召喚士がブルードラゴンの頭上に門を開いた刹那、

彼らが居た地点を中心に、海が波打った。


 仮に上空3000m程からこの光景を見れば、

(みな)()水滴(すいてき)を落とした時のような()(もん)の広がりが

見えただろう。


「ふぅ、船が数百mは吹き飛んだな。ソロで活動

していて良かったよ」


 数十秒の空中遊泳を経て、俺は今回の幸運を

噛み締めていた。


「A級昇格クエストの帰りに、3体目のSS級ドラゴン

と遭遇するなんて、本当に幸運だ。肉を持ち帰ったら

皆、喜ぶだろうな~~」


 頭から胃にかけての全長の3割ほどを複雑に圧迫

してしまったが、俺はブルードラゴンから取れる

素材を余すことなく取得した。


中召喚(ミドルゲート)旋風(ハリケーン)加速(ターボ)!」


 そして、重たくなった船を進めるべく、()を張り、

帆の真後ろに座標固定した回廊から、ハリケーンの

周囲の旋風を召喚して、動力補助に利用した。


 因みに、ブルードラゴンの高圧水流は、とある

反社会勢力の本部の破壊に利用した。現在進行形で

警察による取り押さえが起きているな。


~20分後・冒険者ギルド~


「リズさん、ただいま~!」


「うわっ!? もう帰ってきた!」


 熊獣人の受付嬢・リズが、とても受付嬢とは思えない

対応で、俺を出迎えてくれた。


「はい、早めに遭遇したので、早々に倒して帰って

きました」


「た、確かに海竜・リヴァイアーの新鮮素材で間違い

ありません…………相変わらずの早業ですね、ワイルド

さん…………」


 A級昇格クエストを1時間未満でクリアする。俺が

前代未聞のタイムアタックを成し得た事を、リズは

信じれなかったが、"取れたての証拠品"を提示した

とたん、直ぐに納得してくれた。


「あ、そうそう。実は昨日、懐かしい物を見つけたん

ですよ」


 俺はそういって、ブルードラゴンの牙を取り出した。


「ぶはっwwwww ブッ!! ルルルルーーードラゴンの

牙ァァ!!?」


 案の定、良いリアクションが見られた。


「ええ、若き日の祖父の武勲です! 俺もいずれ、

そうなりたいものです」


「きっ、きっと…………ワイルドさんならっ! なれます

よっ!」


 驚かせたお詫びとして、爆音コオロギのバター炒め

をお裾分けしてから、A級の身分証明書を貰い、修行場

に戻った。


「ただいまーーー!!」


 修行場に戻ると


「ふんっ!! ふんっ!!」

「ワンモアッッ!!」


 青い短髪の剣闘士が、赤髪オールバックの斧戦士の

鼓舞を受けながら、3tのバーベルでデッドリフトを

行っている。


「おおおおおおっ!!」

(見える…………見えるぞっ!!)


 茶髪を1本結びにした女格闘家の連続攻撃を、

黒髪の死霊術士が的確に避けている。


「負けてたまるかぁーーー!!」

「僕だってぇーーーーー!!」


 緑髪セミロングの女槌戦士と何故か荷物を背負って

いる、おおらかそうな重歩兵が、全速力で短距離走を

行っている。本当に互角だ。


 ……………………そう、俺達の修行場には、今や大勢の

冒険者達が、研鑽すべくたむろしているのだ。


「来たか、ワイルド。クエストの結果は聞くまでも

無さそうだな」


 女侍・クレインさんが出迎えてくれた。


「はい、無事に昇格しました!」


 俺は新たにした身分証を見せながら、合格を報告した。


「フッ、ならばその(きゅう)(くつ)な敬語を使うのはやめたら

どうだ? 拙者とお前は今や対等だからな」


「いえ、俺個人としてあなたに敬意を抱いているので、

そのままの話し方で居させてください」


 俺自身がアースヒーローズと違うことを示したい

という理由で、受けた恩を忘れないように敬意を

払い続ける。見方によっては自分勝手かもしれないが、

やはり止めるわけにはいかない。


「あっ、ワイルドコーチ!」

「おっ、まーたデケェお土産もってきやがったな!」

「流石です! ワイルド様!」

「おかえりなさい!」


 お馴染みのバルディ達もこちらへ駆け寄ってきた。

…………そして


「「ワイルドコーチ!」」

「「ワイルドコーチ!」」

「「おかえりなさい!」」


 その波紋は、徐々にトレーニング中の冒険者達

全てに広がっていき…………


「「「「ワイルドコーチ! おかえりなさい!!」」」」


 遂に全員が俺を半円状に囲んだ。絵面は完璧に

集団リンチの寸前だ。


「あのさぁ~~…………俺が帰ってくる度に、大集合

するの、そろそろやめようぜ??」


 そう、何故か分からないが、俺は彼等に(した)われて

居るらしいのだ。

最後まで読んでくださりありがとうございます。


これにて第2召が終了です。反省点は山ほど

ありますが、3召から、いよいよ皆の復讐が

トントン拍子に成し遂げられていきます。


…………そして、十数話後位に、本命のショウの

雪辱が、第4召として行う予定です。


お た の し み にっっ !!!


「ニャ~~ン♪」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ