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石油料理

第1召、終幕!


9/3 多忙により、今日の夜に次話を上げます。

   今日中なのは保証します。

 またまた時を少し遡り、ショウと共に取り残された

カルロスがどうなったかというと…………


「今までありがとうねぇ…………」


 アーロンの兄貴は荷物持ちのゴミ(ショウ)を絶望に

叩き落とした後、女2人を連れて早速逃げた。

さーて、今、俺の手元にあるのは、斧、道具箱、

そして荷物と荷物持ち(ショウ)。対するは、全員がかりで

どうにもならないドラゴン。…………パズルは簡単に

組み立てられるな。

 組み立て方は、斧を振って、荷物持ち(ショウ)の脚を砕くに

決まってるぜぇ!!


「ギャアアアアアッ!!!」


 後ろから、裏股ごと骨を砕いてやったら、

この叫びだ。しっかし、相っ変わらずうるせぇ

(わめ)き声を上げる奴だなぁ。まーだこんなに元気

だったとはな。けどよ、こうも思った。


「やはり兄貴は天才だな」


 だってさ、そりゃそうだろ?


「兄貴はスキルを用いて後衛の女共と離脱した。

そして現場には血だらけで、肉の焼けた臭いを

放つお前と俺、そして凶悪なレッドドラゴン

だけが残った」


 こんなに組み立てやすい積み木ブロックを

残してくれたんだからな。


「つまり、お前の脚を砕いて動けなくして、

その隙に全速力で逃げてこいということだ。

流石は兄貴、本当に天才だねぇ」


 いやー、惨めでボロッカスなコイツを

見ていると、笑いも止まらなくなりますわー。

兄貴の考えは、本ッ当に共感出来るぜ~~。

 後、何かこのゴミ、俺の事睨んできてる

けどさー、全然恐ろしさが無くて、これがまた

滑稽なんだわー。


「てなわけで、1分以上稼げなかったら、天寿(てんじゅ)

全うした後に虐めに行くからな!」


 おおお! これでいつ、うっかりと死んじまっても、

当分の退屈しのぎにゃ困らねぇってな! 荷物持ち(ショウ)

マジ都合の良い粗大ゴミだなぁ!


「はっははははははッッwwwwww!!」


 俺は、アーロンの兄貴や一部の高速モンスターに

劣らねぇ脚の速さで、レッドドラゴンから逃げ延びて

やった。


「ドラゴンといえど、所詮は畜生。荷物持ち(ショウ)さえ

残れば、逃げるのは容易いなぁ!」


 俺は、そのいきで、一先ず疲れるまで

走り続ける事にした。


「ギャア! ギャア!」


 飛竜の幼体共が、(せわ)しなく変な挙動を見せて

やがるなぁ…………


「うるせぇぞ!!」


 ま、こちらに悪さをする前に、ぶっ飛ばすまで

だがなっ。


「グギャグギャ」


 リザードマンの群れねぇ…………


「オラオラオラァ! 虐殺た~のしぃwwwww」


 俺の眼前に現れる連中は、死、あるのみだぜぇ~♪


 骨肉を斧で切断し、飛散した肉片や臓物を

楽しげに踏み潰し、調子に乗りまくるカルロス。

だが、そんな(うたげ)も長くは続かなかった。


『ドゴォン!!』

「どわああっ!?」


 謎の大地震が起き、巨岩がほぼゼロ距離で

落下してきたのだ。速い遅い以前に避けられない。


「んなもん…………」


 が、カルロスは巨岩を両腕で抱え、床にどっしりと

構えると…………


「こうしてくれるわぁ!!」


 ジャーマンスープレックスを繰り出し、巨岩を

後ろへと受け流したのだった。


「この程度でカルロス様を殺せる訳ねーんだよ!」


 イラつきながら、岩壁を蹴り砕いた。


「…………しかし、今の振動はあのドラゴンの(はん)(ちゅう)

超えていたような気がするなぁ。って事は、あれ

以上の怪物が存在するのか??」


 珍しく、考えながら歩いていた。しかし、これも

まずかった。


『バゴッ!!』

「うおおお…いだだだだだだだぁっ!!!」


 先ほど受け流したと思っていた巨岩が砕け、

その破片が無数の砲弾のようにカルロスへ飛来

したのだ。しかも、その速度は遷音速にも

達しており、カルロスといえど、7割は被弾

してしまった。


「うおおおおーーーー!! ゴフゥ!!」


 その上、地面が崩れたので、壁をよじ登り、

途中から垂直にかけ上がったのだが、登ることに

意識を持っていきすぎたので、普通の落石に反応

できず、頭をぶつけて結局落ちた。


「クソガァァアァアア!!!!」


 怒りに怒ったカルロスは、斧を四方八方に

振り抜き、無数の飛ぶ斬撃で更に洞窟の1部屋を

増改築した。


「こうなったら、一気に上り詰めるまでだぁ!!」


 猪突猛進(ちょとつもうしん)。これ程までにこの言葉が似合う男も

そうそういない。また直進したのだが、やはり

妨害にやられた。


『バゴジュウウウウウウウウッッッ!!!』

「あばばばっっ!!」


 例の間欠泉と呼ぶには巨大すぎる水柱の余波に

よって、吹き飛ばされた。加えて、水柱の速度が

極超音速を超えていたので、発生する余波に(じん)(じょう)

ならざる高熱とプラズマが付与されており、破裂

した巨岩以上のダメージを受けた。


「ゼェ…………ゼェ…………ど、どうなってやがる…………」


 俺は、久しく恐怖という感情を思い出して

いた。こんな感情、転生前の幼少期に、親父から

感じた位しかねぇぞ…………


「…………柄じゃねぇが」


 アーロンの兄貴を思い浮かべ、早歩きや

ボルダリングといった、遅いが周囲をよく

見渡せる移動方法で、兄貴達との合流を図った。


「…………兄貴の足跡。流石は兄貴、俺が合流しやすく

なるように、配慮して下さった」


 やっぱ兄貴は至高の存在だぜっ! そう思うと

いてもたってもいられず、駆け足で動き出して

しまった。だってさ、兄貴の足跡をたどるだけで、

直ぐ様合流できるからなっ!


 こうして、曲がり角等で見つかる足跡の方角に

走り続けること2分。


「おっ、ローズじゃん。何かボッチなんだがwww

おーーーーい!」


 俺は笑いながら手を振った。しかし、反応がない。


「フン、女二人(てめぇら)に嫌われる分には何も問題はねぇ。

…………兄貴の声! アーロンの兄貴ィ! 会いた

かっt…………」


 声のする岩の狭間を掻い潜っていくと、アーロンの

兄貴はチビアリスとお盛んになっていた。


「あっと、その…………邪魔してわr」


 いてぇ!!!!


「ギャアアアアアッッ!!」


 転げ回りながら気がついたが、俺は腹を貫かれて

いたようだ。


「カルロスゥ、君はどこまで馬鹿だったら気が

済むのだ? 多少は仕方無しにしろ、限度と

いうものは存在するのだよ。それが分からぬ者は、

畜生君(ショウ)と同類の畜生風情だあっ!!」


 早口で捲し立てながら、俺が反応出来ない

速度で、明らかに致命傷にならない部位を

貫きまくる。怖ぇよおぉ!!!


「ごっ、ごべんなざいごべんなざいごべんなざ

いぃぃいい!!!」


 兄貴が相手だ。悪いのは俺だ。地面にデコを

擦り付けるような事をしたのは俺だぁ!!


「私はまだ満たされていない。故に、君も

ローズと共に見張りを行うが良い」


「わ、分かりましたぁ!」


 チラリと正面を見ると、アリスがマッパで

俺に見えないように物陰に隠れようとしていた。

…………てか、何か怪我してね? 自分で回復

しねーのかな?


 そんなことを思いながら、俺は見張りに

着かされたのだった。


「ローズ、お前はアーロンの兄貴に嫌われてるのか?」

「プッ…………そうみたい。まさかアリスに

寝とられていたとは思わなかったわ」

「ケッ、俺は2人とも、酒場の色男を食い漁って

いるだけだと思っていたがなぁ」


 兄貴も女二人も、よく身内とヤろうと思えるよな。

こればかりは兄貴であっても理解できなかった。


「それに…………あの無能が居なくなった腹いせに、

私達への当たりが強くなった気がする」


「…………確かに、全身を貫かれたのは初めてだっt

…………(あれ? 荷物持ちのゴミって、あんな

仕打ちを受けていたのに元気だった…………

いやいや、兄貴の手加減が上手かったから

生きていたんだ! そうだ、俺は強いって

認められているんだ!)」


 一方のローズも


(アーロンが…………私やアリスにも暴力を

振るうなんて…………まるで私が足手まといに

そうしたように…………いやいや、あいつは

あくまでも非力な魔法使い(わたし)にやられた

のよ。私やアリス(わたしたち)は攻撃性能の高いアーロンよ!

訳が違う!)


 2人揃ってショウを引き出しに、自己正当化をした。


「…………あー、兄貴達の声聞いてたら、俺も

ムラムラしてきたぜ。なぁ、俺達も1発ヤっと

こうぜ?」


「はぁ!? 誰があんた何かt…! 離せ!!」


「あ? 非力な(メス)の癖に拒否権があると

思ってんじゃねーよ! オラァ! こっちにケt…」

「死ね!!」


 ローズは雷属性の魔法を放ってきた。


「おっとぉ! へっへっへ、そういや魔力の方は

脳筋だったなぁ…………」


 大方、魔法防御の高い自分ごと痺れさせるつもり

だったのだろうが、当たらなきゃ無意味無意味♪


「ハッ、お前みたいなノータリンが、私に勝てる

わけ無いじゃないの」


 …………へぇ、言ってくれるじゃねーか。


「おいおい、前世のゲームみてぇに俺を

ノロマ脳筋だと思ってねぇか? んなこと

考えてるインテリモドキは」

『ドゴォン!!!』


 俺は地面を踏み込み、可能な限りジグザグ・

立体的な移動を開始した。ローズの奴、やっぱり

反応できていねぇwww このまま押し倒しt…


「ゴッッファアッ!?」


 腹ぁ!!? 俺はそのまま、50mは

転げ回ったと思う。


「カ・ル・ロ・ス。君はぁ、レディの扱い方すら

学んじゃいないのかなぁ…………乱暴したらダメ

でしょぉ…………」


 おう、これが出来るのは、兄貴だけだよな。


「ア、アーロン…………用は」


「キッチリ、済ませたよ。後はカルロス君が君に

謝りさえすれば、完・璧! さぁ、カルロス君!

悪いことをした時はぁ!」


「…………ローズ、悪ふざけが過ぎたな。すまなかった」

「フン、今回限りよ」


「良くできましたっ! さぁ、行こう。カルロスは

殿(しんがり)をお願いっ!」

「おうさ!」


 こうして、アースヒーローズは荷物持ちを除いた

4人で再結成した。少しして、兄貴は歩みを遅らせて、

両脇の女共へ接近した。


「逃走中は悪かったね。私もついつい取り乱して

しまったんだ。今後は2度とこういったことを

起こさないさ!」


 並の男すら惚れさせかねねぇアマイマスクで

2人にそう言った。おう! やっぱり兄貴は

リカバリーも完璧な、正真正銘完璧超人だぁ!!


~ショウサイド~


「…………出来た。ドラゴステーキ・石油炙りの完成!」


 俺は早速試食してみた。


「白身肉の淡白さに、竜脂の旨味がマッチングし、

更にはガソリンの風味が…………」


 ・・・・・・、石油要らねぇ…………


「石油王ってこんなことしているのかなって

思ったけど、流石に夢を見すぎていたな~~」


 召喚を活かした創作料理は、失敗に終わったが、

ショウの本当の異世界物語は、始まったばかりだ!

後書き


最後までお読みくださりありがとうございます。


 これにて1召終了ですので、よろしければ今一度評価を頂けると幸いです。


★……………………あんまり惹かれねぇなぁ

★★…………………見ても良いよー。ミテヤッテモネー

★★★……………とりまアーロン○そうぜ

★★★★…………あの4人○すべし

★★★★★……4人も地球のチンピラ共も、許さねぇぞおおおおおおおおッッッッ!!!!


 こんな風にどうぞ~(笑)


 因みに、カルロスがスッゲェ良い奴になったような主人公が速攻プレーを魅せる小説もあります。

 よろしかったらどうぞ~。


  https://ncode.syosetu.com/n6416gn/

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