超感覚マリアナスナイパー
第2部開始!
9/4 本日もちょっと遅れます…………
「ギシャアアア…………」
「残念ながら、君だけは避けては通れない運命だったよ」
眼前には、一匹のリザードマンが立っている。
ショウは戦闘態勢を取った。
『ダダダダッ!!』
リザードマンは、棍棒を振り上げながら
駆け出した。1時間前のショウなら、
近づかれたら一貫の終わりだ。…………しかし、
今は違った。
「座標・マリアナ海溝。極小召喚・海底狙撃」
『バスッ…………』
「ギシャ…………」
一瞬だけ出現した召喚の回廊から、超超高圧水流が
放たれたかと思いきや、リザードマンの頭に風穴が空き、
苦しむ間もなく生き絶えさせたのだ。
「…………相変わらず、凄まじい貫通力だな」
約200gの海水は、リザードマンを貫くに
飽き足らず、幾重もの岩壁をも穿ち抜いていた。
「さて…………」
『コツン…………』
ショウはブーツの踵を床に当て、その音の
跳ね返りから、周辺のモンスター達の動きを
読み取った。所謂エコーロケーションだ。
反響定位レベル8があってこその芸当だ。
「少なくとも、この先を道なりに進んでいく
道中で、3体との戦闘は避けられないようだな」
つまり、その他のモンスターは避けていくことを
意味する。ショウはソロ冒険者として活動するに
辺り、無意味な殺傷は避けることを決意していた。
これではレベルアップが遠ざかると考えられがち
だが、今のショウからすれば、この洞窟の標準的な
モンスターから得られる経験値に旨味はない。
したがって、モンスターを殺しすぎれば、道具箱
から溢れるモンスター素材と、食べきれない肉で
溢れてしまうだけなのだ。
「無闇に殺して踏みにじっていては、あの外道達と
同じだからな。殺さざるおえない時は、必ず意味を
持たせる。…………スン」
リザードマンの解体を行う前に、近距離で匂いを
嗅いだ。
「彼からは、竜の鱗が6つ、竜肉が4つ、竜骨が
5つ、魔臓が2つかな?」
臭分解析レベル1を習得したことで、対象物の
匂いを嗅ぐことで、解体からどんなアイテムを
手に入れられるかを把握する事が出来るように
なったのだ。
これで余すことなく、素材を得られる。
「荷物道具箱が壊れなかったのも、ある意味
ラッキーだったな」
アーロン達の収集物や、一部の私物等も、
纏めて持たされた忌々しき思い出の品だが、
現在はその容量全てを自分の収集物の為に
使える。
「グオオオオっ!!」
エコーロケーションで把握した1匹目の
モンスターが、仲間を呼んだ。
「…………味方を死地に追いやるような真似は、
感心できないなぁ」
獣のように4足走行で素早い動きを見せる、
レパンドラゴが群れを成して襲いかかってきた。
「極小召喚×10(テン)、海底狙撃」
『ドドドドドドドドドド!!』
極僅かな時間差で、次々と超超高圧水流が
放たれていき、レパンドラゴの群れは瞬殺
されていった。
「…………うん、対複数の課題が見つかったな。
君達、ありがとう」
今回、避けて通れない一匹が仲間を呼び出した
お陰で、複数戦で狙撃攻撃を行う際、一匹一匹に
狙いを定める度に、召喚に遅れが生じることが
発覚した。
「町に着いたら、射撃訓練所か何かで改善を
試みようかな」
こうした経験による、能力の洗練が、これからの
ショウの強さを確固たるものにしていくのだ。
「さて、あいつらは…………」
ショウは、30分前に地球見つけたチンピラの
巣窟に、座標を指定した。
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